仮想通貨を使って資金調達をするための仮想通貨誕生?

仮想通貨を使って資金調達をするための仮想通貨誕生?
ベンチャー企業を設立した創業者や起業家にとって、自分が起こしたビジネスの株式を新規公開することは大きな目標の一つであると言われている。
株式の新規公開はIPO(InitialPublic Offering)と略されるが、証券取引所の審査があり、色々な書類を提出しなければならず、実際のIPOにはさまざまな準備が必要になる。
アメリカを中心として、面倒なIPOではなく、仮想通貨による資金調達であるICO(Initial Coin Offering)を実施する組織が増加しており、仮想通貨を使ってICOを支援する企業が登場した。
その名も、「ICO Box」である。

ICO Boxの仕組み

ICO Boxの仕組みは、シンプルなものである。

以下の順序で、ICO BoxはICOをサポートすることになる。
1.ICO Boxが、2017年8月15日から9月15日まで発行を行う仮想通貨ICOトークンを顧客が購入する。
2.ICO BoxがICOのサポートを行うプロジェクトを週次でスクリーニングして、ICOトークン保有者に紹介する。
3.ICO Boxが選んだプロジェクトがICO Boxのプラットフォームを利用して、ICOを実施する。
4.ICOトークン保有者は、投資先のプロジェクトが発行する仮想通貨とICOトークンを交換する。

ICOトークンが円でプロジェクトの仮想通貨は新規株のイメージ?

上記のプロセスは、ICO Boxのウェブサイトに紹介されているものだが、これだけ見ると分かりにくいかもしれない。
もっとシンプルに説明し、通常のIPOに例えると、ICO Boxが発行しているICOトークンが円で、ICOを行うプロジェクトが発行する仮想通貨が新規公開株のイメージだろう。
通常のIPOであれば、投資家は証券会社に円を入金し、IPOを行う会社の新規公開株を購入することになる。
多くの場合、投資家は利益狙いだろうから、購入株が上昇したら売却して利益を得ようとする。
ICO Boxの仕組みは通常のIPOと基本的に同じであるが、使っているのが法定通貨ではない仮想通貨であり、プラットフォームが証券取引所ではなく、ICO Boxが提供しているインフラストラクチャーというだけの話である。

ICOはスピードが命?

世界中であらゆる仮想通貨が乱立しており、医療業界や保険業界の勢力図を塗り替えようとする企業まで登場している。
そんな中、ICOを実施しようとするプロジェクトや組織はスピード感を最重視しており、通常のIPOのようなややこしい手続きを踏んでいる時間的な余裕はなく、手っ取り早く資金調達ができるICOを選ぶ企業が、今後はさらに増えてくるだろう。
ICO Boxはそのようなニーズをくみ取って、ICOのプラットフォームを提供し、仮想通貨による資金調達をサポートするための仕組みを作り上げようとしているのである。
ICO Boxが優れている点として、ICOを行おうとするプロジェクトに対して事前監査を実施する点がある。
この部分でICO Boxは証券取引所の役割を果たしており、ICOを目指すプロジェクトであっても、不適切な部分があれば差戻し、改善が行われるまでICOを承認しない仕組みになっているのだ。

2008年にサトシ・ナカモトという謎の人物によってビットコインに関する論文が発表され、2009年からビットコインによる決済が始まり、瞬く間に世界中に仮想通貨が拡大したのは法定通貨の不便さに加えて、既存の金融システムや証券市場の硬直化に原因があると言われている。
ICO Boxは証券取引所としての役割を果たしながら、スピーディなICOをサポートするためのプラットフォームを提供するという新たな挑戦を行おうとしている。

コインマン
日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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