【True Donate】仮想通貨で寄付をすると届く金額は2倍

法定通貨は寄付に不向きなのはなぜか

私は数多くのICO関連記事を執筆してきたが、その中には寄付や慈善活動を目的としているICO企業があった。最近はあまり使われなくなったが、以前は「南北問題」という言葉をよく耳にしていた。

先進国が多く位置している地球の北半球と、
発展途上国が多い南半球の場所を示した形で名付けられた言葉であり、南北問題とは世界に存在する貧富の差を意味している。

先進国は豊かな経済を持っているケースが多く、当然ながら富裕層がたくさん住んでいる。
数十億円以上の資産を抱えている人などは、残りの人生でそんな大金を使い切ること自体が難しい。

先進国の富裕層が使わないお金を寄付や慈善活動などに回すことで、経済的に行き詰っている人々がたくさんいる発展途上国に資金が流れることになる。

ただ、従来は日本円や米ドルなどの法定通貨を使った形でしか寄付を行うことができなかった。
法定通貨を寄付するということは、募金箱などに紙幣や硬貨を入れるか、慈善団体の口座に銀行振り込みを行う必要がある。

慈善団体で働いている人たちはボランティアのケースもあるが、職員として雇用されていることもあり、その場合は当然ながら人件費が発生する。また、事務所を借りたり備品を購入したりする際の資金も必要になる。

さらに、日本円で受け付けた募金や寄付を海外の発展途上国などに送金する場合、外国為替手数料や海外送金手数料などが発生する。銀行システムを使うために結構な費用が必要になり、受け取る側の海外の銀行で着金確認をするまでに数日かかるケースもあって、手数料だけではなく時間も取られてしまう仕組みになっていた。

法定通貨で寄付をした場合、実際に支援を必要としている人たちに届く金額は半分以下になってしまうことが多いと言われている。
私が1万円を寄付した場合、5千円以下の金額しか届かないということだ。

上記のような事情から、法定通貨は寄付や慈善活動に向いていないと考える人が多くなった。
そこで利用され始めているのが、ビットコインなどの仮想通貨を使った寄付活動である。

世界中の非営利活動法人(NPO)や非政府組織(NGO)の中にも、ビットコインによる寄付を受け付けているところが出てきており、仮想通貨で慈善活動に参加する動きが少しずつであるが拡大しつつある。

今回紹介するICO企業は「誰でも簡単に資金を集められる」をキャッチフレーズにしており、既存の法定通貨を通じた寄付や慈善活動の問題を解消できるとしている。その会社の名は、「TrueDonate」である。

ブロックチェーンによって寄付履歴の見える化

法定通貨による既存の寄付システムについて、いろいろな問題があることを述べてきたが、TrueDonateによると最大の欠陥は「すべての手続きが隠れている」ことであるそうだ。

日本での話であるが、駅の前で募金箱を抱えて寄付を募っていた団体が集めた資金を横領していたことが発覚し、詐欺罪で警察に逮捕されたケースがあった。

募金箱に入れたお金が犯罪に使われたり、公序良俗に反する目的として流用されていても、寄付をした人にとっては確認のしようがないため、このようなことが起こってしまう。

TrueDonateが主張するように、現在の寄付システムは手続きが見えなくなっており、どのようにお金が使われたかを確認したり、チェックしたりする方法が存在していない。

仮想通貨の場合、ブロックチェーンで履歴を確認できるため、法定通貨による寄付と比較して、「見える化」がしやすいという特徴がある。
最近になって、寄付や慈善活動を目的としたICO企業が増えているが、その背景には集まったお金の動きを可視化したいという想いがあるように感じている。

スマートコントラクトを使った評価制度で悪意を持った人は排除可能

TrueDonateは2017年12月1日から2018年1月15日までICOを実施し、
2018年9月からスマートフォン版アプリをリリースする予定になっている。TrueDonateは寄付や慈善活動のためのプラットフォームであるが、社会的な目的で資金調達をする場合にも利用可能であるとホワイトペーパー上で説明されている。

また、TrueDonateで資金調達を行った人は、その後の活動によって評価される仕組みになっている。
悪意を持った人が資金調達を行い、何らかの問題が起こった場合はTrueDonateのプラットフォームから排除されることになっており、不正などが発生しにくくなっている。

TrueDonateの場合、仲介者不要のスマートコントラクトを使って手続きが行われるため、
資金を集めた人に対する評価が重要になってくる。高い評価を受けた人は次の機会に大きな資金を集めやすくなり、そうすると社会によりよい影響を与えるための活動を行いやすくなる。

社会起業家にとっても好都合のシステム

近年になって「社会起業家」と呼べれるビジネスパーソンが登場しているが、彼ら、彼女らが置かれている経済的な状況は決して恵まれているとは言えない。社会が抱えている問題について、ビジネスを通じて解決しようとする人が社会起業家と考えられている。

しかしながら、ビジネスの基本は「安く買って高く売る」ことであり、社会起業家の活動は成り立ちにくいと考える人もいる。

銀行などの既存金融機関に融資の依頼などに行ったとしても、「社会起業家?何ですかそれは?ビジネスはボランティアではありません。利益を出せないのであれば起業家とは言えませんね」と断られるパターンがほとんどだろう。

TrueDonateであれば社会起業家であっても資金を集めやすく、評価を高めていくことで事業を拡大できる可能性がある。「社会をよくしながらビジネスを行っていきたい」と考えている社会起業家は、一度TrueDonateに問い合わせをしてみるとよいだろう。

珍しいホワイトペーパー

TrueDonateのホワイトペーパーは珍しい形態になっており、ウェブサイト上からアクセスするとPDFなどがダウンロードされるのではなく、ホワイトペーパーというページがウェブサイトで表示されるようになっている。

海外であっても日本であっても、ICOへの投資を検討している人はスマートフォンでホワイトペーパーを見るケースが多いと考えられる。
PDFの場合、スマートフォンで見ようとすると字がどうしても小さくなってしまい、投資家からすると読みにくくなる傾向がある。

PDFの形で掲載するのではなく、ウェブサイトの一部としてホワイトペーパーを表示することで、見やすくてスクロールもしやすくなる。
また、PDFの内容がスマートフォンに残ることもないため、後で消去する手間が省けるため、私にとってもTrueDonateのホワイトペーパーは扱いやすかった。

ただ、TrueDonateのホワイトペーパーには英語とロシア語が混ざっている部分があり、
日本語をクリックしても日本語が出てこないなどの技術的な問題が散見された。

ホワイトペーパーをPDFではなく、ウェブサイトの一部として表示する試みは読みやすくてよいと感じたが、肝心の中身がきちんと整備されていないのは残念である。
TrueDonateのICOは12月から開始されるため、それまでに改善されることを期待しよう。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。