ベネズエラがペトロ購入で原油30%割引を提案

2018年4月インドの仮想通貨取引所であるコインセキュアのモヒト・カルラCEOが、ベネズエラ政府のブロックチェーン局よりペトロを使えば原油を30%値引きするという提案があったことを発表しました。

この条件をインド政府が受け入れた場合、コインセキュアがペトロを取り扱うホワイトラベル方式が導入される見通しです。

ペトロとは

ペトロとは、2018年2月に発行されたベネズエラ政府運営の仮想通貨です。ロシアやスウェーデンなども政府主導の仮想通貨発行を計画していますが、発行には至っていません。2018年5月現在ではペトロが世界で唯一の官製仮想通貨になります。

ペトロの特徴は、原油によって裏付けされていることです。ベネズエラ自体が産油国であり、世界的に原油には一定の需要があります。仮想通貨自体の人気もあり2月から3月にかけて行われたプレセールでは127カ国の人が参加、調達金額も38億ドルに上っています。

割引きの理由

出だしこそ良かったペトロですが、その後の雲行きは思わしくありません。

特に大きかったのはトランプ米大統領によるペトロ関連の金融商品禁止の大統領令です。ベネズエラ政府主導で発行されているペトロですが、ベネズエラの法定通貨であるバリボルでは購入することができません。実質的に海外からしか購入できないようになっているわけです。

加えてベネズエラに対する海外からの目も厳しいです。アメリカだけではなくEUも、ベネズエラに対する経済制裁を行っています。こういった事情もあり、ベネズエラ政府の考えているほどペトロが売れていないと思われます。

60%割引きの可能性

日本経済新聞によると、1単位60ドルのペトロを60%割引して売りに出すことをベネズエラ政府が提案していたという海外メディアも存在するようです。しかし実際に60%割引きで取引が行われていたかどうかは明らかにされていません。

またペトロ自体の問題も指摘されています。ペトロは、イーサリアムの技術を使うとホワイトペーパーには書かれていました。しかしロイター通信はイーサリアムの技術を使っていない可能性があることを指摘しています。このような不確かな情報が続くとペトロは、割引などの特典があっても買い手がつかなくなるでしょう。

ホワイトラベル方式とは

ホワイトラベル方式とは、販売を委託された発行元が自社ブランド品として商品を取り扱う方式です。今回の場合でいうとベネズエラ政府発行のペトロをコインセキュアが、自社商品として扱うことになります。ベネズエラ政府がアメリカやEUから経済制裁を受けているなどの説明をする必要なく、ペトロの売買が可能になるわけです。

コインセキュア側の問題点

今回の原油30%割引という話の裏には、ベネズエラ側だけではなくインド側の問題も含んでいます。今回割引の提案を受けたコインセキュアですが、セキュリティ面への不安が叫ばれているためです。

2018年4月コインセキュアは、約438ビットコインが盗まれたと発表しています。この盗難被害に対しコインセキュアは、自己資金によるユーザーへの補填・ビットコインの回収に向けての懸賞金2クロー(約3,289万円)を用意しています。しかし未だに犯人・盗まれたビットコインともに見つかっていないようです。

コインセキュアのモヒト・カルラCEOによると、盗まれたビットコインはコールドウォレットに保管されていた、秘密鍵が利用されて5分の間にハッキングされたと語っています。最高セキュリティ責任者が事件に関与しているとも疑われており、コインセキュア全体の信頼が損なわれる可能性があります。原油30%割引は魅力ですが取引所自体に問題となれば、買い手を見つけるのは難しいでしょう。

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