ビットコインゴールドの売買ができる仮想通貨取引所は日本の1社だけ?

ビットコインキャッシュは例外だった

10月25日に誕生するビットコインゴールドが仮想通貨業界の話題をさらっており、仮想通貨評論家として各方面から様々なコメントを求められていることから、嬉しい悲鳴をあげているコインマンです。

日本の新聞などでもビットコインから分裂するビットコインゴールドが取り上げられており、今後の行方について様々な報道がなされている。

多くの方が忘れているかもしれないが、3カ月前の8月1日にビットコインはビットコインキャッシュに分裂したばかりなのである。

ビットコインの決済スピードの遅さに業を煮やした関係者が、8倍の処理能力を持つビットコインキャッシュを誕生させ、現時点で仮想通貨業界4位の時価総額を持つアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)に成長している。

ビットコインがビットコインキャッシュに分裂する直前の2017年7月は仮想通貨全体の相場が荒れ模様であり、「ビットコインが使えなくなるのではないか?」という疑念などが交錯して、仮想通貨の価格を押し下げる要因になっていた。

ふたを開けてみると8月1日の分裂はスムーズに行われ、日本の仮想通貨取引所がビットコイン保有者に対して無条件でビットコインキャッシュを付与することをあらかじめ発表していたことから、決済や取引についても大きな問題はなかった。

2008年にサトシ・ナカモトがビットコインの構想を発表してから9年が経ったが、ビットコインキャッシュはビットコインから初めて分裂したアルトコインだった。

ビットコインキャッシュが問題なくビットコインから分裂したことから、10月25日に誕生するビットコインゴールドも「何となくうまくいくのでは」という希望的観測が仮想通貨投資家の間に渦巻いてるようである。

しかしながら、現実はそれほど甘くはないようだ。ビットコインキャッシュの成功は例外的であった可能性があり、ビットコインゴールドがビットコインキャッシュのようにうまくビットコインから分裂できる確証はないからである。

ビットコインゴールドの売買ができるのは日本の取引所1社だけ?

この記事はビットコインゴールド誕生イブ(?)である10月24日の夜に執筆されている。しかしながら、現時点でビットコインゴールドの取り扱いについて明確な方針を発表しているのは、日本の大手仮想通貨取引所1社しかないのである。

ビットコインゴールドの取り扱いについては、関係者が協議を既に行っている。

ビットコインの保有者にビットコインゴールドを付与するかどうかは仮想通貨取引所に一任されることになっており、金融庁もそれを容認していると新聞などで報道されている。

つまり、ビットコイン保有者にビットコインゴールドが付与されるかどうかは仮想通貨取引所が独自に決めてよいことになっているのだ。

世界中の多くの仮想通貨取引所がビットコインゴールドの取り扱い方針を明確にしていない中、日本にある大手仮想通貨取引所1社だけがビットコインゴールドの取り扱いを11月から開始する予定であると発表している。

この仮想通貨取引所は世界的に見ても規模が大きく、海外のメディアなどでも「11月からビットコインゴールドの取引ができそうな唯一の仮想通貨取引所」と報道されている。

一方で、日本の他の仮想通貨取引所はビットコインゴールドについてさまざまな対応を発表しており、以下の4つの方針に分かれているようだ。

1.ビットコイン保有者にビットコインゴールドを付与する予定だが、売買と入金、出金処理などの方針は決定していない。
2.ビットコイン保有者にビットコインゴールドを付与する予定だが、売買は行わず、入金、出金処理などの方針は決定していない。
3.ビットコイン保有者に対してビットコインゴールドの付与は行わない予定であるが、分裂する時点で顧客が保有しているビットコインの枚数を記録しておく。
4.ビットコイン保有者に対してビットコインゴールドの付与は行わない予定である。

上記の方針はかなりバラバラで、どの仮想通貨取引所でビットコインを保有しているかによって、ビットコインゴールドの付与や売買、入金、出金処理などが変わってくることになってしまう。

この記事を読まれている方で、日本の仮想通貨取引所でビットコインを保有している場合、売買を行っている取引所のビットコインゴールドに関する方針を確認しておくとよいだろう。

いずれの仮想通貨取引所でビットコインを保有していても、ビットコインゴールドの売買や入金、出金などは11月以降にならなければできないことになっている。

ビットコインを保有しており、ビットコインゴールドがどうなるか気になる場合は取引所に直接問い合わせるなどして詳細を把握しておくことが重要だろう。

仮想通貨取引所の運営は大変

2017年7月から8月にかけてビットコインを保有していた人は、無条件でビットコインキャッシュを付与された。そのため、「なぜビットコインゴールドは付与するところとしないところに分かれているのだ?」という疑問があるかもしれない。

投資家の立場からすれば、ビットコインキャッシュと同じようにビットコインを持っている人に無条件でビットコインゴールドを付与してくれればいいのにと思いがちであるが、それは結構難しいのである。

私は仮想通貨評論家コインマンとして仮想通貨取引所やブロックチェーン技術を提供している企業などと取引をしているが、彼ら、彼女らの忙しさは普通ではない。

私自身、会社員時代は外資系金融機関に勤めていたたため、朝から晩まで働くという経験は慣れているのだが、仮想通貨取引所やブロックチェーン関連企業のスタッフの方々は「いつ休んでいるのだろう?」と思うくらい頑張っているのだ。

仮想通貨取引所で取引をされている方はお分かりだと思うが、取引所によって扱っている仮想通貨の数や種類が異なっている。

1つの仮想通貨を取り扱うために色々なテストを行い、事故が発生した場合の対応策を協議するなど様々な準備が必要になるのである。

仮想通貨取引所からすると、ついこの間ビットコインが分裂してビットコインキャッシュが生まれたばかりなのに、ビットコインゴールドという新しいアルトコインが出てきたため、「同じような対応は無理」というのが正直なところだろう。

ビットコインは11月にも再分裂予定

この記事を書き終わろうとしている10月24日の夜になって、ビットコインゴールドが前倒しでビットコインから分裂するという報道がなされている。この記事が世に出ているころには、ビットコインゴールドが誕生していることだろう。

なお、ビットコインゴールドに続いて、ビットコインは11月に処理能力を高めるために再び分裂する可能性が高まっている。

現在のビットコインは決済に10分以上時間がかかることから、処理能力を2倍にするためのアップデートが11月に予定されているのだ。

ビットコインから11月に分裂する予定のアルトコインは「segwit2x(セグウィット・ツー・エックス)」と呼ばれており、「B2X」と略されている。

ビットコインゴールドに続き、segwit2xが11月に生まれそうになっているため、仮想通貨評論家コインマンとして仕事に追われるという「嬉しい悲鳴」はしばらく続きそうである。

コインマン
日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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