猿でもわかる。Bitcoin Cash


2017年8月1日、Bitcoin上ではとんでもない議論が巻き起こっていました。

仮想通貨の技術的ベースでありかつ根幹とも言えるブロックチェーンを分裂させるというものです。
この分裂は、上手く作用させなければその後の仮想通貨全体の取引に大きな影響を受けてしまうものとして大きな注目を浴びていました。
詳しくはBIP148についての記事参照)そこで生まれたのがBitcoin Cashです。
一目見てBitcoinと深い関係があるように見えるこの仮想通貨について、今回は勉強していきましょう。

そもそもどうしてブロックチェーンを分裂させようとしていたのか

この2017年8月1日にブロックチェーンを分裂させようとしていた議論の根底にあるのは、スケーラビリティ問題です。
スケーラビリティ問題とは、ブロックチェーンを作る際の1つ1つのブロックに入力される情報量について、あまりにも膨大な取引がなされるようになってしまった結果、そのブロックに情報が収まりきらない可能性が出てくるというものでした。
このスケーラビリティ問題が今以上に深刻になっていくと、現在約10分という承認時間がかかりますがこの時間が伸びてしまったり、或いは情報が書き込み切れず取引そのものがキャンセルされてしまう可能性が出てくるのです。
このような問題に対して、ブロックチェーン内の情報の保存方法を変えるSegwitという技術が注目されます。
このSegwitを導入してスケーラビリティ問題を解決しようとする動きがありました。
その結果として、Segwitが導入されているブロックチェーンとそうでないブロックチェーンとの2つにブロックチェーンそのものを分裂させてしまおうという議論になったのです。
そして、この結果、Segwit導入に反対であった一部の団体がSegwitが導入されていないBitcoinを作りました。
それがBitcoin Cashです。

Bitcoin CashはBitcoinと比べてどんな違いがあるのか

結論から言うと、Bitcoin CashはSegwitが導入されていないという以外にBitcoinとは何ら違いはありません。
言うならば、中央集権的な仕組みを一切敷いておらず多数決という民主的な解決手段しかもたない仮想通貨世界における、政治的な動きであったと結論付けられるでしょう。
とすると、Bitcoin Cashを作った人たちはよほどSegwitの導入に反対であったということになります。
しかし、Segwitはスケーラビリティ問題という仮想通貨における最大の障壁とも言える問題の解決策の1つです。
何が問題だったのでしょうか。
ヒントは「ASICBoost」という、マイニングを行うシステムであったといわれています。
しかし、実際のところはよくわかっていないというのが現状のようです。

Bitcoin Cashが提示した仮想通貨の脆弱性

Bitcoin Cashが生まれたことで、仮想通貨自体に大きな脆弱性が2つあることがわかってしまいました。
・民主的な決定システムを持っているにもかかわらず、議論が発生したら新しい仮想通貨を作ってしまえばいいという前例が出来てしまった。
・仮想通貨の発展によるルール改定が、値付けゲームを過熱させる可能性が出てきてしまった。
仮想通貨は、現在の通貨のような中央集権的な権力を背景とした仕組みを持っていません。
そのため、仮想通貨の運用や開発において問題が発生した場合、全てのプレイヤーが必死に議論しより良い方向に持っていこうとする、一種の善意と民主制に支えられた仕組みといえるのではないでしょうか。
しかし、このBitcoin Cashは、この善意と民主制による議論を避け新しい通貨を作り上げてしまいました。
今後、こうした議論が生まれるにあたって新しい通貨が生まれ続けてしまえば、仮想通貨そのものの価値が欠損するのではないかという議論が出てきています。
また、こうした議論が仮想通貨を発展させることではなく、仮想通貨を利用したお金儲け・値付けゲームの決定権を背景として争わせるという流れが生み出されるのではないかと言われています。
仮想通貨がより投機的に扱われてしまう可能性を危惧した声になっています。
Bitcoin Cashの二の舞を超えられるかBitcoin Cashは結局のところ、より多くのプレイヤーが参加し、Bitcoin自体にもより多くの資金が流れるという良い効果をもたらしたため、先に挙げた脆弱性はまだそこまで注目されていません。
しかし、2017年11月には、再びSegwit2Xという今度はブロックそのものの容量を引き上げる技術の導入の際にブロックチェーンの分岐が発生するといわれています。
2017年8月1日と同じ状況となるわけです。
はたして、この際にも新しい仮想通貨が生まれてしまうのでしょうか。
もしかしたら、より良い仮想通貨環境が生み出されるきっかけとなるかもしれません。
2017年11月、仮想通貨の未来を左右するイベントが待ち構えているのです。

年間100回美術館に行ける生活を目指して日々何かしている、のんびり屋ライター。
金融・投資・ビジネス・芸術・カウンセリングなどを手掛けている。
仮想通貨については2017年から本格的に勉強を始める。
小さな資金で実際の取引も経験中。「何でもとりあえずやってみる」の意識が強い。