盗難電力でマイニング施設を違法運営、ロシアで男2人を逮捕


今年4月、ロシアの廃工場で、違法にマイニングを行っていたとして2人の男が逮捕されました。

事件の概要

マイニング大国ロシアのオレンブルクで、変電所の電力を無断使用しながら仮想通貨のマイニング施設を運営していたとして、男2人が逮捕されました。同国のメディアが4月11日に報じています。

ロシア連邦内務省のイリーナ・ボルク(Irina Volk)報道官の報告によれば、すでに廃業した工場でマイニング施設を違法運営していたのは、工場の元従業員ら。工場周辺で莫大な電力が消費されていると、地元電力会社が警察に通報したことがきっかけで違法運営が発覚しました。

現場には、インターネットに接続された6,000台以上のマイニングマシンが発見されたほか、近くの変電所につながる電源ケーブルも発見されました。この違法マイニング施設は、推定600万ルーブル(約100万ドル)のコストで、およそ800万kW/hもの電力を盗難していたと見られています。

逮捕された2人の男については、ロシア連邦刑法第165条「欺瞞による財産被害の発生」に基づいて、刑事訴訟が提起されました。

今年2月、核研究施設のスパコンでマイニングを試みたとして逮捕者が出ていた

違法にマイニングを行ったり試みたりしたとして逮捕者が出たのは、ロシアでは今回が初めてではありません。

今年2月にも、ロシア最大の核研究施設に勤務する複数のエンジニアが、施設内にあるスーパーコンピューターを使用して仮想通貨のマイニングを試みたとして逮捕されました。

同施設のスーパーコンピューターは、浮動小数点演算を1秒あたり1000兆回行うことができる処理性能を有していましたが、セキュリティの観点からインターネットには接続されていませんでした。逮捕されたエンジニアらがマイニングをするためにスーパーコンピューターをインターネットに接続しようとした時に、センター保安部がその試みを阻止し、彼らを拘束しました。

なぜロシアではマイニングが盛ん?

そもそもなぜロシアでは仮想通貨のマイニングが盛んに行われているのでしょうか?

一つ目は、ロシアがマイニングに適した寒冷な気候であることです。寒冷な気候があればマイニングマシンの冷却装置がなくとも、自然の風が冷やしてくれます。

二つ目は、それまでマイニング大国だった中国が、政府の強力な規制を受けて停滞期を迎えつつあることです。中国では多くのマイニング事業者が国外移転の計画を徐々に進めているといいます。そこで、移転先としてロシアが候補地に挙げられていると考えられます。

ロシア政府によるマイニング規制は?

先ほど述べたように、中国では仮想通貨のマイニング事業に対し厳しい規制が行われていますが、ロシア政府のマイニングに対する姿勢はどのようなものなのでしょう?

ロシアのアレクセイ・モイゼフ財務副大臣は、暗号通貨の売買を禁止したり処罰することはないと名言しました。しかしその一方で当局者は、マイニングに対する厳しい姿勢を強調。マイナーの強制登録を示唆しました。

まとめ

仮想通貨取引所やマイニング事業に対する政府の対応は各国で異なります。今後ビットコインをはじめとする仮想通貨の世界的な普及にともなって、ロシアやアイスランドなど寒冷な気候をはじめとして電力供給面などでもマイニングに適した条件がそろっている土地では、他国から流入したマイニング事業者や、新規参入者による大型のマイニング施設が建設されることになるでしょう。その一方で、今回のロシアの事件のように、電気の盗難や、コンピューターを不正使用してマイニングを試みるマイナーも増えてくるものと懸念されます。

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