Petro(ペトロ)は信用できる?世界初の官製仮想通貨の真相とは

世界初の官製仮想通貨

アメリカの経済制裁に苦しむ国・ベネズエラが、2018年2月に「世界初の天然資源に価値保証された仮想通貨を発行する」と宣言しました。それがPetro(ペトロ)です。この発表と同日、公式サイトでICOを開始。4月現在はまだ売り切れていません。

Petroの基本情報

ホワイトペーパーに記載されている情報は、以下の通りです。

単位:PTR
ベース:NEMブロックチェーン
価格:60ドル/PTR
発行上限枚数:1憶ペトロ
購入方法:ビットコイン・USD

この通貨はベネズエラの豊富な原油資産に価値保証されるとのことですが、ペトロと石油を直接トレードできるとは明記されていません。使い道は、現地政府への納税・手数料決済だとされています。

・ペトロを巡るその他情報

一部報道機関では「プレセール時に最大60%オフで購入できる」とされていますが、実際には最大30%オフとなっています。また、Petro発行が発表されたとき、それまで違法だったベネズエラ国内でのマイニングも解禁されました。

同時期NEM(ネム)について流出事件が起きていましたが、Petroにその技術が活用されていることなどを好材料として値上がりしています。

ベネズエラってどんな国?

法定通貨は「ボリバル」、2018年4月現在はマドゥロ大統領の実質独裁政権となっている国です。原油埋蔵量は世界全体の2割近くにも及び、サウジアラビア・イラン・イラクを押さえて世界一とされています。70年代までの経済状況は良好で、目立った反政府デモなどはありませんでした。

しかし、原油資源に依存した経済・政策が裏目に出ます。80年代には石油の価格が下落し、さらに政治家たちの失策が相次ぎました。83年には通貨ボリバルの価値が急落し、国民の生活が一変。89年には暴動が起きます。

・近年の深刻な経済危機へ

90年代、国民側のクーデターを主導していたチャベス氏が大統領就任。同氏は「21世紀の社会主義」を掲げ、従来の政治体制を大きく変えるとともに、反米主義を打ち出しました。しかし、ハイパーインフレ・物資の不足についてはほとんど解決できず、国民の不満が高まります。
2013年には現政権のマドゥロ大統領となりましたが、アメリカが経済戦争を仕掛けているとしてより痛烈に反米感情をむき出しにします。

様々な問題を抱えたまま2017年10月にマドゥロ大統領の実質独裁政権が始まり、アメリカやEU諸国からの本格的な経済的締め出しが始まります。
インフレ率は2616%にも及び、ボリバルを介さない物々交換経済となっていることが報じられています。

ICOの目的

ベネズエラ政府は、2018年4月に対外債務の一部履行を迫られています。
2か月前のICOは返済に充てる資金が目的だとされ、米英メディアからは痛烈に批判されています。
こればかりではなく、国民生活も深刻な危機に瀕しており、ベネズエラ政府にとって外貨の入手は急務と言えます。

Petroは信頼できる通貨か

ペトロを購入する場合、以下の2点について注意する必要があります。

・深刻な経済危機を背景として発行されたこと
・Petroと石油を直接交換できるわけではない(実際に価値担保されているのかはわからない)

米国ではペトロ発行を経済制裁逃れとみなし、同通貨の使用・購入の禁止を大統領命令で出しています。その一方で、プレセール開始からのペトロ購入数は極めて良好であるとの発表もあります。
2018年3月時点で、ベネズエラ政府発表のデータは以下の通りです。

・127か国/約17万件の購入注文
・購入の40.8%はドルによるもので、次いで33.8%がビットコイン
・初日に約7億ドル調達
・発表時点までに30憶ドル調達

2018年度のベネズエラ対外債務見込みが33.5憶ドルなので、この発表が真実であればICOは目論見どおり成功をおさめています。この実績を見て信頼するか・様子見するかは、海外投資家の間でも意見が割れています。

参考:
Bitcoin.com
PICTET

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