シリア難民支援でブロックチェーンが使われている!その深い理由とは

日本では聞きなれない「難民」。しかし、国外に逃れた難民や国内で住居を奪われた難民が2016年年末時点で6500万人以上います。

中でもよく耳にするのが「シリア難民」です。衣食住が不安定になり貧しい生活を余儀無くされています。その一方でシリア難民支援でブロックチェーンの技術が使われているをご存知でしょうか。今回はシリア難民の支援にブロックチェーンの技術が使われている理由について解説していきます。

シリア内戦と難民

まずは簡単にシリア内戦と難民について解説していきます。シリアでは国内の独裁政権を倒す動きが激化し内戦に発展しました。簡単な構図を説明すると政府軍と国民の戦いになります。この内戦では政府軍にロシアが味方し国民側にはアメリがが味方しています。

悲惨な戦果は2018年の3月で丸7年を迎えている状況です。戦争には化学兵器も持ち出され国民から死者が1500人も出ています。

このシリア内戦の戦火から逃れた人々をシリア難民と呼ぶわけです。また、国内で支援を待ち望んでいる人々も460万人いるとUNHCR(人道危機に陥った人々を支援する国際組織)が報じています。

難民支援にブロックチェーンを利用

混迷を極めるシリア情勢において、世界食糧計画(以下、WFP)は「Building Block」と呼ばれるブロックチェーンを利用したシステムで難民支援を行なっています。具体的な内容は支援対象者にお金を配り、自由に買い物を可能にする仕組みです。

買い物で決済をすると何をどれくらい購入したか、ウォレット残高がどれくらいあるかが記載されているレシートを受け取ることになります。しかも、取引の履歴がブロックチェーンに記録されます。ブロックチェーンに記録することで改ざんの心配もなく、履歴は可視化されます。

WFPはこれまでも難民支援でお金を対象者に支給する方法は採っていました。従来の方法ではWFPが地元の銀行へ資金の送金と受給対象者のリストを配布。その後、銀行が店側に支払いなどの取引履歴を確認し生合成の確認をしていました。

ブロックチェーンを使うことで銀行が管理する様々なコストがカットされ、月平均で4万ドルの費用が削減できるとのことです。よって、WFPの限られた資金で支援を継続するにはブロックチェーンを利用することで少しでも多くの支援ができるようになります。

今後のシリア難民とブロックチェーン

難民支援にブロックチェーン技術を利用するのは食糧支援だけにはどどまらない可能性があります。ブロックチェーンに記録された個人情報や取引情報はどんどん蓄積されていきます。

WFP以外にも多面的に難民を支援しようとすれば、WHO(世界保健機関)が健康状態の記録を追記。難問となっている対象が子供であれば教育関係の情報をUNICEF(国連児童基金)が追記…。

様々な支援機関が共通のブロックチェーンを使うことでシリア難民の自律を促す可能性があります。もちろん、シリア難民以外でも難民となっている対象はいますので活用できるわけです。

仮に、シリア内戦が収束に向かい難民たちが自国に戻るとなればそれまでの支払い履歴が残りますのでローンが組めたり、新たな仕事を受ける可能性も出てくるでしょう。

ただ、ブロックチェーンに載せる情報はある程度制限を設けたほうが良いとも考えられます。ブロックチェーン上では簡単に個人名などがわかるわけではありませんが、追求することは可能です。

よって、個人情報を記録するとは言え、個人の住所や氏名、宗教など事細かに記すのは注意が必要なのです。

代わりに、「この人は何歳でWFPより支援が許可されています」というレベルに止め、公開アドレスと紐付ければ十分に支援は受けられます。

以上を踏まえると、シリア難民の支援にブロックチェーンを利用する意味にはできるだけ多くの支援をし、難民が自律する願いも込められているのではないでしょうか。

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