【IndaHash】インフルエンサーを操るICOが登場

既存の広告システムはインフルエンサーを活かせていない

私は前職が外資系金融機関だったこともあり、こちらのサイトである「bit-life」でも金融関連のICOが多くなる傾向にある。

無意識に記事執筆をしていると金融関連ばかりになってしまうため、意図的に金融以外のICO企業も取り上げるようにしている。

分かりやすく、読んでいて楽しい記事を作成する上で、ビジネスがシンプルなICO企業の方が書きやすいという現実がある。

そこで重宝するのが、マーケティング関連のICO企業である。資本主義社会で生きている我々にとって、広告はどこまで行っても追いかけてくる代物なのだ。

インターネット全盛の時代になっても、テレビ・コマーシャルがなくならないなど、既存の広告代理店はいまだに力を持ち続けており、なかなか古い体質を変えることができないでいる。

そんな状況を変えようとしているのが、インフルエンサーと呼ばれる人たちだ。TwitterやインスタグラムなどのSNS上に多数のフォロワーを抱えているインフルエンサーたちは、絶大なマーケティング力を持っていると考えられている。

従来は、タレントや芸能人でなければインフルエンサーになることが難しかったが、最近は一般人でもSNSで多数のフォロワーを持っている有名人が出てきている。

芸能人などを広告で起用する場合、数千万円程度の費用が必要になると言われているが、一般人のインフルエンサーを活用することで、コストを抑えた形で効果的なマーケティングを行うことができるようになった。

しかしながら、中小零細企業などが一般人のインフルエンサーにコンタクトをして、広告や宣伝に登場してもらうことは難しいとされている。

大手企業などの場合、広告代理店を使う十分な資金があり、情報を色々と集めることができる。

しかしながら、資金力に乏しい中小零細企業の場合、どのインフルエンサーが自社商品、サービスのマーケティングに適しているかを把握すること自体が難しいのだ。

このような状況から、既存の広告システムはインフルエンサーを活用できていないと言われてきた。

ただ、スマートコントラクトを活用したブロックチェーン技術の登場によって、広告代理店などの高いコストがかかる仲介者を経ることなく、中小零細企業も最適なインフルエンサーを探す仕組みが構築できるようになった。

今回紹介する「IndaHash」もインフルエンサーを活用してマーケティングを行っており、低コストで効果的な広告、宣伝をあらゆる業者が行えるためのインフラストラクチャーを構築しようとしている。

ブランドとインフルエンサーと顧客をつなぐ

アイルランドに本拠地を構えているIndaHashは2017年11月8日から12月20日までICOを実施する予定であり、仮想通貨であるIDHトークンを発行することになっている。

IndaHashのビジネスは非常に分かりやすく、一言で表現すると、「ブランドとインフルエンサーと顧客をつなぐ」ことである。

商品やサービスを提供する業者のことを「ブランド」と表現しており、彼ら、彼女らは広告、宣伝を行うために、IndaHashの仮想通貨であるIDHトークンを購入し、準備しておく必要がある。

ブランドはIDHトークンを支払い、インフルエンサーがそれを受け取って適切なマーケティング活動を行うことになる。

インフルエンサーは受け取ったIDHトークンで、ブランドの商品を購入したり、サービスを受けたりすることが可能になっており、ブランドの店舗で割引を受けることもできるようになるとIndaHashのウェブサイト上で説明されている。

また、ブランドが発売する商品やサービスなどを早い段階でインフルエンサーは利用したり、試したりすることもできる予定になっている。

IndaHashが興味深いのは、インフルエンサーが自分自身の仮想通貨を発行できるプラットフォームを構築している点だ。

インフルエンサーが発行した仮想通貨を使って、商品を購入してくれる顧客に対して特別なサービスを提供したり、イベントを開催して、インフルエンサーと顧客が対面でビジネスをすることなども可能になるとしている。

顧客はインフルエンサーが発行する仮想通貨を購入し、それを使ってインフルエンサーのサイン入り商品を買ったり、実際にインフルエンサーに会いに行くなど、さまざまな使い方ができるような設計になっている。

インフルエンサーがIndaHashを選ぶ理由は何か?

非常に分かりやすいビジネスモデルを採用しているIndaHashであるが、ここで一つの疑問が沸き上がる。

「インフルエンサーが法定通貨ではなく、IndaHashが発行する仮想通貨であるIDHトークンで受け取ろうとするインセンティブは何なのか?」というものだ。

前述の通り、インフルエンサーはマーケティングを行うブランドの商品やサービスを早い段階で利用したり、割引を受ける機会が与えられることになっている。

しかしながら、インセンティブがこれだけではインフルエンサーが法定通貨ではなく、IDHトークンを受け取ろうとする決定的な理由にならないだろう。

IndaHashはICOを行おうとしているが、既に世界7都市(ニューヨーク、モスクワ、ロンドン、ベルリン、ドバイ、シンガポール、ヨハネスブルグ)にオフィスを持つグローバルなマーケティング会社である。

IndaHash自体は2016年に設立されており、70カ国で33万人以上のインフルエンサーとコンタクトを持っているとウェブサイト上で説明している。

これまでIndaHashは、インフルエンサーに対して法定通貨で報酬を支払ってきたが、世界中でオペレーションを行っているため、銀行経由の送金手数料が高く、決済に時間がかかることが課題になっていた。

IndaHashのウェブサイトに宣伝動画が掲載されており、これが結構分かりやすいため、実際に投資を検討している方は視聴してみるとよいだろう。

宣伝動画が1分経過したくらいから、既存の銀行がいかに非効率的でムダな作業を行っているかの説明が始まり、IndaHashは銀行システムをこき下ろしている。

元銀行員の私からすると、「その通り!」と言いたくなる事柄ばかりであるが、宣伝動画には皮肉も混ぜられており、英語が苦手であっても視覚的に理解できるよう工夫されているため、視聴することはマーケティングの勉強にもなるだろう。

また、送金手数料が高く、時間がかかりすぎることに加えて、銀行システムの決済の場合、インフルエンサーのプライバシーが守られないことについても、IndaHashは宣伝動画内で強調している。

銀行経由で決済をすると、誰がどこにどれだけの金額を送ったかがガラス張りになり、政府が確認しようと思えば、いつでもどこからでも詳細を見ることができる。

インフルエンサーの報酬を法定通貨から仮想通貨であるIDAトークンに変更することで、IndaHashは上記のような問題を解決できるというわけだ。

IndaHashは、「IDAトークンが換金、交換できる仮想通貨取引所はICO後に発表する」とウェブサイトで説明しており、この点が気がかりだが、注目すべき新しいマーケティングの取り組みであることに間違いはないだろう。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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