【CCCoin】寄付初心者でもブロックチェーンで安心

私は心が貧しい銀行員だった

私は一時期社会を離れて学生に戻っていたことがあるのだが、その学校ではケース・メソッドと呼ばれる教育手法が採用されていた。ケース・メソッドの場合、ケースと呼ばれる資料を読み込み、議論を行う形で授業が展開される。

一般的な講義形式の授業とは違い、的を得た発言をしなければポイントが入らないため、学生は教員の話を聞くだけではなく、とにかく言葉にして自分の意見を言わなければならない。

ある授業で寄付がテーマになり、教員から「なぜアメリカでは寄付文化が構築されているのか?」というテーマが投げかけられた。ポイントを稼ぐ絶好のチャンスと見た私はニューヨーク駐在の経験を活かし、意気揚々と手を上げて以下のような発言をした。

「アメリカでは、寄付をした金額が確定申告時の控除対象になっている。累進課税制度を採用しているアメリカでは、高所得者ほど寄付をする傾向がある。高い所得を得ている人は、寄付を行うことで課税対象額が少なくなり、節税目的で寄付をしているケースがアメリカでは多く、それによって寄付文化が構築されたと考える」

我ながら的を得た発言であり、「決まった」と心の中でガッツポーズをしながら話し終えたのだが、教員の反応は予想とまったく違うものだった。その教員は、私の意見に対して、以下のようにこき下ろした。

「これだから、銀行員はダメなんだ(この時、私は金融機関に所属していた)。心が貧しい。アメリカはキリスト教の国であり、恵まれない人に対して寄付をするという文化が古くから醸成されている。節税目的などというセコイ考えではなく、広い心を持っている人が多いから、アメリカでは寄付文化が構築されているのだ」

これに対して、私は「アメリカにはキリスト教徒以外にもいろいろな人がいるだろう」と思ったが、反論しても仕方がないため黙っていた。

ここで学生に戻っていたころのエピソードを紹介したのは、今回紹介するブロックチェーン企業が寄付に関するサービスを提供しているからである。私は過去に100近いICO記事を執筆してきたが、寄付関連サービスを提供するブロックチェーン企業を見るのは初めてである。その会社の名は、「CCCoin LLC」である。

寄付は本当に必要な人に届いているのか

CCCoinのウェブサイトにアクセスをして最初に思ったことは、「見やすくて綺麗」ということだった。自分で言うのも変な話だが、私は日本で一番多く仮想通貨関連企業のウェブサイトを見ているという自信がある。

職業自体が日本初の仮想通貨評論家ということもあるが、ICO(仮想通貨による資金調達)の記事だけではなく、仮想通貨関連ニュースの執筆時にもさまざまなブロックチェーン企業のウェブサイトを見る必要があるからだ。

ウェブサイトが見やすいICO企業は、投資家への説明も分かりやすくなる傾向にある。今回紹介するCCCoinは、ウェブサイトの見やすさにこだわっているようで、訪問する人が楽しく分かりやすくサービスを理解できるようになっている。CCCoinは、ウェブサイトで自社のミッションを以下のように紹介している。

「CCCoinのミッションは、これまで寄付をしたことがない人たちに魅力を伝え、実際に寄付をしてもらうことである」

寄付をためらう人は、「本当に必要とされている人に寄付が届けられるか分からない」という不安感を持っていると言われている。駅前で募金箱を持って寄付を呼び掛けている人たちが、集まったお金を勝手に使って警察に捕まったケースが実際に日本であった。

インターネット経由で送金をして寄付を行った場合であっても、きちんとお金が必要な人に届けられたかどうかを確認する術が存在しなかった。ブロックチェーンの登場によって、「必要な人たちに届いていないのではないか」という寄付をする側の不安感を払しょくできる可能性が出てきたのである。

スマートコントラクトで寄付される側も評価される仕組み

ブロックチェーンがこれだけ急速に普及し、ICO企業が急増している背景には、中央管理的な運営ではないことがある。スマートコントラクトを活用することで、仲介者を排除してもプラットフォームが運営可能であるため、不必要なコストや時間を搾取する第三者が登場しない仕組みになっているのだ。

CCCoinが画期的であると感じる点は、寄付される側も評価されるということである。CCCoinはウェブサイト上で、「寄付される側はCCCoin保有者によって投票され、適切な運営を行っているチャリティ団体だけが選ばれるプロセスを採用する」と述べている。

従来の寄付プロセスの場合、寄付される側のチャリティ団体に関する情報が圧倒的に不足しているという大きな問題があった。ブロックチェーン技術で開発されたスマートコントラクト・プラットフォームを活用することによって、世界中にあるチャリティ団体を多くの人たちによって評価することが可能になった。

CCCoinは、「仮想通貨取引を通じて寄付額を増加し、世界を守るための手助けをする」とウェブサイト上で宣言している。これまで寄付をしたことがない人たちに寄付をしてもらうことで、世界中にいる恵まれない貧困層や難民たちを救うための仕組みをCCCoinは構築しようとしているのだ。

寄付される側であるチャリティ団体が世界中の人々から評価されることによって、おかしな運営をしているところや寄付金を不適切に利用するような人がいる団体は自動的に排除されることになる。この点は大きなイノベーションであり、人々のチャリティに対する考え方を根本から変える可能性を秘めていると言えるだろう。

寄付先へのフォローアップがポイント

CCCoinは、2017年10月21日から2018年1月21日までの3カ月間ICOを実施する予定になっている。ブロックチェーン企業として、CCCoinは長めのICO期間を設定している。

CCCoinを保有している人は、寄付先であるチャリティ団体を選定するプロセスに参加することが可能になる。インターネットにつながっているパソコンやスマートフォンがあれば、世界中どこにいてもCCCoinを購入することができる。

ブロックチェーン技術が得意とする直接民主主義的な運営によって、CCCoinに投資を行った人たちが、自主的にチャリティ団体を選ぶことが可能になるわけである。

また、寄付されたお金が倫理的に正しく利用されたことを確認するために、CCCoinはチャリティ団体に対するフォローアップ・プロセスも整備する予定である。このフォローアップ作業は、CCCoinチームに所属する専門家が担当することになるようだ。

他の方法ではなくCCCoinを選んでもらうために、寄付先へのフォローアップが重要であるとCCCoinチームは考えているようだ。この点が差別化の最重要課題であり、寄付されたお金が必要な人たちに届けられることを、CCCoinは真剣にフォローアップするとホワイトペーパー上で強調している。

CCCoinは透明性を確保するため、寄付先のチャリティ団体の記録をすべてウェブサイト上で公開する予定にしている。すべてを公開することによって、「寄付をしたことがない人たちに参加してもらう」というCCCoinのミッション達成を目指している。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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