金融庁が仮想通貨交換業者の検査内容を公表 -市場は拡大、リスク管理に課題

金融庁は8月10日、これまで継続的に行ってきた仮想通貨交換業者等の検査、モニタリングから、浮き彫りになったその実態や問題点についてまとめ、中間発表を行った。報告によれば、事業者の会社規模・総資産が前年度比で急拡大し、少数の役職員で多額の利用者財産を管理していることが明らかとなった。

仮想通貨交換業者の現状

同報告によれば、登録業社13社およびみなし業者4社の昨年度の総資産は1061億円。しかし本年度は中間報告にもかかわらずすでに総資産は6928億円を計上、実に5.5倍以上拡大していることが判明した。また32の登録業社およびみなし業者における役所員数は全体の75%が20人未満とのことで、一人当たりの預かり財産は、1000万円以上の業者が全体の54%となっている。

誰しもが記憶に新しいであろう2017年末から2018年初頭にかけて発生した異次元的な仮想通貨価値の上昇が影響しているものと考えれられる。”億り人”を生むきっかけになった仮想通貨バブルは、後の数ヶ月間で多くの新たなユーザーが仮想通貨取引に参加した。

年末年始のバブル後は再び下落に転じた仮想通貨市場だったが、最近ではゴールデンウィーク周辺で再び息を吹き返し、一時ビットコインの時価総額は100万円を越えた。そんな相場の乱高下が、交換業者の資産が拡大させた要因と見て良いだろう。

追いつかない法整備と内部環境

取引額が拡大する一方で、内部管理態勢の整備が追いついていなのも現状だ。広告宣伝が先走るなど利益優先の経営体制が目立つこともしばしばあり、またセキュリティ人材不足も挙げられた。”コインチェック騒動”が思い起こされるが、一般メディアに露出していないだけで、細々とした業務改善命令や企業側の不備が頻発していた。

これは技術進歩の過程において歴史的によく見られる光景であり、ある意味必然的に起きたこととも捉えられる。だがルールを侵犯して許されるわけではない。

金融庁は不足しているコーポレート・ガバナンスとして「利益優先の経営姿勢」、「取締役および監査役の牽制機能が発揮されていない」、「金融業としてのリスク管理に知識を有する人材が不足」、「利用者保護の意識、遵法精神の低さ」、「経営情報、財務情報の開示に消極的」と評価した。

今後の金融庁が監督する上での対応

業者においては金融庁の登録審査時に構築された内部管理体制が都度アップデートされない状況が散見されたとこのことで、各自、自己チェックを行うことが望ましいと唱えた。また金融庁は引き続き深度あるモニタリングを実施。問題が認められた場合は必要な行政対応を行うとしている。

今後の新規登録申請業においては、これまで以上に厳正な審査を行うとした。書面による形式審査、安全対応状況確認のための現場訪問など行ってきたが、加えてビジネスプランの聴取や実効的な内部管理態勢など先に掲げた5つのコーポレートガバナンスを遵守しているかどうか、現場での検証、ヒアリングを強化するとした。

仮想通貨ビジネスを取り巻く環境は刻々と変化するのが特徴なので、登録後に早急に立入検査を実施することも付け加えた。

今後は関係省庁や海外当局との連携も合わせて強化していくとのこと。マネロン・テロ資金供与規制を強化すべく、海外の無登録業者への対応など、利用者保護を最優先とした綿密な連携を図っていくとのことだ。

まとめ

金融庁は仮想通貨交換業者の検査実績を中間報告という形で公表した。

市場規模は前年度に比べて大きく拡大しており、資産の増額が顕著だった。一方、利用者保護についてはまだまだ不足していると見られ、コーポレートガバナンスの不足が指摘された。

金融庁は今後も厳正に監査を続けていく。

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