【ALIS】日本のブロックチェーン企業がICOを実施!

日本でICOが少ない理由を君は知っているか?

私は仮想通貨評論家という日本でおそらく初めての職業をやっており、ありがたいことにICO関連の記事を執筆する仕事をさせて頂いている。仮想通貨評論家という仕事柄、仮想通貨取引所の関係者や仮想通貨投資家と呼ばれる方たちと話をする機会がある。

また、金融機関で勤務していた時、企画部門に所属しており、金融庁や経済産業省、財務局などの窓口として当局の方々から有難い(?)指導を受ける立場にあった。そのため、政府や規制当局がICOに対してどのような考えを持っており、今後どう対処していこうとしているかについても、ある程度は意向を予測することができる。

2016年に日本の国会で成立した改正資金決済法(施行は2017年)によって、仮想通貨取引所を登録制にするなどの法整備が行われた。ただ、改正資金決済法の中にはICOに関する記載が見当たらないため、仮想通貨を使って資金調達をしたいと考えている日本のブロックチェーン企業はどうすればよいか分からない状態が続いていたようである。

ただ、最近になって日本でICOを行うことは法的に問題ないという判断が行われたようで、日本のブロックチェーン企業の中でICOを実施するケースが出始めている。アメリカやヨーロッパなどに比べると出遅れた感は否めないが、日本のブロックチェーン企業もICOで資金調達を行い、新しいビジネスに挑戦しようとしているわけだ。

今回紹介する「ALIS Co., Ltd.」は、仮想通貨評論家として私が執筆してきたICO記事の中で初の日本発祥のブロックチェーン企業である。

ホワイトペーパーの内容を要約している「ALIS Co., Ltd.」

私のICO関連記事を読んでいる方はお分かりだと思うが、「ホワイトペーパー」という言葉がよく登場する。ホワイトペーパーとは、ICOを実施するブロックチェーン企業が自社の事業計画を説明し、より多くの投資家から資金を調達するための資料である。

しかしながら、このホワイトペーパーは読みにくいものが多い。私は金融機関で働いていた時、本部があったニューヨークから送られてくる暗号のような英語の資料を分かりやすくまとめ、東京にいる経営陣などに日本語で報告する仕事を行っていた。

私が以前、金融機関でやっていたことと今の仕事(仮想通貨評論家)は類似点が多く、「分かりにくい英文資料を読んで、短く分かりやすい日本語にする」という作業を継続して行っていることになる(今の方が数倍楽しいけど)。

分かりにくい英文を読みなれている私でも、何が何だか分からないホワイトペーパーに遭遇することがあり、そんな時はチョコレートをかじり、糖分を補給してからパソコンに向かうことにしている。私が読んで分からないホワイトペーパーを提供しているブロックチェーン企業の場合、ビジネスの内容などを投資家に分かりやすく説明することは難しいだろう。

今回紹介するALIS Co., Ltd.のウェブサイトを見て感心したのは、ホワイトペーパーの内容を要約し、3つのポイントとして短く説明していることだ。ALIS Co., Ltd.は日本発祥のブロックチェーン企業であることから、英語だけではなく、日本語のウェブサイト、ホワイトペーパーを準備している。

当初、ALIS Co., Ltd.はホワイトペーパーの要約版を準備していなかったようだが、投資家から「ホワイトペーパーをすべて読むのが難しい」という声を受け、短いバージョンを用意したようだ。この姿勢は企業として非常に好感が持てるものであり、顧客の意見を反映して改善を行っていく経営を実践していると言える。

信頼性が担保できるメディア運営に挑戦することがミッション?

ALIS Co., Ltd.が目指しているのは、「ブロックチェーン技術とトークンを元に、今までにないソーシャルメディアを作り上げること」だそうだ。また、ミッションとして、「信頼性が担保できるメディア運営に挑戦すること」を掲げている。

ALIS Co., Ltd.は従来のメディアのように広告収入に頼るのではなく、新しい形のメディアを日本で作りあげ、信頼できる記事に多くの人がアプローチできる仕組みを構築するとウェブサイト上で説明している。それを実現するために、ALIS Co., Ltd.のビジネスには以下の3つの特徴があるという。

1.良質な記事の発掘
2.プラットフォーム価値の還元による経済発展
3.ブロックチェーン技術を使った高信頼性の担保

最初の「良質な記事の発掘」は、非常に分かりやすい。多くの人が「いいね」と思う良質な記事を投稿した人や、そのような記事を真っ先に探し出した人に対してALIS Co., Ltd.の仮想通貨であるALISトークンが配付される予定である。

ALIS Co., Ltd.は、過去の栄光で信頼を獲得しているユーザーがトークンを獲得することがないよう、また不正を利用してトークンを得る人が出ないようにロジックを設計しているようである。ブロックチェーン・プラットフォームは、これらのロジック組み立てに向いており、ALIS Co., Ltd.は信頼性を可視化するためにアルゴリズムを変えながら、システムを運営して行くようである。

2つ目の特徴である「プラットフォーム価値の還元による経済発展」は、ALIS Co., Ltd.が発行する仮想通貨であるALISトークンの上昇を意図しているようだ。ICOを行う企業にとって、発行するトークンは株式のようなものであり、その価格が経営陣に対する通信簿の役割を果たしていると言える。

ALIS Co., Ltd.が提供するプラットフォームが信頼され、利用者が増えることによってALISトークンの価値も上昇すると想定しており、相乗効果を出しながら、ビジネスを拡大していきたいという考えをウェブサイト上で掲載している。資本主義社会においては、当然の経営姿勢と言えるだろう。

最後の「ブロックチェーン技術を使った高信頼性の担保」は、低コストでブロックチェーン・プラットフォームを利用者に提供し、還元できる報酬を最大化することを目指しているという。ブロックチェーン技術が一般化するまでは、仮想通貨のような仕組みを構築するために高いコストを支払う必要があった。

しかしながら、スマート・コントラクトを低コストで利用できるようになり、中央管理者を置かない形で低コストのブロックチェーン・プラットフォームを運営することが可能になった。この恩恵を、ALIS Co., Ltd.は最大限活用していくとしている。

問題はALISトークンの流動性?

ALIS Co., Ltd.は、2017年9月のICO実施後、2018年4月に実験的なサービスであるベータ版を提供し、2018年10月から正式サービスを開始する予定にしている。たった3人からスタートしたALIS Co., Ltd.だが、「信頼できるメディアの確立」というミッションを実現するために、今後仲間を増やしていくとしている。

ALIS Co., Ltd.が今後ビジネスを拡大していけるかどうかは、発行する仮想通貨であるALISトークンが仮想通貨取引所で交換可能になるかどうかがポイントになるだろう。仮想通貨でも法定通貨でも流動性が最重要であり、いくらALIS Co., Ltd.が素晴らしいサービスを提供しても、ALISトークンを交換、取引できる場所がなければ投資家を増やすことはできないからだ。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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