ビットコイン価格が10,000米ドルの大台を突破!

ビットコインより時価総額が大きい日本企業はトヨタだけ

2017年11月に入ってビットコインの価格が急騰しており、ついに大台とされていた10,000米ドルを突破した。

ビットコインの時価総額はおよそ1,670億米ドル(約18兆5,000億円)になっており、日本企業でビットコインよりも大きな時価総額を持つのは、トヨタ自動車だけになってしまった。

2017年初めのビットコイン価格は968米ドル程度であったため、11カ月弱で10倍以上の値上がりを記録したことになる。

私は仮想通貨評論家コインマンとして、日々仮想通貨の価格を確認しているが、11月のビットコイン価格上昇幅はかなり大きく、ここ1週間で20パーセント急騰していることになる。

金融関係者からは「明らかなバブル」、「近づかない方が得策」などという声が出ているが、個人のビットコイン買いが続いており、世界中でビットコインの先高観が根強い状態になっている。

年末にかけてビットコイン価格が上昇している背景には、世界最大の先物取引所であるシカゴ・マーカンタイル取引所が、2017年12月からビットコインの先物取引を始める計画があると言われている。

先物市場が整備されることによって、ビットコイン取引に参入する金融機関が増加すると予想されており、その期待も込めてビットコイン価格が上昇している状況になっている。

今回の記事では、2008年にサトシ・ナカモトという謎の人物がたった9ページのPDF論文で提唱した仮想通貨であるビットコインが、10,000米ドルに到達するまでの軌跡をたどってみたい。

信用ではなく暗号学的な証明に基づく決済システム

今や誰でも知っているビットコインであるが、2008年に発表されたPDF論文を実際に読んだことがある人は少ないだろう。

現在でも、サトシ・ナカモトが執筆されたとされる短い論文はインターネット上に掲載されており、誰でも読むことができる(サトシ・ナカモトが執筆されたとされる論文)。

英語の論文だが、短く分かりやすい文体になっているため、読み進めることはそれほど難しくないだろう。

サトシ・ナカモトが提唱した仮想通貨は、目新しい技術を発表したものではなく、ブロックチェーンという既存の仕組みを活用したプラットフォームだった。

サトシ・ナカモトは論文の中で、「信用ではなく、暗号学的な証明に基づいた電子的な決済システムを構築する」と述べている。

この論文が発表されたのは2008年だが、偶然かどうかは別としてアメリカの大手投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破たんしたタイミングと重なっている。

信用に基づいて構築された金融システムがあっけなく崩れ、暗号学的な証明による決済システムを、サトシ・ナカモトはビットコインによって作り上げようとしたわけである。

マイニングや取引を相互に確かめる仕組み

日本円や米ドルなどの法定通貨の場合、日本銀行や連邦準備制度理事会などの中央銀行が紙幣や硬貨を発行し、銀行などの金融機関を経由して私たちの手元に届き、それを使って商取引をしたり、納税を行ったりしている。

私の場合、日常の買い物などはクレジットカード決済が主流であり、ほとんど現金は使わないのだが、小さな飲食店や大学の学食などで食事をする時は紙幣や硬貨が必要になるため、コンビニエンスストアのATMで現金を入手することになる。

現金が私の手元に届くまでに、「日本銀行→金融機関→コンビニエンスストア」というプロセスを経由している可能性が高いのだが、どちらにしても円は中央銀行である日本銀行によって発行されていることになる。

一方、ビットコインの場合、中央銀行ではなく、マイナー1人ひとりが発行を行う仕組みになっている。権限を持った偉い人や専門の機関などが、勝手にビットコインを発行しているわけではないのだ。

また、マイナー1人ひとりが発行するビットコインが、正当に問題なくマイニングされたかどうかを相互で確かめる仕組みが採用されており、これが10分に1回の割合で進められている。

さらに、ビットコインが送金されたり、決済手段として使われる際にも、データ改ざんなどの不正が行われていないかどうかを相互で確認する制度になっており、中央銀行のような管理者不在でも運用できるような形になっているのである。

ピザ2枚が10,000ビットコインだった2010年

今や東京でもビットコイン決済が可能な店舗やレストランが増えており、歯医者などでも支払えるところが出てきている。

ビットコインが決済手段として、最初に使われたのは2010年5月22日だったと考えられている。

この日、10,000ビットコインで2枚のピザが購入され、現在でも5月22日は「ビットコイン・ピザ・デー」として、仮想通貨業界の人間にとっては特別な日になっている。

2010年5月22日にピザを購入した際の10,000ビットコインの価値は、現在1億米ドルになっており、日本円でおよそ111億円相当である。

このピザを食べた人が誰かは定かではないが、人類が口にしたピザの中でもっとも高いピザになったことは間違いないだろう。

価格上昇が過去の傷を癒す?

その後、順調に成長をしたビットコインだったが、2014年にマウントゴックス事件が発生し、ブランドに大きな傷がつくことになった。

当時、日本最大のビットコイン取引所だったマウントゴックスの幹部が、顧客の資産を横領していたことが発覚し、外部からのハッキング攻撃なども重なって、ビットコイン自体が怪しいというイメージがついてしまったと言われている。

2013年後半に1,000米ドルを突破したビットコインは、2014年のマウントゴックス事件以降、長期低迷に入り、再び1,000米ドルを超えたのは2017年に入ってからのことだったのだ。

「ビットコイン=怪しいもの」というレッテルを貼るような報道がマウントゴックス事件の後で行われていたが、2017年に入ってビットコイン価格が急騰したことで、過去の傷も完全に癒されたようである。

今後は売りから入ってくる専門家が出てくる可能性

10,000米ドルを突破したビットコインは向かうところ敵なしのような気もするが、それほどバラ色の未来が待っているとは限らないのが世の中の面白いところである。

私の記事をお読みになられている方は、2017年8月のビットコイン・キャッシュ、10月のビットコイン・ゴールド、11月のビットコイン・ダイヤモンドと、ビットコインは今年に入って3回の分裂を経験している。

12月にはスーパー・ビットコインなどとの分裂が起こると予想されており、専門家であっても把握が難しいほど今後も分裂含みなのがビットコインなのだ。

企業や会社でもそうだと思うが、利益が出ている時や儲かっている時期は小さな問題が見えにくく、ほころびが始まっていても軽視されがちである。

ビットコイン価格は2017年に入って10倍以上になり、分裂を繰り返している現状は過小評価されがちだが、仮想通貨としてビットコインはさまざまな問題を抱えていることもまた事実なのだ。

今後、ビットコインの先物取引などが始まると、買いではなく、売りから入ってくる金融関係者も出てくるだろうから、相場が一本調子で上がり続けるかどうかは予断を許さない状況である。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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