【Kript】仮想通貨投資に困ったらAIに頼る?

多すぎて選べないICOの投資先

ブロックチェーン企業が世界中で乱立しており、毎日のように仮想通貨による資金調達であるICOが行われている。そのおかげで、私はこうして仮想通貨評論家として仕事を頂けているわけだが、仮想通貨に興味がある投資家からすると、選択肢があまりにも多すぎて、どこに投資をしたら良いのか分からない状況になりつつある。

アメリカに住んだことがある人であればお分かりだと思うが、アメリカではケーブルテレビが発達しており、100以上のチャンネルが用意されている地域がある。人間の脳は10以上の選択肢を与えられると、選ぶことを拒否すると言われている。

そのため、100以上のチャンネルがあっても、実際に利用するのは限られた10以下のチャンネルになるケースがほとんどであると考えられている。それを見越しているかどうかは不明だが、日本のテレビは地上波もBSも10程度のチャンネル数になっている。

私は会社員時代、昼食を外で摂っていたが、行くところをある程度決めていた。ローテーションを組んでいたわけであるが、選択肢となるレストランや飲食店はやはり10以下にしていたような気がする。私の最後の勤務場所は有楽町周辺にあったため、食事をする場所は無数にあったわけだが、自分の中で選択肢を制限していたわけだ。

ICOの投資先に悩んでいる人は、周りから情報を収集したり、いろいろなサイトを確認したりして、情報を集めていることだろう(おすすめは、もちろん「bit-life」だ!)。

そんな中、ICOをはじめとする仮想通貨の投資先に悩んでいる人向けに、ブロックチェーンの専門家や成功した仮想通貨投資家などの意見を集約したサービスを提供する企業が登場した。その名は、「Kript」である。

保有資産の状況をまとめるだけではない?

Kriptのアプリをスマートフォンにダウンロードすることによって、利用者は保有している仮想通貨の資産状況を常時把握することが可能になる。ただ、これだけのサービスであれば、他社からも類似アプリが既に提供されている。

Kriptの場合、仮想通貨の値動きを予測する機能が備わっており、著名な仮想通貨投資家の意見なども確認できる予定になっている。著名な仮想通貨投資家というのがどのような人たちであるのかは不明であるが、日本でいうところの「億り人(おくりびと)」のようなイメージだろう。

ビットコインなどの仮想通貨に投資をして、1億円以上の資産を築いた人たちのことを億り人と呼んでいる。Kriptのアプリをインストールすることによって、億り人をはじめとする仮想通貨マニアの意見を確認することが可能になるようだ。

ICOの資金調達、ターゲットはアジア?

Kriptはシンガポールに本拠地を置いており、2017年10月19日から11月19日までICOを実施し、仮想通貨であるKRPTトークンを発行する予定である。ICOで資金調達を行いながら、英語、中国語、日本語のベータ(実験)版アプリの提供を開始することになっている。

Kriptは、ターゲット市場をアジアに定めており、中国と日本、シンガポールなどの仮想通貨投資家に照準を合わせているようだ。あまり意識することはないかもしれないが、日本はビットコインの一大市場になっている。

2017年に入ってから仮想通貨全体の価格が上昇している背景には、日本の投資家が大量の資金をビットコインなどの仮想通貨に投入しているからという意見もあるくらいである。

2016年に日本の国会で改正資金決済法が成立し、2017年から施行されている。州や地方レベルで仮想通貨の規制を始めているところはあるが、日本のように国レベルで法整備を進めているケースはあまりないのである。

この記事を執筆している2017年9月時点で、日本の仮想通貨取引所は所在地がある財務局で登録手続きを行っている。登録が完了した取引所は、「仮想通貨交換業者」として財務局のホームページで公表される予定になっている。

そのため、投資家は当局によってモニタリングされている取引所を確認した上で、仮想通貨の売買を行うことが可能になる。

Kriptが英語、中国語に加えて、日本語のアプリも同時に開発しようとしている背景には、日本の仮想通貨市場が拡大していることに加えて、法整備が主要国の中で進んでいる国であるとKriptが考えているからかもしれない。

いずれにせよ、どのような仮想通貨に投資すればよいか迷っている人や、英語が苦手であるため、日本語でいろいろな仮想通貨の投資情報を入手したいと考えている人にとって、Kriptは有益なツールになる可能性がある。

ホワイトペーパーを読むと流動性の問題も想定済み?

Kriptのホワイトペーパー(ICO企業がウェブサイト上に掲載する事業計画書)は、非常に読みやすくまとめられている。2018年前半のうちに、Kriptが発行する仮想通貨であるKRPTトークンを、仮想通貨取引所で交換可能にするとホワイトペーパー上で説明している。

KRPTトークンが交換可能になる取引所がどこになるかは明記されていないが、時間軸を示した上で、換金手法という流動性の問題を解決しようとする経営姿勢は好感が持てる。

Kriptのサービスをより多くの人に利用してもらうためには、KRPTトークンの購入者を増やし、法定通貨や主要仮想通貨と交換可能にすることが重要になるからだ。

ICOの投資家が気にするポイントである流動性の問題についても、Kriptはきちんと考えており、いつまでに解決するかの目安を設けていることは評価されるべきだろう。この流動性の部分について、ウェブサイトやホワイトペーパー上で言及していないICO企業が結構多いのである。

人工知能が投資相談に乗ってくれる?

Kriptは、2018年後半に人工知能(AI)をアプリに導入して、利用者に対するコンサルティングや投資推奨サービスを行う予定であるとホワイトペーパー上で説明している。

銀行や証券会社などで投資運用している人はお分かりだと思うが、最近は多くの金融機関がロボットやAIを活用した投資サービスを提供している。

アメリカの大手投資銀行でも、以前はトレーダーやブローカーがやっていた仕事をロボットやAIが担当するようになっている。運用関係のスペシャリストの場合、高給取りであるケースが多かったため、コンピューターで代替するインセンティブが金融機関側に働いたものと思われる(この辺はやり方がうまいし、動きも速い)。

ロボットやAIの場合、運用や投資の相談においても感情が入ることがなく、過去の値動きなどを冷静かつ客観的に観察して判断を行ってくれる。コンピューターだけに依存することは危険であるが、Kriptの場合、仮想通貨投資家などの人間の意見もきちんとアプリに掲載する予定であり、いろいろな意味でバランスが取れていると感じる。

Kriptのサービスを受けるためにはKRPTトークンを購入し、それを支払って投資相談に乗ってもらったり、仮想通貨の動きを予想してくれるAIサービスを受けることになる。

現在の日本でも投資顧問と呼ばれるビジネスが存在しており、Kriptは仮想通貨版の投資顧問会社をイメージすると分かりやすいだろう。ただ、どれだけAIが発達しても、市場の動きを完全に予測することはできないため、あくまで参考程度にとどめておき、余裕資金で仮想通貨取引を行うことがポイントになる。

コインマン
日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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