【Vezt】誰でもアーティストの支援ができるICOが登場

音楽業界にはミュージシャンが報われる仕組みが必要

最近は、アメリカの映画業界の中枢であるハリウッドで、セクシャルハラスメントの問題が報じられている。

アメリカに限らず、芸能界は閉ざされた世界であると考えられがちである。日本のの芸能界では、午後や夜でも「おはようございます」と挨拶をする独特の文化があり、一般社会との違いが指摘されることが多い。

一般社会というものがどこまでなのかという議論はあるが、麻薬や無免許運転などで懲役刑を受けても復活しやすいと言われている芸能界は、民間企業などと比較すると若干違う業界なのだろう。

音楽を作っているミュージシャンの場合、日本でも海外でもごく一部の成功者以外は、音楽だけで生活をすることが難しい状況に置かれており、アルバイトをしたり、他の仕事をしながらミュージシャンをやっている人が多いのが現状だ。

アイドルが歌っている曲が入ったCDの売り上げが100万枚を超えることがあるが、曲を聴いているというよりは、CDの中に入っている握手券目的で購入されているケースがほとんどであるという指摘もある。

いろいろな意味で音楽業界は難しいのだと思うが、「良い音楽を作るミュージシャンが作曲や作詞などに集中し、適切な報酬を受けられる仕組みを提供したい」と考えるICO企業がアメリカで登場した。その会社の名は、「Vezt」である。

中央管理型の組織では音楽が育たない

最近の私の趣味は映画鑑賞であり、あらゆるジャンルの映画を観ているが、「カノジョは嘘を愛しすぎてる(監督:小泉徳宏、2013年公開)」という作品は音楽業界の闇の部分を暴いており、風景なども美しく大変面白かった。

この作品の中で、音楽プロデューサーの高樹総一郎という人物が登場し、音楽業界の古い中央管理型組織の弊害が、さまざまな部分で垣間見られるようになっている。

「良い音楽が売れるのではなく、売れる音楽が良い音楽」という高樹のビジネス手法はいろいろな波紋を投げかけながらも、ミュージシャンを有名にさせ、商業的な成功を収めるためには、あらゆる手を使わなければならないという現実を教えてくれる。

今回紹介するICO企業であるVeztは、「カノジョは嘘を愛しすぎてる」で登場するような古い音楽業界を打破し、ミュージシャンとファンが手を取り合って、より良い音楽を作り上げていくための新しい仕組みを構築しようとしている。

Veztはこれまでの音楽系ICO企業とは違う

私はこちらのサイト「bit-life(ビットライフ)」で、100記事以上のICO記事を作成させて頂いており、あらゆるジャンルのICOを取り上げてきている。

音楽関係のICO企業の記事も既に書かせて頂いており、「Musicoin」という新しい音楽の仕組みを提供しているところが、既に存在している。

ただ、Musicoinの場合、ミュージシャンが音楽をプラットフォーム上に投稿し、ファンや利用者は仮想通貨であるMUSICトークンを使って、楽曲を購入する仕組みである。

分かりやすくいうと、YouTubeで動画を観る際、仮想通貨を購入しておいて視聴するときに使うというイメージが、Musicoinのビジネスモデルである。

一方、Veztの場合、ミュージシャンが楽曲を作り、ファンなどが出資を行って、一緒にマーケティングしていくという、言わば株主的な立場に利用者がなる仕組みを提供している。

また、ファンは応援しているミュージシャンの楽曲を多くの人に紹介し、それがヒットにつながれば、株主ならぬ曲主(きょくぬし?)としてリターンを受け取ることができるという仕組みだ。

Veztの場合、既存の中央管理型のレコード会社などと違い、ミュージシャンが楽曲をファンなどと一緒になってマーケティングして、成功すれば経済的な利潤も共有できるというところに大きなポイントがある。

一緒に喜ぶことができる人や仲間がいるということは、ビジネスにおいて大切なことである。

私は自営業者としてビジネスを行っており、ありがたいことに最近はいろいろな取引先と仕事をさせて頂いている。

経済的な報酬を頂くことはもちろんうれしいのだが、「コインマンのおかげでビジネスがうまくいったよ。また一緒に仕事をやりましょう」と言ってもらえることの方が喜びが大きく、またモチベーションが上がるものである。

AKB48などのアイドルが人気になったのも、ファンと一緒に成長し、トップにのし上がっていくまでの過程を共有できたからだろう。

Veztの競争相手は現時点でいない

Veztは2017年11月3日から12月1日までICOを行っており、仮想通貨であるVZTトークンを発行して、最高1,500万米ドルの資金調達を目指している。

2018年第1四半期にテスト版であるベータ版プラットフォームを立ち上げ、ミュージシャンが楽曲を提供してファンや利用者が出資するテストを行い、改善を行っていく予定になっている。

2018年第2四半期に正式版のプラットフォームを公開し、すべてのアーティストがVeztの仕組みを使えるようになって、ファンと利用者も加わり、本格的なビジネス展開が行われることになっている。

Veztのウェブサイトで興味深いのは、「よくある質問(FAQ)」部分である。かなりの質問に対して、Veztが丁寧に回答しており、ビジネスモデルに関する記載も結構ある。

「よくある質問」部分で目を引いたのは、「Veztの主な競争相手はどこですか?」という質問に対する回答である。

Veztは「現時点では、明確な競争相手はいません」と回答しており、2018年中旬にVeztのプラットフォームが正式にリリースされれば、音楽業界におけるユニークなICO企業としてビジネスを展開できるとしている。

ベンチャーキャピタルから資金を調達済み

Veztはベンチャーキャピタルから250,000米ドルを既に調達済みで、商品投資に費やしているという。

ICO企業でベンチャーキャピタルから出資を受けているところは時々あるが、実際に投資を受けた金額を公表しているところは少なく、どの分野に投入したかを説明しているところはもっと少ない。

ベンチャーキャピタルから出資を受けているということは、彼ら、彼女らからVeztの経営について監督されることを意味する。

この点はICO投資を行う上で1つの安心材料であり、Veztがムチャな組織運営をしようとした場合、外部投資家からのモニタリングが入ることになる。

仮想通貨取引所での流通についてはノーコメント

Veztの発行する仮想通貨であるVZTトークンが、将来的に仮想通貨取引所で米ドルやユーロ、日本円などの法定通貨に換金できたり、ビットコインやイーサリアム、リップルなどの主要仮想通貨と交換できるようになるかは、投資家にとって大きな関心事である。

しかしながら、Veztは「よくある質問」部分で、「仮想通貨取引所での流通については法務チームからの助言により、ノーコメントにしている」と説明している。

私はこれまで数多くのICO企業のウェブサイトを見てきたが、取引所での流通についてこのような説明をするところは初めてだ。音楽業界を変える可能性があるVeztであるが、この説明は不可解だった。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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