ビットコインが分裂してビットコインゴールドが誕生

政党もビットコインも分裂が流行中

この記事を執筆しているのは2017年10月23日であり、衆議院議員選挙が終わった翌日である。新聞やテレビなどでは、分裂した政党の選挙結果が報道されており、議席を増やしたところがあれば、減らしたところもある。

私は仮想通貨評論家であり政治評論家ではないため、分裂した政党の今後については専門家の意見を聞いてもらえればと思う。
今回の記事は分裂がテーマであるが、政党ではなくビットコインのことについて解説している。

「ビットコインが分裂?」と思われる人がいるかもしれないが、ビットコインはつい3カ月前の2017年8月1日に分裂しており、そこでビットコインキャッシュが誕生している。

2017年7月は仮想通貨価格全般が下落基調にあったのだが、その背景にはビットコインとビットコインキャッシュの分裂騒動があったとされている。

仮想通貨業界にとってビットコインの分裂は一大騒動であり、ビットコインキャッシュの行方には大きな注目が集まっていた。

ビットコインとビットコインキャッシュの分裂はスムーズに行われ、特に大きな混乱もなく、仮想通貨の分裂として成功に終わったと考えられている。あれから3カ月が経過し、再びビットコインの分裂が行われる予定になっているのだ。

ビットコインが分裂し、10月25日に誕生する予定になっているのは「ビットコインゴールド」である。今回の記事では、ビットコインゴールドがなぜ生まれようとしているかなどについて分かりやすく解説していきたい。

みんなで決めるともめる

ビットコインをはじめとする仮想通貨は、中央管理者がいないことを売り文句にしている。日本円や米ドルなどの法定通貨の場合、中央銀行という中央管理者がおり、流通量がコントロールされる仕組みになっている。

中央銀行であれば、日本銀行総裁や連邦準備制度理事会(FRB)議長がトップであり、彼や彼女がリーダーシップをとって、金融政策を決定していくことになる。

しかしながら、ビットコインの場合、中央管理者がいないために何か大きな方向性を決める場合は、関係者が話し合って決めることになっている。

ビットコインを取り扱っている業者や主要マイナーなどで協議することになるのだが、当然ながらそれぞれ利害が異なっており、みんなで話し合って何か決めようとするともめることになる。

ビットコインの特徴とされる「中央管理者がいなくても運営可能な仕組み」は大きな強みであることは確かだが、何か決め事をする場合には弱点になり、諸刃の剣になりかねないのだ。

会社組織などの場合、社長や最高経営責任者(CEO)が方針を決めて、役職員はそれに基づいて業務を遂行していくことになる。

仮に、部長会などで重要な決定を行う会社や企業があったらどうなるだろうか?営業部長と財務部長、コンプライアンス部長や監査部長など、それぞれ利害が違う人たちで機関決定を行おうとすると収拾がつかなくなるだろう。

ビットコインなどの仮想通貨には中央管理者にあたる社長やCEOがいないため、部長が集まってみんなで決める仕組みに近くなっていることから、利害が交錯して意見がまとまらず分裂ということになりがちなのだ。

10月25日に誕生する予定のビットコインゴールドは、香港のマイニング業者が発案したものである。

ビットコインはマイニングできなくなってきている

2017年に入って日本のビットコイン取引量は世界最高レベルに達していると言われているが、ほとんどの人は仮想通貨取引所でビットコインを購入していることだろう。

しかしながら、ビットコインの入手方法として、マイニングというものが存在している。ビットコインは発行上限が2,100万枚と決まっているが、現時点でおよそ1,664万枚が流通している。

これだけを見ると、「おっ!あと436万枚もマイニングできるのか。それなら仮想通貨取引所でビットコインを買うのはやめて、自分でマイニングしようっと!」と思われるかもしれない。

ビットコインの運営が始まった2009年時点では、普通のパソコンでもビットコインのマイニングが可能だった。

しかしながら、現在はスーパーコンピューター並みの処理能力が必要になっており、普通の人はマイニングできない状態になっているのだ。

また、スーパーコンピューターを動かすためには、機械を冷却するための巨大な装置と膨大な電力が必要になる。そのため、電気代の安い国でなければビットコインのマイニングができなくなっている。

現在、ビットコインのマイニングのほとんどは電力の安い中国で行われており、気温の低いところに巨大な設備を作り、そこでスーパーコンピューターを使ってマイニングが行われているのだ。

10月25日に誕生する予定のビットコインゴールドは、スーパーコンピューターや巨大な冷却機器がなくてもマイニングできる設計になっている。

普通の人がマイニングできないビットコインとは違って、「マニングがしやすいビットコイン」としてビットコインゴールドは登場することになるのだ。

香港のマイニング業者にとっては、マイニングがしやすいビットコインゴールドが誕生することによって、ビジネスの拡大が期待できる。

一方、マイニングがしやすくなることに反対する勢力も存在しており、彼ら、彼女らにとってはマイニングがしにくい現在のビットコインの状況が続いてほしいわけだ。

この記事の冒頭で、政党の分裂について少し触れた。野党である政党が分裂した背景には、「選挙で与党を倒し、政権を取りたいが今のままでは取れない」というジレンマがあったと思われる。

ビットコインゴールド誕生の背景にはマイニングというビットコインが抱えている問題があり、現状では関係者の利害が折り合わなくなり、分裂という事態に至ったわけである。

その意味では、政党の分裂もビットコインの分裂も、「今のままでは課題を解決できない」というジレンマが原動力になっていると言えるだろう。

ビットコインゴールドは取引所で売買できるか未定

2017年8月1日にビットコインがビットコインキャッシュに分裂した際、日本の仮想通貨取引所はビットコインの保有者に対して、無条件でビットコインキャッシュを付与した。

この判断によって、ビットコインとビットコインキャッシュの分裂はスムーズに進んだわけである。

しかしながら、10月25日に生まれるビットコインゴールドの取り扱いは仮想通貨取引所に一任される予定であり、ビットコイン保有者に無条件で付与されるかどうかは未定になっている。

監督官庁である金融庁も、ビットコインゴールドの取り扱いについては仮想通貨取引所に一任すると報道されており、どうなるかはまだ分からない状態だ。

新しく誕生する仮想通貨にとって、取引所で売買できるかどうかは死活問題であり、投資家にとってはそれがすべてと言っても過言ではない。

マイニングがしやすいビットコインゴールドを入手したとしても、仮想通貨取引所で売買ができなければ、パソコンやスマートフォン上にあるただの数字になってしまうからだ。

今後、ビットコインゴールドがどのような取り扱いになるか目が離せない状態が続きそうだ。10月25日にビットコインゴールド誕生後、どのような動きになっているかこちらのサイト「bit-life」で改めて報告する予定である。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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