イスラーム開発銀行がブロックチェーンを導入か?

10月下旬に、イスラーム開発銀行とヨーロッパの新興企業が協力してブロックチェーンによる金融商品の開発を進めているというニュースが明らかになりました。

国際的にも同様の研究が進んでおりますが、中東ならではの特徴はどういったものがあるのでしょうか?

イスラーム開発銀行がブロックチェーンを導入

サウジアラビアに本部があるイスラーム開発銀行(IDB)は、シャリーアに準拠した金融商品の開発にブロックチェーンを利用すると発表しました。
ベルギーに拠点を置くAteonとSettleMintという2つの新興企業と共同開発を進めております。

イスラーム開発銀行は現在57カ国で展開しており、SettleMintは中東エリアでのマーケット獲得に意欲を示しています。

通常、金融商品と言えば各種預金やFX、投資信託、不動産投資がありますが、今回の研究はシャリーアに準拠するシステムの構築を目標にしています。
日本では耳馴染みのないフレーズですが、中東のイスラム教国家ではこれがとても大切な存在なのです。

シャリーアって?

日本ではしばしばイスラーム法と訳されます。
イスラム教の聖典であるコーランと預言者ムハンマドの言行(スンナ)を元に作られた法律です。
民法・刑法・訴訟法・行政法・支配者論・国家論・国際法・戦争法に至るまでカバーされており、1000年以上もの運用実績のある世界でもとても古い法律です。
六法全書と国際法を合わせた性格を持ち合わせており、イスラム法学者による議論も何百年という長いスパンで続いています。
日本で言ったら聖徳太子の制定した十七条の憲法が今も施行されていて、議論が続いているというとイメージしやすいかもしれません。
解釈の違いくらいあって当然のような気がしますよね。

金融的な面でも戒律の影響があり、利子の受授がコーランで禁じられていることから金融取引で利子という概念がないのが大きな特徴です。
さらに取引内容や相手の事業もイスラム教の教義に反していないかも重視されます。
たとえば豚・アルコール・賭博・ポルノ関係者ではないことが条件です。

居酒屋や雀荘はイスラム国家と金融取引できませんね。

細かい部分は識者の間でも解釈が長年定まらないため、今回の研究が実用化すれば国家間の取引の効率化も大きく躍進すると期待されています。

過去には別行でこんな実験も

サウジアラビアにあるイスラム最大規模のアル・ラジヒ銀行は、2017年5月14日にリップルを使って国際送金のテストを成功させたと発表しました。

アル・ラジヒ銀行は将来的に送金システムに本格導入して、送金にかかるコストと時間をカットしたいようです。

イスラーム開発銀行の研究は、ベースとなる技術が記載されていなかったのでオリジナルのブロックチェーン技術を開発していると見られます。

大手の銀行同士でブロックチェーン開発を進めているのは、今後の動向も気になりますね。

運用されたらどうなる?

もし今回の研究が実用化されれば、国家間間の金融取引や支援が合理化されるでしょう。
中東のイスラム教国家と一口に言っても、UAEやサウジアラビア、カタールのように産油国で資本力が巨大な国からシリアやイラク、パレスチナのように長年に渡って戦闘状態にある国家もあります。

ブロックチェーンが導入されることで、国が違っても資本提供が簡単にできるようになります。
目下のところは近年低迷するアラビア経済の活性化でしょうが、非イスラム国家でもマレーシアのようにイスラム教徒のための食品販売で大きな利益を生むかもしれません。

紛争による戦争孤児や難民の支援がより簡単にできるようになるシステムも作ってくれたらいいな、と思います。

英語/美容/ダイエット/健康/映画/音楽がメイン。ライター等を勉強中。

linea

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする