【MediBloc】韓国政府のICO禁止措置にめげないICOが登場

ICO禁止措置はあまり意味がない?

2017年9月は仮想通貨業界にとって、いろいろな意味で激動の月だった。中国政府が国内におけるICOを禁止する措置を突然発表し、アメリカの大手金融機関経営者が「ビットコインは詐欺」と発言するなど、ほとんどの仮想通貨が大きくを値を下げた月でもあった。

9月の最後には、韓国政府まで国内でのICOを禁止し、仮想通貨取引所における信用取引(いわゆるレバレッジ取引)を禁じるというおまけつきだった。

韓国はアルトコイン取引の一大市場になっており、2017年に入ってから主要アルトコインの売買において1位になるなど、世界の仮想通貨業界からも注目を浴びる国になっている。

そんな韓国でICOが禁止されたことによって、韓国人や韓国に住んでいる人たちがICOへの熱意を失ったのかと思いきや、実はそうでもないようである。

韓国以外で登記を行って、ほとんどのスタッフを韓国人で固めたICO企業が出始めているのだ。それが今回紹介するICO企業「MediBloc」である。

ジブラルタルで登記するICO企業が増加中

MediBlocのウェブサイトに入ると、英語、日本語、中国語、韓国語が用意されており、ホワイトペーパーまで4カ国語で対応されている。

しかしながら、MediBlocのウェブサイトに掲載されているビジネスの概要説明動画は韓国語になっており、これが英語になっていないのは減点ポイントである。

MediBlocを運営している人のほとんどは韓国人であるが、この中には「ミス・ビットコイン(?)」と呼ばれている日本人女性も含まれている。

MediBlocのウェブサイトとホワイトペーパーが日本語対応しているのは、このミス・ビットコインが関係しているものと思われる。

韓国国内におけるICOが禁止されていることから、MediBlocはジブラルタルで登記を行っており、ウェブサイトの一番下に記載されている住所や電話番号もジブラルタルのものになっている。

ジブラルタルはスペインの最南端に位置しているイギリス領土であるが、人口3万人程度の小さな自治区である。

ジブラルタルでは、イギリス軍の軍事関連産業が最大の経済基盤になっている。そのため、イギリスとの経済的な結びつきは強くなっているが、外交と防衛を除く内政については、ジブラルタル自治政府が判断を行える仕組みになっている。

また、ジブラルタルでは法人税が低く抑えられていることもあって、海外の金融機関が拠点を置くなど金融関連のビジネスが盛んな地域で、仮想通貨関連企業の登記も増えているようだ。

こちらのサイト「bit-life(ビットライフ)」で2017年11月8日に紹介した「ICOICO」もジブラルタルに本拠地を置いており、何らかの理由でICOを行いにくい国にいる人にとって、登記面などにおいてジブラルタルは利便性が高いのかもしれない。

医療サービスはスマートコントラクト向き?

MediBlocが提供するのは、ブロックチェーン技術を用いたスマートコントラクト経由の医療サービスである。

日本でも海外でもそうであるが、医療機関で医療を受けると患者の情報はその病院やクリニックから外に漏れることがないことになっており、また漏れてはならないという法の縛りがある。

これは当たり前のことであり、患者のプライバシーを守るための措置であるが、他の病院に行って治療を受ける際に、同じようなことを別の医師に説明をしなければならないという面倒な作業が発生することになる。

MediBlocは、現在の医療システムの中で患者が強いられている二重作業の解消を目指しており、スマートコントラクトで患者情報を安全に管理しながら、効率よく治療を受けられるプラットフォームを整備するとしている。

MediBlocのホワイトペーパー6ページ目には、「効率良く医療情報交換が行われれば、治療室で行われる様々な検査が50パーセント以上削減できるという研究成果もある」と記載しており、多くのムダな作業が病院やクリニックなどで行われていることを指摘している。

医療システムが抱える問題を解決する方法

現在の医療システムが抱えている問題を解決する方法として、ブロックチェーン技術とスマートコントラクトが有効であるとMediBlocは強調している。そんなMediBlocが持つ特徴として、以下の6つがあるとホワイトペーパーで説明されている。

最高レベルのセキュリティ
高い信頼性
高い透明性
高い相互運用性
高いアクセシビリティ
患者中心の理想的な統合医療システム:個人健康管理記録

「1.最高レベルのセキュリティ」について、MediBlocはブロックチェーン技術を用いているため、既存の医療機関と比較して、格段に高いセキュリティを実現できるとしている。

通常の病院やクリニックの場合、患者の情報を医師や看護師などのスタッフが外に持ち出そうと思えば、それを完全に食い止めることは難しいだろう。

MediBlocのホワイトペーパー7ページ目でも、「医療情報流出の最大の原因は、部外者によるシステムのハッキングではなく、内部の意図的流出またはミスによることが明らかになった」と説明している。

MediBlocの場合、すべての情報にアクセスできるのは患者のみであり、医師などの関係者によって、情報が流出させることができない仕組みになっている。

MediBlocの特筆すべき続いての特徴は、「5.高いアクセシビリティ」である。従来の医療機関で受診する場合、医師がいるところまで患者が足を運ぶ必要があった。

しかしながら、MediBlocの場合、インターネットにつながっているパソコンやスマートフォンがあれば、いつでもどこでも便利にアクセスできるようになっており、病院やクリニックまでの移動にかかる時間や待ち時間などが不要になる。

MediBlocは特定の病院などに依存しないオープン型プラットフォームであるため、個々の医療機関に依存することなく、患者が好きな時に利用できる高いアクセシビリティを実現するとしている。

既得権や利害に左右されないプラットフォーム

私はアメリカに4年間住んでいたことがあるが、あれだけの超大国であるにもかかわらず、国民健康保険がいまだに整備されていない。

また、アメリカの薬価は政府ではなく、製薬会社決める仕組みになっている。日本の場合、政府が薬価を決めていることから、アメリカのように薬代が高すぎて破産したり、薬を購入できないというケースはあまり聞かない。

一方、日本の医療制度もさまざまな問題を抱えており、医療費の膨張に歯止めがかからなくなっている。

どの国でも医療は既得権や利害が交錯する分野であり、中立的な立場で新しい仕組みを構築したり、プラットフォームを最初から立ち上げることが極めて難しい領域の一つなのだ。

MediBlocは2017年11月20日から12月15日までICOを行っており、MEDトークンを発行して資金調達をする予定になっている。

MediBlocの利用者はMEDトークンを購入して医療サービスを受けることになるが、既得権や利害に左右されない新しいプラットフォームとして、機能するかどうか目が離せないICO企業の一つになりそうだ。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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