【SmartOne】規制の問題を解決するICO企業が誕生

1次情報収集が重要なライター業務

私は仮想通貨評論家コインマンとして、仮想通貨ニュースやICO関連の記事を執筆している。

ただ、仮想通貨についてはさまざまな情報がインターネット上で飛び交っており、真偽が定かでないものが結構あったりして、見極めが難しいのが現状である。

ビットコインをはじめとする仮想通貨の価格は乱高下する傾向にあり、儲ける人がいれば損をする人もいるため、多くの思惑がオンライン上でせめぎ合っているのだ。

私が記事作成する際に一番多く閲覧するのは、仮想通貨を運営している団体やICO企業のウェブサイトである。実際に商品やサービスを提供しているこれらの組織のサイトを調べることによって、1次情報を入手することができるのだ。

ここで言う1次情報とは、実際の発信元から入手した情報であり、新しく発行される仮想通貨の記事を執筆する場合は、ICO企業のウェブサイトやホワイトペーパーが情報源となる。

これに対して2次情報の代表例は本や雑誌などであり、新聞記事やニュースなどもこれに該当する。出版されている本の場合、編集者などのチェックが入っていることから、確度はある程度高いのだが、1次情報に比べると不確定なところがある。

私の場合、ICO関連記事を執筆することが多いため、ICO企業のウェブサイトやホワイトペーパーという1次情報を読み込み、文章を作成することがほとんどである。

読者の方が投資を検討しているICOがある場合、「ウェブサイトかホワイトペーパーを読むことをおすすめする」と私が記事で書いているのは、皆様にも1次情報に触れてほしいという仮想通貨評論家としての想いからである。

ライター業務を行う場合、1次情報を活用することが重要なのはお分かり頂けたと思うが、これは間違った情報を発信しないための予防策でもあるのだ。

コインマンは真面目過ぎる?

私はもともと外資系金融機関で証券業務に携わっていたこともあって、自分が記事執筆をしている仮想通貨やICOに投資することはなく、中立の立場で取引先の方々や読者の皆様に情報提供を行うことにしている。

この業界で私のようなスタンスは珍しく、仮想通貨に関する情報提供を行っているライターの多くがビットコインなどに投資を行っており、「これだけ儲かった」とか「こんなに損して大変だった」という内容の記事を執筆しているケースがある。

やり方は人それぞれで自由なのだが、私の場合、自分自身が仮想通貨の売買を行いながら情報を発信しようとすると、「ポジション・トーク」になる可能性があるため投資を行っていないのだ。

仮に私がある仮想通貨に投資を行っており、ポジションを持っているICO企業に関する記事を書こうとすれば、無意識の内に「皆もいっぱい買ってね!」というトーンになりがちである。

証券会社で働いている株式アナリストたちはポジション・トークを避けるため、株式投資を厳しく制限されている。

「コインマンは真面目過ぎる」というコメントを頂く時もあるが、私は仮想通貨評論家としてポジション・トークを行わないよう気をつけているわけだ。

コンプライアンス面だけではなく、倫理面でも気をつけて記事を書いているわけだが、最近になってICO企業向けに法律やコンプライアンスに関するコンサルティング・サービスを提供する会社が現れた。その会社の名は、「SmartOne」である。

発行する仮想通貨名は「LEGALトークン」

SmartOneは2017年10月30日からICOを実施予定であり、仮想通貨であるLEGALトークンを発行して資金調達を行うことになっている。

SmartOneは法務・コンプライアンスの相談サービスをICO企業向けに提供予定であり、発行する仮想通貨「LEGALトークン」は非常に分かりやすい名前と言えるだろう。

SmartOneは2017年12月から税務相談や当局対応、法務・コンプライアンス関連のコンサルティング・サービスを提供することになっている。

SmartOneがこれらのサービスをICO企業向けに提供する背景には、仮想通貨業界が直面する当局への対応やコンプライアンス上の問題がある。

2017年9月にアメリカのICO企業が証券取引委員会に告発されたり、中国政府や韓国政府が国内でのICOを全面禁止するなど、仮想通貨業界を取り巻く環境は厳しさを増している。

そんな中、法務・コンプライアンスリスクを軽減するニーズがICO企業を中心に高まっているが、適切なサービスを提供するプラットフォームが構築されていなかった。

SmartOneはそこに目をつけており、仮想通貨業界全体の課題になっているコンプライアンス構築のインフラを提供し、ICO企業に安心して商品・サービスを提供してもらい、ビジネスに集中してもらうための仕組みを整備しようとしているのだ。

デジタル法律事務所が相談相手

SmartOneの仕組みでは、スイスに拠点を持つデジタル法律事務所「LegalOne」が法律やコンプライアンス関連の相談に乗ってくれることになっている。

SmartOneのプラットフォームを使ってLegalOneに相談をする場合、仮想通貨であるLEGALトークンを保有しておく必要がある。

SmartOneは比較的分かりやすいサービスを提供しようとしているが、根本的な疑問が残っている。

それは「どこの国の法律や規制であっても相談に乗ってくれるのか?」ということである。

どういうことかと言うと、仮想通貨に関しては国や地域によって法律や規制が異なるため、世界共通の法務・コンプライアンスのアドバイスを行うのは難しいということである。

LegalOneに対して、「日本の改正資金決済法に基づき、財務局が立ち入り検査に入った時のアドバイスをして欲しい」という依頼をしたとしても、適切なアドバイスをもらうことは恐らくできないだろう。

そもそも、SmartOneのインフラで日本語が使えるかどうかウェブサイト上に記載がないため、英語ができなければLegalOneに対して相談することすらままならないことが予想される。

スマートコントラクトの問題を露呈

SmartOneのプラットフォームは一見分かりやすく、提供しようとしているのは「仲介者を省いた世界初のスマートコントラクト経由の法務・コンプライアンス相談サービス」である。

スマートコントラクトの場合、共通言語として英語が使われることが一般的である。そのため、日本のように公用語が英語でない社会ではSmartOneの使い勝手が悪くなってしまう。

また、日本には改正資金決済法という特殊な仮想通貨関連の法律があり、スイスに本拠地があるデジタル法律事務所LegalOneは「絵に描いた餅」ならぬ「パソコン上にある使えない法律事務所」になりかねないのだ。

スマートコントラクトの特徴は、人間を介することなく自動で契約を執行できる点にある。

法律やコンプライアンスに関しては、国や地域によって法体系や規制当局の考え方が異なり、スマートコントラクトで統一のプラットフォームを構築し、世界共通でアドバイスを行うのが根本的に難しい分野なのだ。

SmartOneの取り組みは非常に興味深いが、各国で異なる法体系がある中でどのように法務・コンプライアンスのアドバイスをICO企業向けに行っていくのか、今後の行方から目が離せない。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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