【Opporty】クラウドソーシング業界に風穴をあけるICOが登場

自営業者の地位が低い日本

私は長年勤めた金融機関を辞めて、今は自営業者をやっている。仮想通貨評論家コインマンとして、ICO企業の分析や仮想通貨関連ニュースを執筆する機会を最近はかなり多く頂くようになっており、ありがたい話である。

前職の上司や同僚たちとも時々話をすることがあるのだが、私が元気に働いている様子を見て、喜んでくれると同時に驚いてもいる。「まさか、自分でビジネスを続けているとは!」とビックリする人もいるくらいだ。

この記事を執筆しているのは2017年11月だが、この20年間で現在はもっとも日本経済の調子が良い状態だと言えるだろう。

日本の失業率は3パーセント前後でほぼ完全雇用の状況になっており、中小企業やベンチャー企業だけではなく、大企業でも人材が足りないと嘆いている人事部の人がいるくらいである。

私の場合、自営を始めたタイミングが日本の好景気と重なり、仮想通貨業界の市場規模が大きくなったことも重なって、色々な意味で幸運だった。

私が以前所属していたのは巨大金融機関であり、退職して自営を始める人はほとんどいない組織だった。

前職の金融機関での待遇が良かったこともあり、私が自営を始めることについて冷ややかな声を浴びせる人も一部いたが、大部分は応援の声をかけて下さり、現在でも幸運なことに仲良くさせて頂いている元上司や同僚が結構いる。

私は家族が広告代理店とレストランを経営しており、身近に自営業者が多かったこともあって、自分でビジネスを始めることについて特にリスクなどは感じなかった。

現実の話として、日本はこの世でもっとも飢えることが難しい国だと思っている。万が一何かあっても、日本の場合は社会保障が整備されているため、国が面倒をみてくれる大変ありがたい社会なのだ。

それでも日本の起業率は海外と比較しても低く、大学や大学院で高等教育を受けた人たちの多くは大企業や役所に入る傾向にある。

この最大の理由は、日本における自営業者の地位が低いからではないかと私は感じている。

「優秀な人は就職しない」と言われるアメリカ型の起業社会が素晴らしいとは言わないが、日本でも「もう少し自営業者を評価してくれてもいいのにな」と感じてしまう今日この頃である。

そんなことを考えている時、「自営業者が行っているビジネスがきちんと評価される仕組みを提供する」と宣言するICO企業が、アメリカ合衆国で登場した。その会社の名は、「Opporty」である。

クラウドソーシングをスマートコントラクトで提供

ライターやイラストレーターの人で、クラウドソーシングのサービスを使ったことがある人であれば、Opportyのビジネスモデルはすぐに理解できるだろう。ライターを例に取ると、以下のようなプロセスでOpportyを使うことになる。

1.サイト運営業者などが、Opportyのプラットフォームでライターを募集する
2.ライターはOpportyのプラットフォームで条件面などを確認の上で、応募する
3.Opporty上で契約が成立すれば、サイト運営業者が報酬をエスクロー口座に入金(仮払い)
4.ライターは記事を提供し、サイト運営業者の確認が完了すれば、エスクロー口座に入っている報酬がライターに支払われる
5.契約終了後、サイト運営業者とライターはお互いを評価し合う

うーん。既存のクラウドソーシングとまったく同じじゃないか。日本でも多くのクラウドソーシング業者が登場しているが、本家はアメリカである。

Opportyもアメリカに本拠地を置いているが、似たようなクラウドソーシング・サービスを手掛けているところは既に多数存在している。

Opportyは後発者のクラウドソーシング業者となり、先行者たちの後を追いかける形でビジネスを行うことになる。

ポイントはサービス使用料

日本におけるクラウドソーシングの問題として、高額なサービス使用料がある。大手のクラウドソーシング業者の場合、少額取引の場合は20パーセントがサービス使用料になることが一般的である。

仮に、私が1記事1万円の仕事を5本請け負ったとしよう。合計5万円の報酬のうち、20パーセントの1万円がクラウドソーシング業者にサービス使用料として徴収され、私の手元には4万円しか残らない。

金額が大きくなれば、このパーセンテージは下がる業者が多いのだが、それでもサービス使用料が高いと感じている利用者が多いはずである。

ただ、クラウドソーシング業者を使えば、報酬が支払われないなどの問題が起こりにくい。また、いざこざが発生した時に仲介してくれるため、その手間賃としてサービス使用料を支払っていると考えるしかないのだろう。

日本のクラウドソーシング業者の場合、かなりの人員を雇用してシステム開発や顧客対応にあたっており、高額(だと利用者が思っている)なサービス使用料が下がることはしばらくないだろう。

海外のクラウドソーシング業者であっても、サービス使用料の高さに多くの利用者は不満を持っているようで、この問題を解決できるのであれば、Opportyがビジネスを拡大できる可能性はある。

しかしながら、Opportyのウェブサイトとホワイトペーパーには、サービス使用料の明確な記載が見当たらなかった。

利用者にとってはサービス使用料が最重要課題であるため、この部分は早めに開示してもらいたいものだ。

グローバルなクラウドソーシング業者になれるのか?

クラウドソーシング業者の場合、その国の商慣習に対応して地域密着のサービスを提供しているところが多い。

日本の大手クラウドソーシング業者のビジネス規模はかなり大きくなっているが、海外展開を行う予定などは聞いたことがない。

Opportyはアメリカに本拠地を置いており、公用語が英語であることもあって、国際展開は英語圏から始めるようである。

Opportyのホワイトペーパー22ページ目に、国際展開の予定が世界地図で示されており、アメリカに続き、カナダ、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランドなどの英語圏からビジネスを拡大していくようだ。

英語圏の後、Opportyは中国に進出するようで、ヨーロッパよりも中国が先のようだ。Opportyの3番目のターゲットはロシアであり、残念ながら日本は最後の進出先であるアジア地域の中に入ってしまっている。

ただ、Opportyがどのような言語対応をするかについて、ウェブサイトにもホワイトペーパーにも詳細が書かれていなかった。英語ができれば誰でもOpportyを使えるのだろうが、世界展開を行っていく上では多国語対応が必要になるだろう。

法定通貨と仮想通貨の両方が使える

Opportyは2017年10月19日から11月27日までICOを実施しており、仮想通貨であるOPPトークンを発行して資金調達を行う予定である。

Opportyのプラットフォームを使う場合、米ドルなどの法定通貨とOPPトークンを両方使えるようで、この部分は使い勝手が良いと言えるだろう。

サービス使用料と言語対応という2つの課題は存在しているが、現在のクラウドソーシング業界に風穴をあける存在になるべく、Opportyには頑張ってもらいたいものである。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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