たった4人のインフルエンサー・マーケティング会社が始動?

たった4人のインフルエンサー・マーケティング会社が始動?

最近はテレビ・コマーシャルなどに出演している有名人が不祥事を起こし、広告からの降板を余儀なくされると、多額の違約金が発生することがある。

数千万円の違約金は珍しくなく、億単位の返還請求が行われることもある。
ただ、これらの多額の資金は消費者が商品やサービスを購入した資金で賄われていることをあまり意識しないのは不思議な話である。

テレビ・コマーシャルはインフルエンサー・マーケティングの元祖?

最近の広告業界やマーケティングの世界では、「インフルエンサー・マーケティング」という言葉が良く出てくる。
テレビ・コマーシャルは、昔ながらのインフルエンサー・マーケティングであり、有名人がテレビの中で、スポンサーの商品やサービスがいかに素晴らしいかをプレゼンテーションし、良い印象を視聴者に与えるための広告・宣伝戦略である。
YouTubeなどのオンライン動画コンテンツが急速に普及し、テレビを視聴する人の数が減っていると言われているが、テレビ・コマーシャルが購買行動に与える威力は相変わらずのようだ。
芸能人のテレビ・コマーシャル出演料が数千万円するのは一般的であり、海外で活躍するスポーツ選手やトップ・アーティストなどになると出演料が1億円を超えるケースもある。
真偽は別として、有名人のテレビ・コマーシャル出演料の大きさがスポーツ新聞の記事になっていることも時々ある。

ブロックチェーン技術があればリーズナブルにインフルエンサーを探せる?

商品やサービスに自信があり、多くの人に知ってもらいたいと考えている個人事業主や中小企業の場合、テレビ・コマーシャルを展開するような巨額の資金がないため、別のリーズナブルなマーケティング手法を考えなければならない。
最近は、芸能人やスポーツ選手などでなくても、YouTubeやTwitterなどのソーシャル・ネットワーク・サービス上で有名になっている一般人が登場しており、数万人単位のフォロワーがいるケースも珍しくなく、大きな影響力を与える存在になっている。
ソーシャル・ネットワーク・サービス上でのつながりに着目し、ブロックチェーン技術を活用してリーズナブルにインフルエンサー・マーケティングを提供しようとする企業が現れた。
その名は、「Adshares」である。

仲介業者を経由しないマーケティング手法ブロックチェーン技術を活用することの最大のメリットは、仲介業者を排除できることだ。
Adsharesはブロックチェーン・プラットフォーム上でマーケティング・サービスを提供するため、商品・サービスを販売する個人や企業は、広告代理店という仲介業者を通すことなく、宣伝してくれる媒体との接触が可能になる。
また、Adsharesの利用に際して、テレビ・コマーシャルで必要になるような巨額の資金は不要であり、資金力がない個人事業主や中小企業などであっても、大企業と同じ条件でマーケティングを行うことが可能になる。
さらに、Adsharesではマーケティングに関するデータが公開される予定になっている。
実際に利用されたマーケティング費用に対して、どれだけの効果があったかについて、誰でも確認できるようになる。
この部分は非常に重要であり、テレビ・コマーシャルなどでは定量的な費用対効果分析が難しいと言われている。
広告代理店から提示される高額の費用に見合った効果が、テレビ・コマーシャルに本当にあるかどうかを分析するのは意外と困難なのである。

Adsharesは具体的にどうやるのか?

Adsharesのウェブサイトによると、現在は4人のスタッフしかいないが、2017年7月からICO(仮想通貨による資金調達)を行っており、必要な資金を確保次第、追加人員の採用を行うとしている。
たった4人で巨大な広告業界に殴り込みをかけられるところがブロックチェーン技術のすごさであり、素晴らしさなのだろう。
Adsharesは、ヨーロッパにあるインフルエンサー・マーケティング分野の出版社や企業と豊富なコネクションがあるとウェブサイト上で説明しており、2018年からネットワークを使って業務を行っていく予定になっている。
また、ソーシャル・ネットワーク・サービスをフル活用して、インフルエンサーの影響力を最大限に高める仕組みをオンライン上で提供するとしている。
Adsharesを使って広告・宣伝を行いたい個人や企業は、Adsharesの発行しているADSTトークンを入手する必要がある。
その後、商品やサービスの広告・宣伝の内容を固め、ADSTトークンを支払い、Adsharesのプラットフォームで掲載することになる。
広告・宣伝の内容がどのようなプロセスを経て決められるかについては、ウェブサイト上で説明されていない。
一方、媒体となる出版社やメディアなどは、Adsharesのプラットフォーム内で、どのような広告・宣伝を受け入れるかを決めておき、受け入れる場合は集金をした上で、広告・宣伝を掲示する仕組みになる予定である。
Adsharesによると、当面の間はイーサリアムのブロックチェーン上でADSTトークンの決済を行う予定であるが、イーサリアムのブロックチェーンは割高であり、早い段階で独自のブロックチェーンを構築したいとしている。

既存の広告代理店から見て、Adsharesはどう映るか?

私の兄が小さな広告代理店を経営しているのだが、彼の立場からAdsharesがどう映るか考察してみた。
兄は地方都市で広告代理店を運営しているが、最近は昔ながらの新聞チラシを利用する顧客が出始めているという。
新聞チラシと言えば、近所のスーパーの黄色いチラシをイメージされる方がいるかもしれないが、まさにあれのことで、地域密着の商店を営んでいる個人事業主などの場合、オンラインで広告や宣伝を打つよりも、新聞チラシの方が威力があるというのである。
この場合、個人事業主と新聞配達業者の間に仲介者として私の兄が入り、チラシの内容についてアドバイスを行ったり、ターゲット顧客の心に届くコピーライティングをしたりすることになる。
個人事業主は兄の得意先であり、マーケティングのことは任せきりだから、出来上がったチラシを一瞬見るだけ見て、後は新聞配達業者に送付され、各家庭に新聞と一緒に配られる仕組みである。
Adsharesがどれだけ安く、便利なプラットフォームをブロックチェーン技術を活用して提供したとしても、この個人事業主が兄との取引を停止して、Adsharesを利用する可能性はほぼゼロに近いだろう。
紙の媒体を使って広告を出そうとしている個人事業主の場合、インターネットを活用して仲介業者を省く形で新聞配達業者に直接コンタクトをするという発想がそもそもないからである。
また、チラシを新聞に入れてくれる新聞配達業者も、「Adsharesが便利だからすぐに使おう」とはならないはずだ。
私の兄が電話したり、訪問して相談したりする内に、新聞チラシを入れてくれるようになってきているわけで、オンライン全盛の現代においても、対面の人間関係はビジネスの世界では健在のようである。

新聞や雑誌などの紙の媒体に触れることが少ない若年層向けにマーケティングをしたい企業にとっては、Adsharesは大きな可能性を秘めた存在である。
2018年の業務展開に向けて、Adsharesは人員確保も含め事業拡大を行っていくと予想されるが、ウェブサイト上に記載されている大枠の内容を具体的に実務に落とし込んでいく作業は、結構大変なように感じるのは私だけだろうか。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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