【WaBi】知的財産権を守る救世主ICOが登場

知的財産権を守りにくいインターネット時代

日本は知的財産権が比較的守られている社会だと考えられており、歌謡曲などの版権なども厳しく制限されており、商標なども厳格に取り扱われているケースが多くなっている。

欧米などの先進国でも知的財産権は重要なものとして取り扱われているが、発展途上国の場合、デパートなどの高級百貨店に行っても偽物のブランド品やバッグなどが堂々と陳列されていて驚くことがある。

こちらのサイト「bit-life(ビットライフ)」で12月2日に紹介したICO企業「Loci」も、知的財産権を保護するための仕組みを提供している。

インターネット時代になって、あらゆる情報を簡単に取得し、配信できるようになったが、同時にいろいろなものをコピーしやすくなり、知的財産権が軽く扱われるようになったと指摘する専門家がいる。

YouTubeなどの動画投稿サイトには、テレビ局やラジオ局、映画配給会社などが版権を持っているであろう動画や音声があらゆる言語で投稿されており、コピーや盗難によって甚大な被害を受けているクリエイターや企業がいる。

そんなクリエイター受難の知的財産権が守られにくいインターネット時代に、中国を中心に商品の版権を守るためのプラットフォームを提供するICO企業が登場した。それが、今回紹介する「WaBi」である。

4,610億米ドルの偽物商品が世界中で流通

WaBiのウェブサイトによると、4,610億米ドルの偽物商品が世界中で流通しており、この分だけ知的財産権が侵害されていることになり、版権を持つクリエイターや企業などは大きな損害を受けていることになる。

特に、中国における偽物商品の流通は深刻であり、世界一の人口を持ち、世界第二位の経済大国である中国において、知的財産権がないがしろにされている状態は非常に不適切であることをWaBiは強調している。

ブロックチェーン技術は、オンライン上の知的財産権を保護するための仕組みを供給することはできても、店舗などで物理的に販売されている商品の版権を守ることはできなかったとWabiはホワイトペーパー上で指摘している。

Wabiは実際にお店で売られている商品についても、特殊なラベルを用いて偽物を排除するプラットフォームを提供すると説明している。

スマートフォン用アプリを既に展開中

WaBiはAndroidとiOSのアプリをオンライン上で既に展開しており、利用者はスマートフォン経由でWaBiのアプリをダウンロード可能になっている。

2017年9月から、中国で乳児用製品向けにテスト・マーケティングを展開しており、非常に前向きなフィードバックを顧客から受けているとホワイトペーパー4ページ目で説明している。

WaBiが提供するのはWalimaiラベルと呼ばれている技術であり、これ自体は2016年12月から利用されている仕組みであるとWaBiは、ホワイトペーパー上で述べている。

WaBiは、知的財産権を保護するための仕組みであるWalimaiラベルをブロックチェーン技術とつなげて、スマートコントラクトで自動契約執行を可能にする予定にしている。

2018年1月27日まで実施予定のICOが既に完了

WaBiは2017年11月27日から2018年1月27日までICOを実施し、WaBiトークンを発行することになっていたが、この記事を執筆している2017年12月11日時点で既にWaBiトークンは売り切れになっており、ICOは既に完了している。

それだけ需要があったということだろうが、中国における偽物商品の取引と知的財産権の侵害が深刻であり、それを予防するためのプラットフォームを構築しようとしているWaBiに対して、期待が高いということなのだろう。

既にICOが終わっているWaBiだが、ホワイトペーパー38ページ目に興味深い記述があるので紹介しておこう。

WaBiはICO参加者に対して、上の名前と下の名前、国籍、政府機関が発行した写真付き身分証明書のスキャン、電子メールアドレス、携帯電話番号の提出を義務付けていたようだ。

ICO企業として、WaBiのようなやり方をするところは非常に珍しく、少なくともホワイトペーパーにこのような詳細を掲載しているICO企業を目にしたのは初めてである。

WaBiの行うビジネスが、偽物の商品や知的財産権の侵害を排除するために行われており、それを実践する上でWaBiトークンの購入者に対しても、きちんと身分を明らかにしてもらった上で投資家になってもらいたいという意向だったのだろう。

WaBiのこの姿勢は非常に好感が持てるため、今後ICO企業を始めてみたいと考えている人は、WaBiのホワイトペーパーを参考にするとよいだろう。

2017年からビジネスを拡大中

WaBiはウェブサイトで細かいロードマップを提示しており、2017年12月から乳児用製品を販売している店舗に対して、Walimaiラベルで保護された商品を拡大すべく営業をかけると説明している。

また、アルコール製品を販売している酒屋などへも、偽物が出回らないようWabiのサービスを提供するとしている。

WaBiが乳児用製品に焦点を当てている理由としては、中国で質の悪い粉ミルクなどが販売されており、それを飲んだ乳児が死亡するという痛ましい事件が起きているからである。

また、中国ではアルコール製品も偽物が多く販売されており、表示されているアルコール度数とは違う製品が出回っていることから、WaBiのプラットフォームを活用して、偽物の流通を排除しようとしているわけだ。

2018年からは、薬局やドラッグストアなどで販売されている薬などの製品についても、WaBiの技術を適用したいとしている。

Wabiは2018年までは中国市場でビジネスを拡大させ、2019年から中国以外の国や地域にもプラットフォームを拡大させ、偽物商品を排除し、知的財産権を守る仕組みを世界中で活用してもらいたいとウェブサイト上で説明している。

WaBiトークンの流動性は未知数

WaBiは、中国を中心とする偽物商品の排除という社会的使命をもってビジネスを展開する予定になっているが、発行する仮想通貨であるWaBiトークンの流動性は未知数になっている。

WaBiトークンは、利用者が購入を検討する商品が偽物でないかどうかを確認する際に必要になる決済手段であるが、投資目的でWaBiトークンを買う人も多いはずである。

しかしながら、WaBiトークンが将来的に仮想通貨取引所で法定通貨や主要仮想通貨と換金、交換可能になるかどうかがウェブサイトにもホワイトペーパーにも掲載されていなかった。

実際に店舗で販売されている商品に対して、ブロックチェーン技術を応用しようとしているWaBiは非常に興味深いビジネスモデルであり、中国が抱えている深刻な問題を解決しうるプラットフォームである。

WaBiトークンの流通を加速させ、WaBiのビジネスを拡大させるためには、流動性の低さを克服することが、WaBiの経営陣に課せられている大きな課題であると言えるだろう。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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