ソフトバンクや電力会社などが共同でCO2削減分をCtoC取引できる実験開始

2018年4月23日、ソフトバンク株式会社や電力シェアリング会社など9社・団体は、再生可能エネルギーで生み出された二酸化炭素(CO2)の削減分をCtoC(Customer to Customer)で取引することに向けた実験を2018年6月から開始することを発表しました。取引にはブロックチェーン技術が活用されます。

この記事では、事業の概要と背景、協力企業についてご説明します。

どんな取り組みなの?

本実験は、環境省が公募した「平成30年度ブロックチェーン技術を活用した再エネCO2削減価値創出モデル事業」に、電力シェアリング株式会社が提案した「自家消費される再エネCO2削減価値の地方部等におけるCtoC取引サプライチェーン検討事業」が採択されたものです。公募期間は、平成30年1月30日(火)~2月20日(火)の期間でした。

そもそも環境省が本モデル事業を公募した背景には「自家消費される再エネのCO2削減価値を創出し、低コストかつ自由に取引できるシステムモデルを構築する」という狙いがありました。

これまでCO2削減価値を十分に評価又は活用することが難しかった再エネ発電の自家消費に着目し、ブロックチェーン技術の特徴を最大限に活用しようというものです。

従来、家庭や企業で余った電力は電力会社を介して売買されることが主でした。ここにブロックチェーン技術のしくみを持ち込むことで、CtoCでの取引が可能となります。

これまでの課題と対策

これまでにも温室効果ガス排出量を取引する仕組みはありましたが、そこにはいくつかの課題がありました。

  1. 手続きが煩雑であるため普及しにくい
  2. 一般家庭における再生可能エネルギーの消費量は法人と比較して少なく、CO2削減価値を適切に評価することが困難

本事業では、以下のような手段で課題解決をめざします。

  1. 再生可能エネルギー利用量を個人にひも付けて把握し、データ収集する
  2. データをブロックチェーン技術と連携させることで、各家庭で創出される再生可能エネルギーによるCO2削減価値を低コストで、容易にかつ自由にCtoCで取引することを可能にする。

実験では、この仕組みに活用される技術の検証およびビジネスモデルの評価を行っていくということです。

協力企業

本事業の協力企業は、以下のとおりです。

  • 株式会社電力シェアリング
  • ソフトバンク株式会社
  • PSソリューションズ株式会社(ソフトバンクグループ)
  • 株式会社LIXIL TEPCO スマートパートナーズ
  • TEPCO i-フロンティアズ株式会社
  • ローカルエナジー株式会社
  • 株式会社夏野剛事務所
  • 株式会社サイバー創研
  • 公益財団法人地球環境戦略研究機関

まとめ

2019年以降、余剰電力買取制度(家庭や事業所などの太陽光発電からの余剰電力を一定の価格で買い取ることを電気事業者に義務づけるもの)における買い取り期間が終了する太陽光発電の増加とともに、再生可能エネルギーの普及は「政府依存型」から「自律的拡大型」フェーズへ移行していく見込みだといわれています。

ブロックチェーン技術は、第三者の介在なく直接売買することを可能にする技術であり、現在、欧米ベンチャーや大手電力会社を中心に、その事業可能性について研究が進められています。たとえば東京にある『みんな電力株式会社』では、ブロックチェーン技術を活用し個人間の電力取引を可能にするプラットフォームの開発がすでに始まっています。

ブロックチェーン技術を応用することで、誰もが自由に電気を売買できる環境が整い、エネルギーの需給バランスが保たれることが期待されます。

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