メキシコ中銀の総裁は、ビットコインを通貨として認めない構え


8月末に、メキシコの中央銀行の総裁であるアグスティン・カルステンス氏は、ビットコインを始めとした仮想通貨を通貨として認めない旨の発言をしました。

理由として、通貨は中央機関を介する必要があること、過去に多額のハッキング事件が起きたこと、さらに自国の通貨であるペソの下落が続く事が挙げられます。

年々規模が拡大していく仮想通貨ですが、国によって対処は様々です。

この度のメキシコ中銀総裁の発言の真意や、経済界の流れを解説できればと思います。

メキシコの仮想通貨事情

中央銀行だけでなく、メキシコ政府は以前から仮想通貨に対して懐疑的な姿勢を表していました。
この情報だけだと、メキシコ国内では仮想通貨は流通していないような印象がありますが実情は大きく異なります。

世界的にチェーン展開しているセブンイレブンですが、メキシコでも全国展開しておりなんと1,868店舗もあるそうです。

そのセブンイレブン全店でビットコインが支払いに使えたり、幅広い人種や年齢層の人々にとって仮想通貨は身近な存在です。

さらにメキシコの通信会社は世界でも高いシェアを得ており、スマートフォンの普及率は隣国のアメリカよりも高いのです。

こういった背景からも、メキシコは優れた仮想通貨のマーケットが作れると専門家の多くが分析していました。

大きなビジネスチャンスが眠っているように思いますが、それではなぜ、メキシコの中央機関は仮想通貨に対して否定的なのでしょう?

なぜ仮想通貨に否定的な流れに?

その原因は、メキシコ国内の情勢の不安定さに尽きると思います。

1994年のメキシコ通貨危機を始めとして、これまで何度も金融的に大きな問題がありました。
突然ペソの切り下げをして、国内が大混乱に陥った事も一度だけではありません。

他にも銀行口座を作るための費用が高額だったり、そもそも銀行の数が少なすぎたりして、メキシコの国民の多くが政府の金融政策を信用していないのです。

ビットコインが登場してからは、不安定な自国の通貨を安定した資産にするために仮想通貨に投資する人が続出しました。

明日突然に自分のお財布の中のお金で何も買えなくなるかもしれない、そんなリスクがあるのなら安定した通貨を持ちたいと思うのは当然ですよね。

その一方で、匿名で取引が出来る上に脱税やマネーロンダリングなど犯罪の危険性がある仮想通貨は、国の運営にとっても大きなチャンスであると同時に高いリスクを伴います。

メキシコは移民の多い国で日雇い労働者も多く、国民の所得管理が追いついていないようです。
似た環境のインドでは高額紙幣を廃止して、多額の資金をオンライン上で行う事でお金の動きを可視化する事を進めていますが…
自国の金融システムが整わない内に新しい技術を取り入れる事は簡単ではありません。
基礎工事がままならないのに、地震に強い頑丈な建物は作れないのです。

今回の総裁の発言はただ単に新しい技術を否定したのではなく、そういった国家運営の困難さへの憂いを含んでいるようにも取れます。

メキシコでの仮想通貨の将来的な展望は?

メキシコは近年、経済的成長が著しい上に新興国としても知られています。
世界的な企業も次々と生まれ、産油国として資源にも恵まれています。

反面、治安は悪化の一途を辿り、各地に存在する麻薬カルテルは様々な事件を起こしています。
国境付近や湾岸部でのカルテルとメキシコ・アメリカ両国の治安部隊との抗争は、未だに国民を悩ませています。

それらの反政府組織のマネーロンダリングや資金運営に、仮想通貨が使用されるか、あるいは既に利用されているかも分かりません。
容認するにしても規制するにしても、政府は法律を整備して管理できる環境を整えるべきなのですが…

対応すべき問題は山のようにあり、なかなか道のりは遠いようです。

英語/美容/ダイエット/健康/映画/音楽がメイン。ライター等を勉強中。

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