ブロックチェーン技術があれば未来を予想できる?

ブロックチェーン技術があれば未来を予想できる?

ドラえもんに出てくるタイムマシーンがあれば、未来に一旦行ってみて株価や外国為替の数字を確認したり、競馬や競輪などの結果を見た上で現代に戻り、金融取引やギャンブルをすることで確実に利益を上げられる。

しかしながら、実際にはタイムマシーンが存在しないので、そのようなことはできない。
未来に行くことは不可能だが、人間には未来を予測するための脳が与えられている。
予測は占いと同じで、「当たるも八卦(はっけ)当たらぬも八卦」なのだが、多くの人の意見や過去の分析を集めれば集めるほど、的中率が高まるとされている。
ブロックチェーン技術を活用して、金融市場やスポーツ、政治などの未来を予想し、個人間で取引を行うことができるプラットフォームが登場した。
STX technologies社が提供する未来予測取引プラットフォームの「Stox」である。

先物市場は未来予測のギャンブル場?

未来を予測することは難しいと思われているかもしれないが、人間は古くから未来を予測し、利益を上げるための仕組みを作り上げようとしてきた。
江戸時代に大阪(当時の地名は「大坂」)で開始された米の先物取引は、世界で最初のデリバティブ取引と言われている。
先物取引の基本は、定められた価格で特定の商品を将来購入する権利を取得することであり、デリバティブで言うところのオプションと原理は同じである。
現在は、石油やトウモロコシなどの資源や農作物の先物取引が世界規模で行われているが、実需に基づいて注文している人もいれば、投機で資金を入れている人もいる。
投機で先物市場に参加している人は「ギャンブラー」と言えるかもしれないが、このような山っ気の強い人が金融の発展には必要なのだ。

アメリカの金融市場がなぜ世界最大であるかご存じだろうか?

世界中から投機資金が一番集まってくるからであり、それによってアメリカの金融市場の厚みが増して、流動性が高まっているのだ。
そう、投機がなければ、金融市場を円滑に運用することは難しいのである。

ブロックチェーン技術は未来予測取引に向いている?

ブロックチェーン技術は、未来予測取引のプラットフォームとして適しているようである。
一番のポイントは、中央管理者がいないことだ。
2008年にサトシ・ナカモトという謎の人物がビットコインについての論文を発表した時、中央管理者の不在が大きなイノベーションをもたらすと主張した。
今回紹介するStoxは、ブロックチェーン技術を用いて未来を予測し、個人間で取引するためのプラットフォームを提供するため、中央管理者が存在しない。
先物取引でも競馬、競輪、パチンコなどのギャンブルなど、既存の未来予測取引プラットフォーム(?)では、中央管理者が大きな力を持っている。
先物取引を行う場合、先物取引所は利用者や仲介業者から手数料を徴収し、利益を得ている。
競馬、競輪、パチンコの場合、胴元が莫大な利益を上げている一方で、未来を予測する人(ギャンブラー)は多くの場合で大幅な損失を被っている。
しかしながら、中央管理者がいないブロックチェーン技術を使っているStoxの場合、利用者は胴元であるSTX technologies社から搾取される心配がない。
また、Stoxは感情に流されることがないため(当たり前だが)、不正が行われたり、ごまかされたりすることもない。

Stoxはオンライン・ゲームセンター?

STX technologies社はICO(仮想通貨による資金調達)を終了しており、2017年中にStoxのプラットフォームを開発し、2018年から取引が可能になる予定である。
Stoxのプラットフォームで予測(ギャンブル)をするためには、STX technologies社が発行する仮想通貨であるSTXトークンが必要になる。
Stoxでは、ありとあらゆる予測が取引対象になるとしており、株式市場や外国為替市場などはもちろんのこと、政治体制や天気予報でさえ取引対象になる。
ただ、個人間の取引になるため、同じ方向の予測ばかりでは取引が成立しなくなる。
明日の天気予報について、参加者全員が「晴れ」と予測した場合は取引にならないということだ。
Stoxはブロックチェーン技術を使った未来予測取引プラットフォームだが、日本のあちこちにあるゲームセンターと基本的な仕組みは似ている。
ゲームセンターではコインを購入して、スロットをしたり、パチンコのような機械でギャンブルをしたりすることができる。
ゲームセンターで稼いだコインは換金できないことが多いが、Stoxの場合、予測が当たればSTXトークンが増え、他の仮想通貨などに換えることができる。

Stoxを利用する人が増えれば、既存の金融市場が必要なくなる可能性がある。
都心にある先物取引所や金融機関の店舗、そこで働く人たちの給料などのコストは、先物取引をしている人たちが負担している。
一方で、Stoxは低コストで運営されているため、利用者が受けられる利益は既存の先物取引などよりも多くなる可能性を秘めている。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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