【Binary】バイナリー・オプションの会社がICOを実施

日本でもお馴染みのバイナリー・オプション

皆様は、「バイナリー・オプション」という取引をご存じだろうか?外国為替証拠金取引(以下、「FX」)の投資経験がある人であれば、バイナリー・オプションのことを聞いたことがあるかもしれない。

バイナリー・オプションは非常にシンプルな金融取引であり、外国為替市場がどちらに動くかを予想して、少額から投資を行うことができる手法である。

2時間後から1年後までの取引期間を選べる業者などがあり、1,000円程度からでも投資を始められることから、初めての外貨投資として適切であると考えている人もいるくらいバイナリー・オプションは分かりやすくできている。

現在の米ドル・日本円の為替レートが1米ドル=114.00円の場合、2時間後に円安になっていると予想している人がおり、実際に1,000円を投資したケースを考えてみよう。

その2時間後、予想通り円安になれば利益が出て、円高になれば損失が発生することになる。

FXとは違って、バイナリー・オプションの場合は信用取引がない。つまりレバレッジがかからないため、実際に投資した1,000円以上の損失が発生することはないわけだ。

FXの場合、最大25倍までレバレッジをかけることができるようになっている(2017年11月5日時点)。100万円をFX業者の口座に入金することで、2,500万円まで外貨投資を行うことができるのである。

FX投資によって、うまくいけば大きな利益を得ることができるが、予想と逆の方向に外国為替市場が急に動いてしまうと、証拠金が吹き飛んでしまうリスクがある。

日本では人気の投資手法の一つになっているFXであるが、海外では投機的な金融取引と考えられており、一般的にはあまり使われていない。

そのため、海外のメディアなどでは、日本におけるFXの人気を不思議な現象として取り上げることがある。

FXとは違って、レバレッジがかからないバイナリー・オプションであるが、日本でビジネスを展開する際には「金融商品取引業者」の登録を所管の財務局で行う必要がある。

今回紹介する企業である「Binary」は、イギリスに本拠地を構えているが、日本でも金融商品取引業者としての登録を行い、バイナリー・オプションを提供している金融会社である。

Binaryは日本だけではなく、マルタ、イギリス、バヌアツで登録されている金融会社で、バイナリー・オプションだけではなく、FX、差金決済取引などを広く手掛けている。

マネーロンダリングの心配がないICO

Binaryは1999年に設立されており、業務の拡大に伴って、新規株式公開であるイニシャル・パブリック・オファリング(IPO)を検討してきたとウェブサイト上で説明している。

しかしながら、Binaryは今後、IPOが仮想通貨による資金調達であるICOに取って代わられると予想している。

ブロックチェーン技術の進化に伴って、ICOを行う企業がこれからますます増えると考えていることから、BinaryはICOを選択したとウェブサイトで述べている。

私はこれまで300以上のICO企業を分析してきたが、Binaryはいままで見た中で一番歴史のあるICO企業である。

また、世界中で登録を行っている伝統的な金融会社であるBinaryが、IPOではなくICOを選択したということはかなりインパクトのある話である。

Binaryは2017年11月15日から12月25日までICOを実施する予定であるが、他のICO企業とは異なる面白い特徴がある。

Binaryが発行するトークンを購入するためには、バイナリー・オプションなどを行うためにBinaryが提供している口座を開設しなければならないのだ。

前述の通り、BinaryはFXやバイナリー・オプション業務を各国で展開しており、日本でもビジネスを行っている。

これらのビジネスは金融当局の監督下で行われており、口座開設プロセスなども犯罪者やテロリストを排除するための仕組みが既に構築されている。

一般的なICO企業の場合、ビットコインやイーサリアムなどの決済用仮想通貨を保有していれば、誰でもICOに参加することが可能になっている。

犯罪者やテロリストの可能性がある投資家がICOに参加しようとした際、自動的に彼ら、彼女らを排除するためのプラットフォームを持っているICO企業はほとんどないと言っても過言ではないだろう。

そんな中、今回紹介しているBinaryは金融取引を行うための口座を通して投資家を募り、マネーロンダリングの問題がない状態でICOを行おうとしているのだ。

これはかなり賢いやり方であり、クリーンな資金しかICOに入ってこないという点で、投資家たちは安心してBinaryに出資できるメリットがある。

オークション制度を採用したICO

BinaryのICOが興味深いもう一つの点は、オークション(入札)制度を採用していることだ。

投資家は購入を希望するBinaryのトークン数と入札価格をシステムで入力し、価格が上位であれば購入できるオークションの形でICOが行われることになっている。

つまり、安い入札価格をシステムに入力してしまうと、ICOに参加できない可能性が高くなってしまうということだ。

ICOでBinaryのトークンを購入したければ、できるだけ高い入札価格をシステムに入力しなければならない。

この点でも、非常に合理的な資金調達手法をBinaryは選んでいると言えるだろう。今回のICOで、Binaryは最大1,000万枚のトークンを発行するとしている。

流動性のリスクはかなり低い

ICOで発行されたトークンは、スイスの仮想通貨取引所である「Lykke.com」で米ドルなどの法定通貨や、ビットコインなどの主要仮想通貨と交換可能になる予定であるとBinaryはウェブサイト上で説明している。

さすがは世界で金融事業を手掛けているBinaryだけあって、具体的な仮想通貨取引所の名前を上げて、発行されるトークンの流動性リスクが低いことをアピールしている。

ただ、Binaryの発行したトークンがいつからLykke.comで流通するかは未定であり、時期が記載されていないところに一抹の不安を感じる。

それでも、Binaryは具体的な仮想通貨取引所名をウェブサイトで公言していることから、流動性のリスクはかなり低いと考えられるだろう。

2017年9月29日にアメリカの証券取引委員会が、2つのICO企業とその経営者を告発するなど、仮想通貨取引に対する金融当局の監視が世界的に厳しくなっており、詐欺コインやインチキICOの被害も報告されている。

「ICOに興味はあるが、実体がないビジネスへの投資は避けたい」と考えている人は、既に業務を行っている会社が実施するICOに参加することが、リスクを低減させる一つの方法になるかもしれない。

今回紹介するBinaryは18年前から金融業務を行っており、世界中で130人の従業員を雇用し、多くの顧客にサービスを提供してきた会社である。

Binaryの場合、日本でも金融商品取引業者として登録をしていることから、色々なことが調べやすい会社であり、Binaryの口座がないとICOに参加できないという保守的な方法を取っている点も安心材料だろう。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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