【World Peace Coin】ICOが世界平和を担う時代がやってきた?

世界政府は無理そうだが世界平和は実現できる?

「世界政府」という理想を掲げている人がいるが、世界のあちこちで紛争が絶えず、国境間でさまざまな問題が発生しており、政治的な統合は非常に難しそうである。世界政府が実現不可能なのは、ヨーロッパの現状を見れば明らかだろう。

ヨーロッパ連合の中で統合されていたのは通貨だけであって、政治は各国の政府が担当しており、選挙を通じて首相や大統領が選出するシステムが続いている。

通貨統合を実現したヨーロッパであっても、政治の統合はできていないのだから、世界政府という高尚な理想が達成されることは、おそらくないだろう。

一方、世界平和の実現に向けて、国際連合などがいろいろなことをやっているが、世界のあちこちで紛争が起こっており、日本の上空にもミサイルが飛んだりして、実際に世界平和が実現される可能性はかなり低そうだ。

いきなり世界平和を達成することは難しくても、経済的な問題を抱えている国や地域を貧困から救い出すことによって、少しずつでも世界を平和にしようと考えているICO企業がある。

それが今回紹介する「World Peace Project Pte Ltd.」である。

発展途上国で銀行口座を持てない人たちを救うサービス

World Peace Project Pte Ltd.は、World Peace Coinという仮想通貨を発行し、最高5,000万米ドルの資金調達を目指すとホワイトペーパーで宣言している。

World Peace Project Pte Ltd.は、2017年12月20日から2018年1月20日までプレICOを実施し、2018年3月25日から4月25日までICOを実施するとしている。

プレICOとは、その名の通りICOの前に行われる仮想通貨販売のことで、プレICOの期間中に仮想通貨を買う方が、ICOで買うよりもお得になるケースが多くなっている。

今回紹介するWorld Peace Coinも、プレICO期間中は1トークン=0.22米ドルで購入できるようになっており、ICOになると1トークン=0.27米ドルで買える仕組みである。

World Peace Project Pte Ltd.は、発展途上国で銀行口座を持てない人たちにWorld Peace Coinを使ってもらえるプラットフォームを構築し、世界の貧困を根絶するとウェブサイトで説明している。

バングラデシュのグラミン銀行は、マイクロファイナンスを行っていることで有名だが、World Peace Coinも発展途上国の貧困層に融資を行い、チャンスに恵まれず貧困にあえいでいる人たちが立ち上がれる機会を提供するとしている。

マイクロファイナンスというと、貧しい人たちに少額融資を行い、いつ貸し倒れが発生するか分からない仕組みというイメージが強いかもしれない。

ただ、マイクロファイナンスの貸倒率は低いことが確認されており、ほとんどの融資はきちんと返済されているのが実情なのである。

また、World Peace Project Pte Ltd.は銀行員などを雇うわけではなく、「TSUMUGI」と呼ばれる人工知能(以下、「AI」)が自動でクレジットスコアを算出し、貸し倒れが起こりにくいローンを提供するとしている。

また、World Peace Coinの保有者は、プルーフ・オブ・レンディングと呼ばれる仕組みによって、World Peace Coinを貸し出すことでマイニングができるようになるという。

プルーフ・オブ・レンディングを提供しているICO企業はあまりなく、World Peace Coinを持っていれば誰でもマイナーになれるという珍しい仕組みを、World Peace Project Pte Ltd.は提供していることになる。

2018年6月から仮想通貨取引所で取引開始予定

World Peace Coinの大きな特徴として、2018年6月から仮想通貨取引所CryptoPieで取引が開始される予定になっていることがある。

CryptoPieは、日本に本拠地を置いている仮想通貨取引所である。この記事を執筆しているのは2017年12月6日だが、金融庁のホームページを見る限り、CryptoPieはまだ仮想通貨交換業者としての登録を完了していないようだ。

10月30日に掲載した記事「なぜ日本は仮想通貨先進国なのか
」で紹介したが、金融庁から登録済み仮想通貨取引所を9月29日に11社、12月1日に4社の合計15社発表されている。

CryptoPieはこの15社には入っておらず、今後金融庁による確認作業を経て、仮想通貨交換業者としての登録を行うことが予想される。

2017年12月にプレICO、2018年3月にICOが行われて発行されたWorld Peace Coinは、日本の仮想通貨取引所であるCryptoPieで取引される予定であり、これはポジティブな点である。

先行者たちをどう攻略するかがカギ

World Peace Project Pte Ltd.は、2018年10月からミャンマーでWorld Peace Coinを通じた寄付活動を開始するとしている。

World Peace Coinの総発行枚数は25億枚であるが、その10パーセントに該当する2億5,000万枚は発展途上国向けに寄付される予定になっている。

寄付を行うと同時に、AIを使ったスコアリングで融資を行うのがWorld Peace Coinであり、寄付と投資の融合によって、発展途上国の貧困層に対して流動性を提供していくとホワイトペーパー上で説明されている。

ICOで仮想通貨を発行し、それを使って発展途上国の貧困問題を解決しようとしているわけだが、World Peace Coinの行く先には先行者たちがおり、これらをどう攻略するかがカギになるだろう。

こちらのサイトで11月18日に紹介したシンガポールのICO企業である「Micromoney」は、既にミャンマーでマイクロファイナンスを行っており、World Peace Coinの強力なライバルになるだろう。

World Peace Coinはミャンマーを皮切りに、フィリピン、カンボジア、ベトナム、インドネシア、ラオスなどにも進出する予定であるとしている。

World Peace Project Pte Ltd.が世界平和を実現できるかどうかは、World Peace Coinが実際に発展途上国で流通し、仮想通貨取引所CryptoPieで予定通り換金、交換ができるようになるかにかかっていると言えるだろう。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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