音楽業界を変革するのはブロックチェーンだった?

ブロックチェーン技術があれば未来を予想できる?

15年くらい前までは街のいたるところにCDショップがあったが、アップルが投入したiPadやiPhoneによって、店舗でCDを購入する人は激減してしまった。

音楽の場合、歩いたり移動しながら聴けるという特徴があり、インターネットとの親和性の高さも相まって、オンライン配信が中心になったと言われている。
そんな中、音楽業界をさらに変革しようとする動きが出てきている。
ブロックチェーン技術を活用して音楽配信を行っている「Musicoin」である。

Musicoinは営利を求めない?

Musicoinが他の仮想通貨と違う点として、営利プロジェクトではないことがある。
Musicoinのウェブサイトを覗いてみると、最初の画面に「1 $MUSIC = ? USD」という表示が登場し、「音楽の価値を解き放つため、Musicoinは非営利プロジェクトになっています(Musicoinis a non-profit project to unleash the value of music)」という文言が出てくる。
Musicoinには、既存の音楽業界にあるような仲介業者やレコード会社などがいないため、利用者がマージンやマーケティング・コストを負担する必要がない。
ブロックチェーンの仕組みとスマート・コントラクト技術を活用しているため、利用者がMusicoinの「再生」ボタンをクリックすると自動的に利用契約が発生し、ミュージシャンに報酬が支払われる仕組みになっているのだ。

Musicoinはミュージシャンが報われるシステム?

ミュージシャンは、Musicoinのデジタルプラットフォームを経由して楽曲を提供し、利用者が再生する度に報酬が支払われることになる。
つまり、ミュージシャンと利用者がMusicoinを通じて直接つながることになり、これまでマージンを取っていたレコード会社などが不要になる世界が登場したわけだ。
ミュージシャンは、Musicoinでアカウントを作成して、楽曲を登録するだけで手続き完了になる。
実際に再生する人がいれば、ミュージシャンにMusicoinが発行している仮想通貨MUSICが付与されるという仕組みであるため、非常に分かりやすくシンプルである。

ミュージシャンへの報酬はどうやって生み出されているのか?

ただ、疑問なのは、どのようにしてミュージシャンへの報酬が発生しているかである。
Musicoinのプラットフォーム上で再生された楽曲を提供したミュージシャンに対して、Musicoinプロジェクトの仮想通貨MUSICが付与されるが、Musicoinの利用者は、無料でプラットフォームを利用できるとウェブサイトでは述べられている。
細かく調べていくと、Musicoinの利用者が無料で楽曲を聴く回数に制限が設けられているようだ。
定められた回数以上の楽曲を聴く場合、利用者はMusicoinの仮想通貨であるMUSICを購入する必要がある。
なるほど、そういうことか。
Musicoinの利用者は、無料で一定回数だけ楽曲を聴くことができ、それ以降は費用を払って好きな楽曲を聴くシステムになっているのだ。

Musicoinを使えば投げ銭も可能

最近になって、SHOWROOMと言う動画サイトが人気になっている。
SHOWROOMの特徴として、応援したいアーティストに対して投げ銭を出せる点がある。
ストリートパフォーマンスを行っているミュージシャンなどが、自分の前にギターケースを置き、聴いている人から現金を入れてもらうのが投げ銭であるが、Musicoinでもこの仕組みが採用されている。
Musicoinのプラットフォームでは、投げ銭ではなく「Tip(チップ)」という表記になっている。
Musicoinで楽曲を再生するページに入ると、チップを選ぶアイコンがあり、1MUSIC、5MUSIC、10MUSIC、100MUSIC、1,000MUSICから選択可能になっている。

誰がどれだけ稼いでいるか見える化されている

Musicoinが興味深いのは、各ミュージシャンがどれだけ稼いでいるかが利用者から分かることだ。
Musicoinのプラットフォーム上で、どのミュージシャンのどの楽曲が何回再生されているか、受け取った報酬額とチップの額が分かりやすく明示されている。
例えが正しいかどうかは分からないが、キャバクラやホストクラブなどで自分がひいきにしている人をナンバーワンにしたい気持ちと似たような心情が、Musicoinの仕組みであれば生まれやすいような気がする。

日本の場合、Amazonなどを経由してCDを購入する人が、現在でも一定数は存在する。
アイドルグループなどの握手券目当てでCDを買っている人がおり、その影響で日本のオンライン音楽プラットフォームは発展が遅れてしまったという人もいる。
今は陽の目を見ていないミュージシャンであっても、Musicoinのプラットフォームを利用することで、既存の音楽業界の仕組みを仲介することなく楽曲配信が可能になり、新しいスターが生まれる可能性がある。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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