【hedge】乱高下しがちな仮想通貨への投資をヘッジするための仮想通貨が登場?

【hedge】乱高下しがちな仮想通貨への投資をヘッジするための仮想通貨が登場?

1ビットコインの価格が5,000米ドルを狙うところまで上昇しており、イーサリアムは2017年に入って40倍以上の高騰を続けるなど、メジャーな仮想通貨の値上げ幅が連日ニュースを騒がしている。

一方で、マイナーな仮想通貨の中には大きく値を下げているものもあり、予想外の損失を受けた投資家も存在している。
2017年下半期には、世界中で300以上のICO(仮想通貨による資金調達)が実施されると言われており、これからも玉石混合の形でさまざまな仮想通貨が発行されていくのだろう。
証券取引所という門番がいるIPO(InitialPublic Offering)とは異なり、ICOは自社ウェブサイトで投資家を募り、仮想通貨を発行できるため、詐欺コインなどをつかまされた場合は話の持って行きどころがなく、泣き寝入りをせざる得ない状況になっている。
元外資系金融マンの私からすると、こんな時に役立つのがオプションという仕組みだ。
オプションの細かい仕組みを勉強したい方は、証券外務員の試験を受けることをおすすめする(金融機関に勤めていなくても受験可能)。
オプションとは、分かりやすく言えば将来の買う権利や売る権利の取引である。
オプションはデリバティブの一種なのだが、特に危険なものではなく、元々はリスクをヘッジするために開発されたものである。
ヘッジという言葉は金融業界でよく利用される言葉であり、英語では「hedge」となる。
hedgeの元々の意味は「囲む」ことであり、囲いを作ることによって外部の危険なものから守るということが語源になっている。
ありとあらゆる仮想通貨が存在するブロックチェーン業界で、リスク回避の方法を提供するための「囲い」になるべく1つの企業が誕生した。
その名も、「Hedgetoken」である。

賢い投資家はリスクを取らない?

Hedgetokenのウェブサイトを覗いてみると、「賢い投資家はリスクを取らない、ヘッジするのだ(Smartinvestors don’t risk it, they hedge it)」というフレーズが掲載されている。
広告代理店のコピーライターが考えたのか、Hedgetokenの担当者が思いついたのかは不明だが、金融機関で長らく働いていた私からすると不思議なフレーズである。
ヘッジするということは何らかのリスクを取っているからであり、リスクを取らないのであれば、ヘッジなどしなくてもよいからだ。
金融機関にいるとこのような屁理屈を考えてしまいがちであるため、辞めてしまって良かったと思うのだが、Hedgetokenがやろうとしているのは、仮想通貨業界における指数の作成のようである。
指数というよりも、インデックスという方がしっくりくる人が多いかもしれない。
日経平均株価やトピックスなどの指数をテレビなどで目にすることがあるが、あれがまさしくインデックスである。
Hedgetokenは、複数の仮想通貨の価格を束ねることによって、ブロックチェーン業界におけるインデックスを構築しようとしている。

仮想通貨の投資信託のような仕組み?

日本で仮想通貨に投資を行う場合、取引所に口座を開設し、本人確認を行った上で売買を開始することが一般的である。
証券会社で口座を開設し、株式や債券などを売買することと基本的に仕組みは同じである。
ただ、仮想通貨の場合、証券取引と違ってクレジットカードを使って取引することができる場合があり、これは大変便利である(高い手数料に注意が必要だが…)。
仮想通貨取引所に口座を開設すれば、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を売買することができる。
日本の取引所の中には10種類以上の仮想通貨を取り揃えているところがあり、自分の好みのコインを取引することができる。
しかしながら、投資信託のように複数の仮想通貨をまとめて一度に投資するという仕組みが現状では存在しない。
Hedgetokenが目を付けたのはここであり、複数の仮想通貨の価格をまとめることでインデックス化し、その指数の値動きによって利益が出たり、損失が発生したりする仕組みを作ろうとしているのである。

「そのことがなぜヘッジになるのか?

」という疑問を持つ人がいるかもしれないが、これは立派なヘッジ手法である。
なぜならば、1つの仮想通貨に投資するよりも、30の仮想通貨に分散して投資する方が暴落リスクを軽減することができ、長期的に見るとパフォーマンスを向上させられる可能性が高くなるためである。
Hedgetokenのウェブサイトでは、トップ30の仮想通貨インデックスを組成することなどが述べられている。
複数の仮想通貨の価格をまとめて指数化すること自体は技術的に難しいことではなく、日経平均株価やトピックスなどの算出方法と同じ手法を用いるだけである。
分かりやすいHedgetokenの経営陣仮想通貨評論家としてICO関連の記事を執筆していると、ブロックチェーン企業のウェブサイトを見ることが仕事の一環になってくる。
各企業の経営陣の写真がウェブサイト上に掲載されていることが多く、これを見ると会社の特徴がそれぞれあって面白い。
Hedgetokenの場合、資産運用会社や会計事務所、保険会社、プライベート・エクイティ、投資銀行などでキャリアを積んだプロフェッショナルが経営陣として名を連ねている。
印象的だったのは、ウェブサイト上に掲載されている上から5人目までのHedgetokenの幹部たちが、ビジネススーツを着用して写真を撮っている点だ。
ブロックチェーン企業にしては珍しくHedgetokenからは固いイメージが漂っており、金融機関的な内部管理体制を基に事業運営を行っていくことが、ウェブサイトの写真からも想定される。

将来的には仮想通貨でデリバティブ商品を組成?

Hedgetokenは2017年9月15日から10月15日までの間でICOを実施する予定であり、そこで仮想通貨HEDGEを発行する予定である。
Hedgetokenは、2018年1月に大手会計事務所による監査を受ける予定にしており、このような動きも金融機関っぽいものだ。
Hedgetokenは2018年前半からテスト運営を行い、2018年6月からフルサービスを開始する予定になっている。
Hedgetokenはヨーロッパで登記を行っており、必要な免許を取った上で当局からのモニタリングを受けながら業務を遂行していくとしている。
Hedgetokenはまず仮想通貨のインデックス商品を開発し、将来的にはデリバティブ商品を組成するともウェブサイトで述べている。
2008年9月15日にリーマン・ブラザーズが破綻し、世界が金融システム不安の恐怖に陥った背景にはデリバティブがあると言われている。
そのため、デリバティブというと「危険なもの」というイメージが付いているかもしれないが、デリバティブはリスクを回避するために開発されたものであり、正しく使うことで価格が乱高下しがちな仮想通貨への投資リスクを軽減させることが可能なのだ。
私がHedgetokenの最高経営責任者であれば、「賢い投資家はリスクを取らない、ヘッジするのだ」とは言わず、「賢い投資家はヘッジしながらリスクを取るのだ」というキャッチフレーズに変えるだろう。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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