ICO業務をアウトソースしたい企業向けにサービスを提供するブロックチェーン 企業が登場?

ICO業務をアウトソースしたい企業向けにサービスを提供するブロックチェーン 企業が登場?

現在、世界中に1,000以上の仮想通貨が存在していると言われているが、最近のICO(仮想通貨による資金調達)ブームによって、その数はさらに増加していると思われる。

企業が資金調達を行う場合、従来であれば、株式公開であるIPO(Initial Public Offering)を利用することが一般的だった。
しかしながら、IPOを利用すると主幹事の証券会社や上場先の証券取引所とさまざまなやり取りが発生し、内部管理体制やシステム面、監査体制などについて細かく口出しされ、色々と面倒で複雑なことが起こってくる。
一方、多くの国において、ICOに関する法規制はまだ整備されておらず、詐欺コインのような怪しいビジネスを行う企業であっても、自社サイトから仮想通貨を発行して、簡単に資金調達ができるようになっている。
私が以前働いていたニューヨークの金融業界では、「騙すやつが悪いんじゃない。騙されるやつが悪いんだ」という格言があった。
法規制が整備されていない仮想通貨への投資は、注意して行わないと誰も守ってくれない。
ニューヨーカーが言う「騙されるやつが悪い」という世界であるため、自己責任を肝に銘じてお金を投じる必要がある。
ICOを行う企業の増加に伴い、ICOをサポートする会社が出てきている。
今回紹介する「Rocket ICO」もその一つである。
Rocket ICOという企業名とウェブサイトの最初に「To the moon(月に向かって)」という記載があるため、ロケット開発を行うブロックチェーン企業かと思いきや、実際にはICOのアウトソース・サービスを行う会社である。

ICOもアウトソースする時代に突入

他の記事で書いたためご存知の方がいるかもしれないが、私の兄はある地方都市で小さな広告代理店を営んでいる。
ホームページ作成やマーケティング代行などのサービスを行っているのだが、ウェブサイト作成では、基本的なコーディングであるHTMLやCSSなどを使っている。
しかしながら、最近はHTMLやCSSの知識がなくてもホームページなどを作成できるサービスが登場しており、コーディングの知識がまったくなくてもウェブサイトを作れるようになっている。
インターネット経由で顧客を呼び寄せたい経営者は、HTMLやCSSのことを知らなくてもホームページ作成が可能であり、本業に集中できるプラットフォームが構築されつつあるわけだ。
資金調達をしたいけれどもIPOを行うほどの規模ではなく、簡便な方法でお金を集めたいと考えている中小企業などにとって、ICOは有効な手段である。
ただ、ICOをしようと思ってもブロックチェーン技術に詳しくない経営者の場合、何から始めればよいのかすら分からないだろう。
そんな時に頼りになるのが、Rocket ICOである。
Rocket ICOは、その名の通り、仮想通貨業界のロケット発射台になることを目指している。
ICOを行う企業は、Rocket ICOのプラットフォームを活用し、マーケティング関連や法的な側面、技術面でのサポートを受けることが可能であり、すぐにICOというロケットを発射できるというわけだ。

Rocket ICOは仮想通貨業界のベンチャー・キャピタル?

私は最近、たくさんのICO関連の記事を書いており、書いても書いても新しいICO企業が出てくるため、ある意味うれしい悲鳴を上げている状態である。
仮想通貨評論家である私にとっては好ましい状況だが、これからICOを行おうとしている企業にとっては、結構つらい環境になりつつある。
ICOに出資をしようと思っている投資家は、たくさんの候補から選択することができるようになっており、出資を受ける側の企業としては投資家から選ばれるために、さまざまなマーケティング努力をする必要があり、その分の時間やコストが必要になってしまう。
Rocket ICOは自社ウェブサイト上の宣伝動画の中で、これらのICO検討企業が抱える問題を解消できると自信満々に語っている。
ICOを行う企業の経営者にとって最大の課題である必要なコストについて、Rocket ICOは非常に分かりやすい料金体系を採用している。
ICOで発行される5パーセントのトークンが手数料として、Rocket ICOに支払われることになる。
5パーセントのトークンが高いか安いかは経営者によって感じ方が異なるだろうが、ICOで多額の資金を調達したい企業にとっては高いと感じるパーセンテージだろう。
ICOで500万米ドル(約5億5,000万円)を調達する予定の企業であれば、ICO関連の手続きはRocket ICOに任せられる代わりに、費用として25万米ドル(約2,750万円)分のトークンを手数料として支払うことになる。
ICOを行う企業からすると、5パーセントのトークンを支払うことにはなるが、手元の現金を減らすわけではないので、一見すると助かるように感じるかもしれない。
しかしながら、普通の株式会社の観点からすると、Rocket ICOが5パーセントの株主になることと基本的に同じであり、ICO後の経営を行う上でRocketICOは無視できない存在になるだろう。
Rocket ICOのビジネスモデルを考察すると、仮想通貨業界のベンチャー・キャピタル的な姿のようにも見える。
既存のベンチャー・キャピタルは、有望なベンチャー企業に対して法定通貨で出資を行う代わりに株式を取得し、取締役を送り込んでさまざまな経営のアドバイスを行い、そのベンチャー企業をIPOまで導こうとする。
Rocekt ICOは、ICOを行おうとする企業のウェブサイトやホワイトペーパーを作成し、マーケティング戦略を練って実行し、投資家を集めるためのサポートを行う。
それらの支援の報酬として、ICOを行う企業はRocket ICOに5パーセントの発行トークンを付与するわけだ。
ICOを行った企業のビジネスが拡大し、収益を増やしていけば、発行したトークンの価格も上昇が期待でき、Rocket ICOは保有している5パーセントのトークンを、どこかの時点で売却することによって大きな収益を手にする可能性が生まれることになる。

アドバイザーへの報酬はトークンで?

Rocket ICOは2017年10月から11月にかけてICOを実施する予定で、RocketCoin(ROCK)というトークンを発行して資金調達が実施するとしている。
また、Rocket ICOは、ICOを実施する企業をサポートするため、さまざまな専門家の力を借りる予定にしている。
Rocket ICOのウェブサイト上で、アドバイザーの顔ぶれが公開されており、アメリカ、中国、イギリス、インド、ドイツなどのブロックチェーン専門家のサポートを受けるとしている(残念ながら日本人のアドバイザーはいない。
頑張れ、日本のブロックチェーン業界!)。
Rocket ICOのアドバイザーたちに対しては、RocketCoinトークンで報酬が支払われる予定になっている。

Rocket ICOはICO関連のサポートを業務として行い、ICOを実施する企業から仮想通貨で報酬を受け取るビジネスモデルを採用している。
また、Rocket ICOが業務を依頼するアドバイザーたちに対しても、自社が発行するトークンであるRocketCoinを支払う予定である。
外資系金融機関で勤めていた私にとっては、ある意味懐かしい感じがした。
そう、報酬を株式で支給するストックオプションの仕組みにそっくりだからだ。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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