【kevin.】2022年には仮想通貨で欧州旅行ができる?

仮想通貨だけでは生きていけない日本

先日インターネットニュースを見ていたら、某週刊誌の記者が1週間ビットコインだけで生活したレポートが掲載されていた。

2017年から大手家電量販店でビットコイン決済が可能になっており、東京であればレストランや歯医者などでもビットコインが使えるところがあるため、その記者は何とか生活できていたようだ。

しかしながら、電車に乗る時は現金が必要であるため、交通費は度外視されていたようで、いまいち本気度が感じられなかった。本気でやるつもりなら、自転車か徒歩で移動してでもビットコインだけで一週間生活すべきだろう。

私が同じようなレポートをする場合、意地でも現金やクレジットカードを使わず、ビットコインだけで一週間生活してみせる自信がある。

ただ、私は仮想通貨評論家であり、ポジショントークをさけるために仮想通貨への投資を行っていない。そのため、私がこの記者と同じレポートをする場合、スポンサーの方にビットコインを用意して頂く必要がある。

このような条件でもよければ、私は一週間ビットコインだけで生き抜く自信が大いにある。スポンサーの皆様、ご連絡をお待ちしております。

今回紹介した某週刊誌の記者が書いたレポートを読んで分かることは、「日本で仮想通貨だけを使って生きていくことは現時点ではできない」ということである。

日本の場合、法定通貨である円が全国津々浦々に流通しており、これだけの先進国であるにもかかわらず、クレジットカードが使えない場所があちこちにある偏った現金社会という特徴がある。

ノルウェーやスウェーデンなどの北欧諸国では、現金が使いにくくなるような政策を政府が採用していることもあり、クレジットカードであらゆる決済ができるようになっている。

アメリカやヨーロッパではビットコインだけではなく、イーサリアムでの決済が可能な店舗が出てきており、仮想通貨専用のATMも増加し始めている。

このような中、「2022年までにヨーロッパで2,100台の専用ATMを設置する」と宣言するICO企業が登場した。その会社の名は、「kevin.」である。

結局はATMとキャッシュカードが必要?

北欧に行かれたことがある人は感じたかもしれないが、街中でホームレスの人を見かけることがあまりない。私が北欧を訪れたのは2010年10月で、すでにかなり気温が低い時期だった。

北欧旅行中に案内してくれた現地の友人に、「ホームレスの人がほとんどいないね」と聞くと、「寒いからね」と回答した。

つまり、ホームレスをやっていると寒くて凍えてしまう可能性があるため、北欧はホームレスをしにくい気象であるということだ。

また、北欧諸国は社会保障が手厚く、ホームレスを生み出しにくい構造になっていることもあるだろう。

先程、北欧諸国はキャッシュレス社会を目指していると述べたが、これらの政府であっても「現金をなくす予定はない」という見解を示している。

豊かで社会保障が整備されている北欧諸国であっても、銀行口座を持っていない人やクレジットカードを作ることができない人は一定数おり、これらの人たちが生活するためには現金が必要であるからだ。

2017年10月に入り、ロシア政府が仮想通貨「クリプトルーブル」を発行するという報道が行われている。ロシア政府が正式に発表をしたわけではないが、プーチン大統領がオフレコ会見でコメントしたことがニュースになっている。

また、アラブ首長国連邦の首長国の一つであるドバイ政府が仮想通貨「emCash」を発行することを公式ウェブサイトで発表した。

政府による仮想通貨発行が現実になってきているわけだが、法定通貨がなくなることは今後もないだろう。

法定通貨がなくならないということは、紙幣や硬貨が今後も流通し続けることを意味する。そうすると、銀行のATMもなくならないことになり、ほとんどの人はキャッシュカードを持ち続けることになる。

今回紹介するkevin.は、オンライン・バンキング・サービスを提供するICO企業である。ただ、kevin.はホワイトペーパー6ページ目で、「伝統的な銀行に未来はない」と述べている(元銀行員の私もそう思う)。

一方で、kevin.は「銀行業務は残る」とも述べている。kevin.が言いたいのは、「ブロックチェーン技術を用いて決済などを行う銀行業務は残る」ということであり、「金融当局が銀行を監督する必要性は将来なくなるだろう」とも述べている。

伝統的な銀行と金融当局をこき下ろしているkevin.だが、面白いことに独自のATMを2022年にヨーロッパで2,100台展開する予定にしており、kevin.が発行するキャッシュカードを使って、ATMから法定通貨を引き出せる予定である。

ホワイトペーパー9ページ目にATM配置地図が表記されており、かなり具体的な数が示されていて、kevin.が真剣に予定を立てていることが感じられる。

しかしながら、元銀行員の私としてはkevin.のビジネスモデルに懸念がある。なぜならば、ATMというのはとても高価な機械であるからだ。

日本の大手銀行でも、コンビニエンスストアにATMの業務委託を行っているところがあるくらいだ。ATMの管理、維持は莫大な費用がかかるため、自前でやるのは非効率であると考える大手銀行があるのだ。

利用するためには仮想通貨を保有する必要がある

kevin.は、スペインのイベリア半島の南東にあるイギリスの海外領土であるジブラルタルで登記されているが、仮想通貨を使い、ヨーロッパ全土にビジネスを展開し、将来的には世界に進出していく予定にしている。

kevin.のキャッシュカード発行やATM利用は無料であるが、kevin.のサービスを使うためには仮想通貨であるKVTトークンを保有する必要がある。

このやり方は非常に効率的で、株式会社で例えると、「うちの会社のサービスを使いたいのであれば、株を購入して株主になって下さい」と言っているようなものだ。

ICO企業の発行する仮想通貨を持つことで、提供されているサービスに不満があれば、改善を求めるために会社側に申し入れる人が出てくるだろう。

自分が不快な思いをしているということは、他の利用者(kevin.の発行する仮想通貨保有者でもある)も同じように感じている可能性が高い。

利用者に仮想通貨であるKVTトークンを保有してもらうことで、会社側に改善提案をしてもらうインセンティブをつけるわけだ。

これはなかなか賢いやり方であり、今後ICOを検討している人がこの記事を読んでいる場合、参考にしてみてはいかがだろうか。

kevin.は2017年10月から12月までICOを実施しており、2018年第1四半期からサービスを開始する予定になっている。その後、2018年第3四半期には10台のATMをヨーロッパで設置するとホワイトペーパー上で説明している。

2019年第3四半期中に300台のATMをヨーロッパに配置し、2019年第4四半期には世界進出を開始する予定になっている。そして、2022年に2,100台のATMをヨーロッパ中に展開する予定になっているわけだ。

これが本当に実現すれば、2022年には仮想通貨だけで欧州旅行ができることになる。元銀行員の私としては、kevin.の今後から目が離せなくなっている。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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