【HOQU】アフィリエイターが報われるICOが誕生

金利が下がると債券価格が上昇する理屈

私の記事をお読み頂くと、一番最後に私の短いプロフィールが出てくる。私は元外資系金融マンであり、ニューヨーク時代は債券ブローカー、東京では金融庁などの当局対応業務に従事していた。

債券ブローカーの仕事がいまいちイメージできない方は、マイケル・ダグラス主演の映画「ウォール街(1987年公開)」を観ると分かりやすいだろう。

「プラトーン」や「JFK」、「7月4日に生まれて」などの名作を手掛けた伝説の映画監督であるオリヴァー・ストーン氏によって撮影された「ウォール街」は、金融機関で働くことの過酷さやダーティさが垣間見られる傑作である。

私がニューヨークで働いていた2002年から2003年は、アメリカの短期金利が下がっていく時期だったこともあって、債券の売り上げが非常に好調な時だった。

債券の場合、金利が下がると価格が上昇する仕組みになっているため、高めの金利がついている債券をあらかじめ買っておき、金利が下がったところで売却することで利益を得ることができる金融商品なのだ。

「金利が下がると債券価格が上昇する理屈が分からない」という人がいるが、そのような場合は覚えてしまうことをおすすめしている。

理屈で考えても最終的には分かるのだが、金利が上がると債券価格は下落し、金利が下がると債券価格は上昇すると覚えてしまった方が早いため、私は取引顧客にも「覚えて下さい」とお願いをしていた。

現在は、アメリカにおける債券取引のほとんどは電子化されており、私が15年前にやっていたような証券会社の債券ブローカー的な仕事はなくなりつつある。

ブローカーとは典型的な仲介者であり、ブロックチェーン技術を用いたスマートコントタクトのプラットフォーム上では無用の長物として扱われており、ICO企業にとってもっとも嫌われる存在の一つがブローカーなのだ。

今回紹介するイギリスのICO企業である「HOQU」は、「ブローカーをこの世からなくす」と宣言しており、非効率なオンライン広告プロセスの変革を目指している。

商品提供者とアフィリエイターを直接つなげる

私は現在、3つの仕事をしている。メインは、仮想通貨評論家コインマンとして記事を執筆することであり、2つ目がプロジェクト管理のコンサルティング業務である。

最後の3つ目は、あまり知られていないが書評作成である。実は、私は無類の読書家であり、毎日一冊本を読んで書評を作成しているのだ。

かれこれ400冊近い書評を執筆しており、去年の後半から一日も休まず毎日続けている。

書評は仕事というよりも趣味の一環なのであるが、自分のブログに読んだ本を紹介し、アマゾンのアフィリエイトを貼りつけておいて、そこから本を購入した人が出れば、私に報酬が入る仕組みになっている(ほんのわずかだが…)。

私が書評を掲載しているブログには、ブログ運営会社とアマゾンという大きな仲介者が存在していることになる。

もしも、この2つの仲介者がおらず、本の著者とアフィリエイターである私との間で直接取引ができるようになるとどうなるだろうか?

私のブログを見て本を買ってくれた人から著者に印税が入ることになるが、その印税の数パーセントがアフィリエイトターである私に直接還元され、仲介者なしに利益が入る仕組みを構築することができるのだ。

現在は、本の著者とアフィリエイターである私との間にブログ運営会社とアマゾンという大きな仲介者が横たわっているため、アフィリエイターである私の報酬が搾取されているのだ。

今回紹介するICO企業であるHOQUは、上記のような本の著者とアフィリエイターである私の直接取引を促すためのプラットフォームを、スマートコントラクト経由で創造しようとしているのである。

仲介者のせいでアフィリエイターの報酬が半減

HOQUは2017年11月13日から12月26日までICOを実施し、新しい仮想通貨であるHQXトークンを発行して資金調達を行う予定になっている。

HOQUのウェブサイトによると、世界のオンライン広告市場は2,000億米ドル以上であると推定されており、日本円にすると22兆6,000億円という大変な金額になっている。

言うまでもなく、アメリカが一番大きなマーケットであり、世界のオンライン広告市場のうち、40パーセントはアメリカが占めているとHOQUは説明している。

日本はアメリカの10分の1の4パーセントに過ぎないが、それでもかなりのマーケットであると言えるだろう。

現在のオンライン広告の仕組みについて、HOQUは厳しく非難しており、多くの仲介者がマージンを抜いており、アフィリエイターが報われておらず、報酬が半減していると指摘している。

まず、HOQUは銀行を非難している。HOQUのウェブサイトによると、商品提供者とアフィリエイターの間には銀行経由の支払いが発生しており、これにより3パーセントから5パーセントの収益が吹き飛んでいると指摘している。

元銀行員である私の感覚からすると、3パーセントから5パーセントが銀行の利用手数料として消えているというHOQUの指摘はかなり高めの試算に見えるが、海外送金などを勘案すると、まあこれくらいなのだろう。

続いての仲介者が広告代理店であり、HOQUのウェブサイトではここで15パーセントから25パーセントの手数料が抜かれているという。

最後が広告プラットフォームの利用料だそうで、ここで5パーセントから15パーセントの手数料が発生することになり、商品やサービスを一生懸命売り込んだアフィリエイターの報酬の半分近くが仲介者に取られる仕組みになっているのだ。

趣味に近い形でやっている書評作成であるが、アフィリエイターでもある私の感覚はHOQUの指摘にかなり近い。

私の場合、銀行への手数料は発生していないが、報酬を受け取る際に一定の受け取り手数料を支払うことになっており、HOQUが指摘している通り、決済のためにコストを負担していることになる。

HOQUの利用手数料は0.5パーセント

上記のようなオンライン広告の問題を解決するために登場したのがHOQUであり、HOQUの最大の売り文句は、0.5パーセントという破格の利用手数料である。

HOQUの場合、スマートコントラクト経由で処理が行われるため、銀行や広告代理店などで働いている高給取りの従業員がほとんど存在していないことになる。

仲介者不在で自動契約執行が可能なスマートコントラクトを活用することによって、既存のオンライン広告のようなムダな中抜き作業がなくなり、HOQUを使うことによって、アフィリエイターが報われることになるわけだ。

HOQUは2018年9月からプラットフォームをリリースする予定になっており、商品提供者とアフィリエイターが利用できる仕組みを展開するとしている。

ただ、アフィリエイターが受け取ることになる仮想通貨であるHQXトークンが将来仮想通貨取引所で法定通貨や主要仮想通貨と換金、交換できるようになるかどうかの記載が見当たらなかった。

私はアフィリエイターの1人であるが、流動性が低いHQXトークンしか受け取れないプラットフォームであれば、HOQUを利用するのは難しいように感じた。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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