ICOを検討中の方は必見!ICOがしやすい国を紹介

2017年はICOを行う上で絶好のタイミングだった

ICOを行う企業や団体などの目的は基本的に資金調達であり、ビットコインやイーサリアム経由で新しく発行する仮想通貨を投資家に購入してもらうことが、一般的な手法になっている。

2017年は仮想通貨業界の価格が全般的に上昇基調であったため、ICO企業は当初予定していた額よりも多めの資金調達が可能になったと考えられている。

新規の株式公開であるIPOの場合でも、株式市場が上昇している局面で上場する方が調達金額が大きくなることと同じ理屈で、ビットコインやイーサリアムなどの主要仮想通貨の価格が高い時点でICOを行う方が有利になるのだ。

現在も世界中でICOが準備されており、日本でもさまざまな業態の企業がICOを実施している。

2017年11月20日にこちらのサイト「bit-life(ビットライフ)」で紹介したベルギー・ビール専門店である「サンタルヌー」は、名古屋から東京・赤坂への移転費用をICOでまかなった飲食店として雑誌(週刊エコノミスト、2017年10月24日号)でも紹介された。

「ICOイコール難しいもの、専門家しかできない手続き」というイメージを持っている方がいるかもしれないが、今や使いやすい資金調達方法になりつつあるのである。

ただ、ICOには実施しにくい国としやすい国が存在しており、ICOをどこで行うかは重要な経営判断になると言えるだろう。

ICOを実施できない国

まずは、ICOを実施できない国から紹介しようと思う。2017年に仮想通貨業界を揺るがせた中国では、9月にICO禁止措置が取られており、ICO企業が中国国内で登記を行うことはできなくなっている。

一方、香港でのICOは認められているようで、実際に香港でICO登記を行っている会社は結構存在しているようだ。1国2制度が取られている香港では、中国のICO禁止措置の影響が及んでいないようである。

11月24日に掲載した記事「仮想通貨イベントに初参加!で登場したICO企業経営者は、中国でICOを行おうとしていたのだが、9月に中国政府のICO禁止措置発表があって、ヨーロッパに本拠地を移転した。

また、韓国政府も中国政府と同様にICO禁止措置を出していることから、ICO企業は韓国でも登記を行うことができなくなっている。

ただ、韓国政府のICO禁止措置にもめげず、ヨーロッパのジブラルタルで登記を行っている「MediBloc」などのICO企業が登場している。

中国人や韓国人が中心となっているICO企業であっても、登記をヨーロッパなどで行って、開発者のほとんどは中国や韓国にいるというケースもあるため、中国政府と韓国政府によるICO禁止措置の影響は、少ないと考える専門家もいるくらいだ。

ICOをしやすい国

ICOをしやすい国の代表格は、バルト三国の一角であるエストニアだろう。エストニアは、政府が発行する予定の法定仮想通貨エストコインの研究を行っており、公式ウェブサイトなどを公開して、積極的に情報配信をしていることで有名である。

11月24日に紹介した「Crypterium」もエストニアに本拠地を置いており、「仮想通貨業界のJPモルガン」を目指して、ブロックチェーンによる金融プラットフォームを構築しようとしている。

また、エストニアは電子政府化を推進していることでも有名で、「不動産を売却した時と結婚、離婚の届け出をする時以外は役所に行かなくてもすむ」行政システムを目指しているとされる。

ただ、エストニアの法定通貨はユーロであり、欧州中央銀行が仮想通貨の導入に否定的であることから、エストコインなどの法定仮想通貨の実現は難しいという意見も出始めている。

それでも、エストニアはICO企業にとってビジネスがやりやすい環境であることには変わりはなく、英語ができて、海外でのICOを目指している方はエストニアを候補に入れてみると良いだろう。

ICOがしやすいかしにくいか微妙な国

肝心の日本はどうかというと、ICOがしやすいとも、しにくいとも言えない微妙な国に入ると私は考えている。

海外のICO企業で、日本に本拠地を移したというところを私は今まで聞いたことがない。

その背景には、日本語という言葉の壁が存在していると考えられる。また、日本における仮想通貨取引の準拠法である改正資金決済法には、ICOに関する条項が存在していない。

そのため、日本でICOを行う企業は事前に金融庁に内容を説明し、当局から異論がないようであれば、ICOを実施するという手続きを踏んでいるところが多くなっている。

中国や韓国などのように、政府がICOを禁止するよりも日本のやり方はましだと言えるが、外国人からすると、日本語で金融庁向けに資料を作り、説明を行うという負荷がかかることになる。

そのため、日本における現在の行政対応では、海外のICO企業を誘致することにはつながらないだろう。

ICO企業が登記を検討する候補国

政治的に不安定な国にいる起業家などにとって、ICO企業の登記先としてスイスとシンガポールが候補にあがることが多いらしい。

スイスとシンガポールでは、ICOに関する法規制は現時点で存在していないが、両国の金融当局は、仮想通貨取引を証券取引と見なす可能性がある旨の声明を発表している。

スイスを登記先として選ぶICO企業の中には、表現の自由が確保されていることを理由にしている「AKASHAなどがある。

シンガポールの金融当局は、2017年11月にICOに関するガイダンスを出しており、シンガポールで登記している企業がICOを行う場合、中央銀行での事前登録を原則として求めており、規制を強める方向で動いているようにも見える。

ビジネスを行っている場所でICOをするのが現実的

ここまで、ICOを実施できない国、しやすい国、どちらとも言えない国を紹介してきたが、ビジネスを行っている場所でICOをすることが現実的だろう。

2017年9月29日、アメリカの証券取引委員会が2つのICO企業とその経営者を告発したことが、仮想通貨業界で大きな話題になった。

仮想通貨取引に対する法整備が行われていない国が多く、金融当局の判断でICO企業に対して検査に入ってくる可能性が出てきているわけだ。

その際、登記を行っている場所にスタッフが誰もいなければ、当局の心証が悪くなり、重い処分を受けることにつながりかねない。

ICOをしやすい国で登記を行うことは1つの方法であるが、当局からの検査が入ったことを考慮した上で判断することが重要になるだろう。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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