【SimplyVital Health】医療問題をICO企業が解決できる時代が到来

アメリカの医療技術と医療費は世界一

皆様もご存知の通り、アメリカには日本のような国民健康保険が存在していないため、病院やクリニックなどで治療を受ける場合は、民間の医療保険に加入することが一般的になっている。

アメリカのオバマ前大統領が実行した医療制度改革(以下、「オバマケア」)によって、民間の医療保険に入ることが難しかった低所得層向けに政府から補助金が出るようになり、以前よりは無保険の人がアメリカでは減ったと言われている。

現在のトランプ政権になって、オバマケアの見直しが議会で協議されているが、医療問題はさまざまな利害が絡み合っており、法改正で決着するまでに時間がかかると報道されている。

無保険者が多いことなど、アメリカが抱えている医療問題は映画などでも度々取り上げられており、日本の国民健康保険と比較して「アメリカの医療制度はとんでもない」と考えている人が多いかもしれない。

実際にアメリカの医療機関で治療を受けたことがある人はお感じになられているかもしれないが、「お金がある人にとって、アメリカの医療制度は素晴らしい」ということも現実として存在しているのである。

ご存知の通り、アメリカは世界一富裕層が多く住んでいる国であり、金融資産が10億円を超えているような人の場合、保険がきかない病院やクリニックに行って、待ち時間ゼロで全額自己負担の治療を受けることが可能になっている。

この場合、保険がまったくきかないことになるわけだが、アメリカの金持ちにとっては時間の方が重要であるため、あまり痛手にならないという背景がある。

アメリカでは歯の治療に保険がきかないのだが、会社員などの場合、半年に一度、無料で歯のクリーニングを行うことができ、レントゲン検査で歯茎などに問題がないかもしっかりとチェックしてくれる。

日本の場合、歯のクリーニングやチェックを保険内で行うことができるが、当然ながら有料であり、レントゲン検査を行ってくれるところはあまりなく、やってくれる歯医者やクリニックがあったとしても、余分な費用が発生することになる。

歯の治療に保険がきかないアメリカでは、予防に重点を置いており、虫歯になって少しでも歯を削ってしまうと、すぐに数百米ドルの費用が発生することになるため、アメリカに住んでいる人たちの歯に対する意識の高さはかなりのものである。

また、歯医者以外の医療についても、アメリカでは資本主義的な仕組みが採用されているため、医療技術は世界一の水準になっており、お金がある人にとっては非常に優れた医療大国に見えるかもしれない。

しかしながら、お金がない人や保険に入れない人などにとって、アメリカは大変な社会であり、保険がないために治療を受けることができず、病気の進行に手を打てない人が存在している。

2017年11月10日から公開されている映画「ザ・サークル」の中で、主人公のメイ(エマ・ワトソン)の父親が難病を患っているのだが、保険外治療を行うための費用が捻出できず、病状が悪化する様子が描かれている。

メイが働いているソーシャル・ネットワーキング会社であるサークルが、彼女の父のデータを利用することを条件に、治療費を負担することになるのだが、アメリカで医療をきちんと受けることが本当に大変であるのが、この映画を鑑賞するとお分かり頂けるだろう。

アメリカは超大国であり、世界最大の経済大国でもあるのだが、医療についてはかなり特殊な制度を採用しており、国民健康保険を導入している他の先進国とは大きな違いがある。

日本でも年々医療費が大きくなっており、政府債務増大の要因になっているとされ、何らかの形で改革をしなければならないのだが、医療は政治的決断が行われにくい分野であり、今後も大きな課題としてのしかかってくるだろう。

アメリカや日本のような先進国でさえ医療問題に苦しんでおり、他の国でもさまざまな課題があって、簡単な解決策は存在していないのが現状になっている。

そんな状況を打開しようとしているのが、今回紹介するICO企業の「SimplyVital Health」である。

病院ができずに銀行ができていること

SimplyVital Healthは2017年11月21日から12月31日までICOを実施し、新しい仮想通貨であるHLTHトークンを発行して、最高4,000万米ドルの調達を目標にしている。

SimplyVital Healthはホワイトペーパーの中で、「アメリカの病院では、関係者のコミュニケーションが円滑に行われていないことによって、毎年120億米ドルものムダが発生している」というコンサルティング会社の試算を紹介している。

アメリカも日本もそうであるが、患者の情報は病院やクリニック内で厳重に保管されており、医師には守秘義務があるため、他の医療機関と情報交換が行われない仕組みになっている。

これは当たり前といえば当たり前なのだが、患者は受ける治療によって転院したり、別の病院でなければ施術できない疾患にかかることもあり、複数の医療機関で処置を受けることがある。

このような場合、患者は複数の医療機関で似たような検査を受けたり、同じ問診を行ったりすることになり、精神的にも肉体的にも疲労し、医療費負担も重くなるという社会問題を引き起こしている。

SimplyVital Healthは銀行のATMを例に取りながら、「A銀行のキャッシュカードを使って、B銀行のATMでお金を引き出せるにもかかわらず、似たようなことが医療機関でできないのはおかしい」とホワイトペーパーの中で力説している。

サービス開始は2019年

SimplyVital Healthは2019年からサービスを開始する予定になっているが、患者はHLTHトークンを支払って、医療機関から治療を受ける仕組みになっている。

ブロックチェーン技術によって構築されたスマートコントラクトを経由し、SimplyVital Healthのプラットフォームを使って、医療機関は患者の症状を共有することになる。

SimplyVital Healthは匿名性を維持した形で、患者の症状や回復状況などを安全に保管し、各医療機関は適宜それらの情報を活用できるようになる予定である。

患者が転院する場合であっても、同じ検査や問診を受ける必要がなくなり、「必要な治療だけを受けられるプラットフォームが構築される」とSimplyVital Healthはホワイトペーパー上で説明している。

投資家はいるが流動性には懸念あり

SimplyVital Healthのウェブサイトには外部からの投資家が掲示されており、一定のモニタリングを受けた上で経営が行われることになりそうだ。

ただ、SimplyVital Healthのウェブサイトにも、ホワイトペーパーにも新しく発行される仮想通貨であるHLTHトークンが、将来的に仮想通貨取引所で流通する予定があるかどうかの説明が見当たらなかった。

HLTHトークンは医療を受ける際に患者が使うことになるのだろうが、流動性の部分は投資家にとって最重要課題の1つであるため、何らかの記載が欲しかったところである。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

linea

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする