【ビットコインゴールド】ウェブサイトがいきなりダウン

ビットコインゴールド不安の船出

かねてから予定されていたビットコインゴールドが、ビットコインから10月24日に分裂して誕生した。当初は10月25日の誕生が予定されていたが、一日早く分裂が実行されたことになる。

どのような場合であっても誕生は祝福されるケースが多いのだが、ビットコインゴールドの公式ウェブサイトが分裂後にいきなりダウンし、不安の船出で始まったことについて海外のニュースサイトなどが報道している。

この記事を作成している10月25日午前(日本時間)の時点ではビットコインゴールドのウェブサイトは復旧しているようだが、分裂後に外部から攻撃を受けて一時的にサーバーがダウンしてしまったようである。

仮想通貨による資金調達であるICOを行う企業などの場合でも、サービス開始直後にアクセスが集中したり、外部攻撃を受けたりしてウェブサイトが動かなくなるケースは結構あるものだ。

私は仮想通貨評論家コインマンとして数多くのICO記事を執筆してきた。資金調達の最中であってもウェブサイトがダウンしているICO企業などもあり、ひどい場合だとサイトが動かないまま長期間放置されているケースまであるのだ。

世界中で毎日のようにICOが実施されており、新しい仮想通貨は玉石混合である。そのため、内部管理態勢が整っていないICO企業が出てきてしまうのはある程度仕方がない面があるのだろう。

しかしながら、ビットコインゴールドは星の数ほどあるICOとは違って、時価総額10兆円を誇る仮想通貨業界の王様ビットコインが分裂して誕生したアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)である。

そのため、ビットコインゴールドは仮想通貨業界全体に与える影響が大きく、他のICOのように「外部からの攻撃でウェブサイトがダウンしちゃったけどごめんね」という軽い感じではすまされない状況になっているのだ。

仮想通貨取引所によってビットコインゴールドに対する方針は異なっているが、その背景には今回のビットコイン分裂がどのような形で落ち着くか見通せないという事情があったのである。

外部からの攻撃で、ウェブサイトがいきなり使えなくなるという不安の船出で始まったビットコインゴールドであるが、仮想通貨取引所などの業界関係者が懸念していた不安定さがいきなり露呈する形になってしまった。

ビットコインゴールドを生んだ張本人に対する報復

ビットコインゴールドのウェブサイトが外部攻撃を受けた理由は不明のようだが、一部ではビットコインゴールドを生んだ張本人に対する報復ではないかという見方が出ている。

ビットコインゴールドが登場した背景には、ビットコインのマイニングが難しくなったことがあげられている。

ビットコインが2008年に論文(と言っても9ページの短いPDF)で提唱され、運用が始まった2009年は普通のパソコンでもマイニングすることが可能だった。

しかしながら、現在のビットコインはマイニング競争が激しくなり、スーパーコンピューターとそれを冷却する大規模な設備が必要になっている。そのため、ビットコインのマイニングを普通の人ができなくなってしまっているのだ。

ビットコインのマイニングの難しさについて、かねてから異を唱えていたのが香港のマイニング業者であり、これが今回のビットコインゴールドを誕生させた当事者である。

マイニングがしやすいビットコインゴールドが生まれることによって、この香港のマイニング業者はビジネス拡大の機会を得ることになる。

ビットコインのマイニング問題は以前から指摘されており、香港のマイニング業者以外にも利害関係者はいた可能性がある。

ただ、今回ビットコインゴールドのウェブサイトがダウンしたことについては、この香港のマイニング業者に対する報復が目的ではないかという報道が、海外の仮想通貨関連ニュースなどで流れているのである(真偽は定かではない)。

ビットコインゴールドの価格はまだついていない

8月1日にビットコインキャッシュが誕生した時は、ビットコインの保有者に無条件でビットコインキャッシュが付与される方針を仮想通貨取引所が取ったこともあり、大きな混乱もなく分裂はスムーズに進んだ。

また、ビットコインキャッシュの場合、誕生後の8月からすぐに価格がついたが、今回登場したビットコインゴールドは価格がまだついていない。

ここがややこしいところであり、世界中の仮想通貨取引所がビットコインゴールドの取り扱い方針を決められなかった一つの要因にもなっている。

この記事を執筆している10月25日時点では、日本の大手仮想通貨取引所1社だけが11月以降ビットコインゴールドの取り扱いを行う予定であると発表している。

ただ、この大手仮想通貨取引所もビットコインゴールドの取り扱いについて、「ブロックチェーンが正常に稼働し、ビットコインからの分裂が恒久的なものであり、顧客の資産保護などの面から問題がない場合」という但し書きをつけている。

仮想通貨取引所の中には、「ビットコイン保有者にビットコインゴールドを付与しない」と方針発表しているところもあり、いろいろな意味でビットコインゴールドは不安定な状況にあるわけだ。

ビットコインゴールド誕生後、ビットコイン価格は下落

8月1日にビットコインキャッシュが問題なくビットコインから分裂したことから、今回のビットコインゴールドについても投資家からの期待が高まっていた。

先週の10月21日には1ビットコインが6,100米ドルを突破し、ビットコインゴールド誕生を祝うかのようなお祭り相場になりかけていた。

しかしながら、この記事を執筆している10月25日午前の時点で1ビットコインは5,500米ドル代で推移している。ビットコインゴールドが登場してから1日経ったが、ビットコインの価格はそれからおよそ6パーセント下落している。

ビットコインゴールド誕生後、ビットコインが下落している理由は定かではないが、現時点ではお祝いムードではないようである。

中央管理者不在のリスクが露呈

人間のカップルや複数の創業者で運営されているベンチャー企業などでもそうであるが、口論したりもめたりするとと離れたり、分裂したりするものである。

カップルやベンチャー企業の仲間が離れたり分かれたりする背景には、お互いの立場が対等であることがある。

ビットコインなどの仮想通貨もカップルやできたてのベンチャー企業などに近く、関係者が対等の立場にあり、中央管理者がいないことから、問題が出てくると当事者が集まって話し合うことになる。

しかしながら、会社組織や役所などのように指揮系統が不明確であるため、話し合いが物別れになると、「やってられるか!」と椅子を蹴っ飛ばして部屋を出ていく人が現れるわけだ。

今回誕生したビットコインゴールドについては、「セキュリティ面で不安がある」と指摘していた関係者は多く、「コードが一般公開されていないためサポートできない」とビットコインゴールドを公然と批判する仮想通貨取引所の経営者もいる。

「中央管理者がいなくても運営可能」であることはビットコインの強みであるが、ビットコインゴールドの不安定な船出はそれがデメリットにもなりうることを示したことになる。

これからの行方に目が離せない展開が続いているが、今後もこちらの「bit-life」でビットコインゴールドを詳しく報告していく予定である。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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