【FaceCoin】広告のないSNSがブロックチェーン技術で可能になる?

SNSで学校の宿題をしていたあの日

私は社会人10年目に一時仕事を中断し、フランスの学校で勉強をしていたことがある。

当時はちょうどfacebookが普及し始めた頃であり、学校の宿題などをグループワークでやる際にはfacebook経由でコミュニケーションを取っていたものである。
あれから7年近く経過したが、最近はfacebookよりもチャットワークで仕事をすることが多くなっている。
私の場合、仮想通貨評論家という職業柄、このサイト「bit-life」をはじめ仮想通貨のニュースサイトやICO情報を取り扱っているウェブサイトに記事を書くことが多い。
そのため、私の取引先はITリテラシーの高い会社ばかりであり、チャットワークやグーグル・ドライブ経由でほとんどの業務が完結するため大変効率的である。
前職の金融機関の場合、打ち合わせなどでもいちいち紙の資料を用意しなければならなかったため、非常に非効率だった(辞めて本当に良かった)
最近になって私がfacebookをあまり利用しなくなった理由の一つとして、広告が多くなったことがある。
スマートフォンでfacebookの画面をスクロールすると、4分の1くらいは広告のような気がするし、それであれば直接メールなどで友人や知り合いとコミュニケーションする方が快適であると感じているからだ。
私と同じような疑問を持っている人たちが、ブロックチェーン・プラットフォームの起業家の中にもいたようである。
現在の中央集権的な管理が行われているSNSが抱える問題を解決し、利用者本位のコミュニケーション・ツールを提供するブロックチェーン企業が登場した。
その名は、「FaceCoin」である。

facebookは厳密に言うと無料ではない?

facebookの利用者数が、世界中で20億人を突破している。
世界には70億人の人がいると言われているため、4人に1人以上がfacebookのアカウントを持っていることになる。
これだけの数の人間が利用している背景には、facebookの登録が無料であることが背景にある。
たとえ100円でも月額使用料を徴収されるのであれば、facebookの利用者数は激減するだろう。
無料だから多くの人がfacebookに登録し、利用しているのである。
しかしながら、今回紹介するFaceCoinは、中央管理されている無料のSNSでは利用者が商品になっていると主張している。
facebookの場合、利用者が興味のありそうな広告を掲載し、それによって莫大な利益を計上している。
利用者はfacebookの画面を見ることで、広告も自動的に目にすることになる。
テレビを視聴している場合と同じようにスポンサーの商品やサービスを有無を言わさず見させられているため、facebookは厳密な意味では無料ではなく、利用者は時間という重要なコストを支払っていることになるのだ。

現在のSNSではあなた自身が商品?

FaceCoinによると、中央管理されているSNSでは自動的に利用者のインターネット閲覧履歴などが保存されており、それに基づいて広告が表示される仕組みになっている。
無料のSNSを利用することと引き換えに、多くの利用者はインターネット閲覧履歴をSNS業者が保存することに合意している。
FaceCoinは、「現在のSNSではあなた自身が商品」と皮肉っており、中央管理型ではないSNSの必要性を唱えている。
私の場合、職業が仮想通貨評論家ということもあり、毎日のように仮想通貨やICO関連のウェブサイトを見ているため、facebookなどのSNSページを閲覧すると、仮想通貨とICOの広告しか出なくなっている(苦笑)。
私のインターネット閲覧情報に基づいて、SNS業者は仮想通貨やICOの情報を売り込んでいるわけだ。
私の場合、仮想通貨評論家という中立の立場を維持するため、仮想通貨やICOへの直接投資は行わないことにしている。
なので、読者の皆さんに私からポジション・トークを行うことはないため、安心して記事を読んで頂きたい(真面目でしょ)

中央管理型ではないFaceCoinで既存のSNSが抱える問題は解決?

FaceCoinは2017年9月にICOを行う予定であり、仮想通貨であるFCトークンを2,000万枚発行する予定にしている。
1イーサリアム=500FCコインでICOが実施されるため、FaceCoinはおよそ1,200万米ドル(約13億円)の資金調達を目標にしていることになる(この記事を執筆している2017年9月9日時点の1イーサリアム=約300米ドルで計算)。
FaceCoinは中央管理者がいないブロックチェーンSNSを提供するため、ノード・ソフトウェアを走らせてくれる利用者に対してFCトークンを付与する予定である。
また、FaceCoinはイーサリアムのスマートコントラクトを活用し、自動的にシステムが運営される仕組みを構築しようとしている。
広告の出ないfacebookを目指すのか?

FaceCoinのウェブサイトやホワイトペーパー(ICOを実施する企業がウェブサイトに掲載している事業計画書)を見ていると、広告の出ないfacebookを目指しているように感じる。
ただ、広告が出ないだけのfacebookの仕組みを構築したとしても、20億人がFaceCoinを利用することにはならないだろう。
「良い商品が売れる商品ではない、売れる商品が良い商品なのだ」というマーケティングの格言があるように、広告の出ないSNSを設計したとしても、利用者が増えなければ意味がない。
FaceCoinが予定通りICOで13億円を調達できた場合、システム設計やエンジニア採用などに資金を投入すると思われるが、同時にマーケティング費用も計上しておく必要があるだろう。

経営陣はエンジニアだらけ

FaceCoin経営陣の経歴や写真などがウェブサイトで公開されているが、ブロックチェーン・プラットフォームのスタートアップ企業にありがちなエンジニアだらけの布陣である。
エンジニア中心で組織運営を行うのはある意味で当然なのだが、マーケティング戦略をどうするかについてはホワイトペーパーでも詳しい記載が見当たらなかった。
facebookが出てくる前にもいろいろなSNSはあったが、世界規模で拡大できたものはほとんどなかった。
facebookに登録すれば、世界中にいる4分の1以上の人間とつながることが可能になるため、現在は他のSNSを利用するインセンティブが働きにくい状態になっていると言える。

結局はネットワーク外部性の問題に行きつく?

過去の記事でも述べているが、このタイプのブロックチェーン・プラットフォームの場合、ネットワーク外部性の問題に行くつくような気がする。
いくら良いネットワーク・サービスを構築しても、多くの人が利用していないと、登録するインセンティブが働かなくなるのである。
「すべてはマーケティングである」という言葉が経営学ではよく語られている。
FaceCoinがどのようなマーケティングを行い、利用者を増やしていくかが今後の課題になるだろう。
仮想通貨評論家をやっていると、多数のブロックチェーン企業のウェブサイトとホワイトペーパーを目にすることになるが、これらの読みやすさがマーケティングの上手さに直結しているような気がしている。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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