仮想通貨を使った証券取引所が誕生?

仮想通貨でエコ・エネルギーを売買する時代が来る?

証券取引所は資本主義の象徴であると考えられているが、実際には非効率なやり方が結構残っているところである。

ニューヨーク証券取引所は世界最大の証券取引所であるが、いまだに多くの証券仲買人が存在している。
東京証券取引所には証券仲買人がおらず、すべて電子取引に移行しており、この点では効率的である。
しかしながら、日本株を購入する際、受け渡しが4営業日後になるなど、既存の取引所を経由した証券取引は時間がかかり、いろいろなコストがかかっているのである。
そんな状況を打開すべく立ち上がったのが、仮想通貨証券取引所の設立を目指す「DIMCOIN」だ。

ハイブリッド証券取引所とは何か?

DIMCOINは2017年7月にICO(仮想通貨による資金調達)を開始しており、2017年8月時点で850万ドル(約9億3,000万円)を調達している。
DIMCOINの使い方はシンプルで、ビットコインやイーサリアムなどの主要仮想通貨6つを使って、DIMCOINを購入することから始まる。
購入したDIMCOINを利用して、ハイブリッド証券取引所(HYBSE)で取り引きされる株式や投資信託などに投資を行う仕組みである。
ハイブリッド証券取引所は、世界中の株式発行者と投資家を結びつけるためのオンライントレーディング・プラットフォームであり、ブロックチェーン技術を駆使して、2018年の設立が予定されている。
専用アカウントである「Depotwallet」があればDIMCOINの送金や受領が可能であり、利用者が拡大することによってDIMCOINの流動性が高まり、ハイブリッド証券取引所での証券取引もやりやすくなるという仕組みである。

世界のベンチャー企業に資金を供給?

DIMCOINのウェブサイトを訪問すると、英語、中国語、フランス語、日本語など10カ国語の対応になっており、グローバルなオンライントレーディング・プラットフォームを目指すという経営方針は口だけではないようだ。
先進国では中央銀行の低金利政策もあって、カネ余りの状態が続いているが、新興国ではベンチャー企業が資金調達をしようとしても、資本市場が未整備なところもあり、苦しんでいる起業家が多いのが実情である。
DIMCOINは、将来的にアジア、南米、南アフリカで業務を行っていく予定であり、仮想通貨の証券取引所を通じて、世界のベンチャービジネスを支援していくとしている。

匿名性は諸刃(もろは)の剣

DIMCOINはブロックチェーン技術を利用した証券取引プラットフォームを提供しているため、原則として、利用者本人しか何にどれだけの額を投資したか分からないようになっている。
匿名性は仮想通貨の特徴であり、利用者が爆発的に増えた大きな理由の一つであるが、証券取引所の仕組みを提供しようとしているDIMCOINにとっては諸刃の剣になり得る。
1987年に公開されたマイケル・ダグラス主演の映画「ウォール・ストリート」で、共演したシャーリー・シーンがインサイダー取引の容疑で逮捕されるシーンがある。
この映画では、不正行為について「ばれるわけがない」という甘い認識を持った登場人物の末路が描かれている。
現時点では仮想通貨に対する法規制が整っていない国がほとんどであり、DIMCOINがインサイダー取引についてどのように対処するかについては一つの課題であると言えよう。
仮想通貨の匿名性を使い、「ばれるわけがない」という認識で、不正行為を行う投資家が出てくるリスクはかなりあると思われる。

仮想通貨の法整備

日本では2016年に改正資金決済法が成立し、2017年から施行され、仮想通貨取引所は財務局への届け出を行うことが義務付けられた。
国レベルで仮想通貨取引所の法整備が行われたのは日本が最初であるが、今後、各国で規制の網がかけられる可能性が高くなっている。
仮想通貨は中央管理者がいないことで大きく成長したと言われているが、証券取引所になるとインサイダー取引の予防措置などが求められる可能性があり、DIMCOINは規制当局の動きを見ながらビジネスを行うことが必要になってくるだろう。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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