【CarTaxi】海外で車が故障してもブロックチェーンが助けてくれる時代?

【CarTaxi】海外で車が故障してもブロックチェーンが助けてくれる時代?

海外で車が故障した時どうする?

私は現在、自転車で移動する日々を送っている。仮想通貨評論家という日本で初(多分)の職業であり、通勤をする必要がなく、パソコンとWifiがあればどこでも仕事ができるということもあるが、元々電車や車があまり好きではないこともある。ただ、実家がある地方に帰省した際は、移動のために車を運転せざるを得ない。

15年ほど前になるが、帰省中に車がいきなり動かなくなり、JAFのレッカー車に来てもらったことがあった。普段は実家にいる両親や兄弟が乗車している時ではなく、たまにしか帰らない私が車にいる時になぜ動かなくなったかは分からなかったが、やはりメカとの相性が悪いということなのだろう。

車が動かなくなった場所が、運悪く高速道路の上だった。不幸中の幸いだったのは、渋滞中の高速道路であったため、事故になることはなかった。ただ、二車線の一つを立ち往生している私の車が占領することになり、渋滞がさらに酷くなったのを覚えている。

不思議なことに、高速道路で車が動かなくなってから数分でJAFのレッカー車が到着し、近くの修理工場まで運んで行ってくれた。費用は当然かかったのだが、特に連絡をしたわけでもないのにレッカー車をすぐに送り込むJAFの優秀さに驚いたことを覚えている。

日本にいると、このようなことは普通に感じるかもしれないが、海外の高速道路で車が故障した場合、すぐにレッカー車がやってくることはまずない。いろいろなところに連絡をしても、たらい回しにされたり、言葉が通じなかったりで、その日のうちに助けに来てくれれば、まだましという感じだろう。

そんな時に役立ちそうなサービスを提供するブロックチェーン企業が、ロシアのサンクトペテルブルクで登場した。その名は、「CarTaxi」である。

CarTaxiに連絡をすれば14分後にレッカー車が到着?

非常に分かりやすい社名であるCarTaxiだが、既にアメリカ、中国、ロシアでサービスを開始している。CarTaxiに登録しておけば、この3カ国にある21都市でレッカー車を呼ぶことが可能になっており、事故や故障の時でも安心することができる。

CarTaxiは、レッカー車のサービス拠点を今後も拡大したいとウェブサイト上で説明しており、2018年にはインドと南米、2019年にはヨーロッパ、そして2021年には全世界に展開していく予定になっている。この記事を執筆している2017年9月時点で、CarTaxiには24,660人の登録者がおり、レッカー車を用意する業者数は5,600にのぼっている。

CarTaxiのウェブサイトを見て私が一番驚いたのは、「14 Minutes ETA」という表示だった。これは、「14 Minutes Estimated Time of Arrival」の略であり、CarTaxiに連絡をしてから平均14分後にレッカー車が来てくれることを意味している。

「14 Minutes ETA」の数字が本当かどうかは、CarTaxiを実際に使ってみなければ分からないが、海外に居住したり、海外旅行で車を運転する可能性がある場合、CarTaxiに登録しておくメリットが十分あると私は感じた。

CarTaxiの実際の使い方

CarTaxiを実際に使う方法はウェブサイト上に掲載されており、比較的シンプルにできているようだ。CarTaxiを利用する際の具体的なプロセスは以下の通りで、6ステップで完了することになっている。

1.スマートフォン上にCarTaxiのアプリをダウンロードする
2.自分の車の情報をアプリ上に登録する
3.支払い方法(カードか現金)を選択する
4.システムが適切なレッカー車を選ぶ
5.レッカー車が到着するまでの予定時間と費用がアプリ上に表示される
6.「依頼」ボタンをクリックすれば、近くのレッカー車が向かってくれる

上記プロセスを見ると、複雑な手続きやムダな作業は極力排除されており、利用者のいるところにレッカー車を安く早く届けるための仕組みを、CarTaxiは提供しようとしていることが分かる。

CarTaxiのICOはIPOに似ている?

CarTaxiの仕組みを使ってレッカー車を呼んだ場合、発生する費用のうち15パーセントを、CarTaxiが仲介手数料として徴収する仕組みになっている。結構高めの手数料であるが、CarTaxiの場合、利用者は原則としてクレジットカードか現金で支払うことになっている。

他のブロックチェーン企業の場合、サービスを利用する際にはその会社が発行する仮想通貨を購入し、そのトークンで支払わなければならないケースが多い。しかしながら、CarTaxiが発行する仮想通貨であるCTXトークンは、レッカー車を呼ぶ際の決済手段としては利用されない予定である。

CarTaxiは2017年9月29日から10月29日までの間でICO(仮想通貨による資金調達)を行う予定であり、およそ6,500万米ドル(約71億円)の調達を目指している。ICOで調達した資金を利用して、2018年から中国とアメリカでマーケティングを開始して、さらに認知度を高めたいとしている。

CarTaxiの発行するCTXトークンの購入者は、IPO(株式公開:Initial Public Offering)で発行される株式を購入するケースと同じく、その値上がりを狙うことになる。CTXトークンはレッカー車を呼ぶ際に利用される決済目的の仮想通貨ではなく、CarTaxiの世界展開で利用者が増えることによって、CTXトークンの上昇を期待することになるためだ。

CarTaxiは、2021年に全世界でのサービス展開を目標にしており、ブロックチェーン企業にしては珍しく、長期的な方向性を指し示している。

ちゃんとしていない現状のレッカー車サービス

この記事の冒頭で、私の乗っていた車がJAFのレッカー車に助けられたエピソードをお伝えしたが、あれは日本というレッカー車サービスが世界でもっとも優れている国で起こったある種の奇跡である。JAFと同じような質のサービスを、海外のレッカー業者に期待するのは無謀であり、とんでもない扱いを受ける可能性の方が高いだろう(そんな場面に皆さんが遭遇しないことを願うが)。

CarTaxiは、ホワイトペーパー(ICOを行う企業がウェブサイトに掲載している詳細説明書)の中で、現状のレッカー車サービスを「問題(PROBLEM)」と述べており、Uberのようにグローバルに組織立って運営された仕組みが必要であると力説している。

Uberについては、最高経営責任者(CEO)の交代劇などお家騒動ばかりが報道されがちである。しかしながら、規制と非効率の固まりのようなタクシー業界に殴り込みをかけ、「良いサービスを提供するドライバーが良い評価を受け、顧客を増やしていく」という市場原理を導入した点で、高く評価されるべき会社だろう。

レッカー車サービスについても、Uberと同じように利用者が業者を評価することで資本主義が機能し、競争によって顧客を満足させられる業者が生き残ることになる。この観点から、CarTaxiはレッカー業界に風穴をあけられる可能性があり、各国で評価を高めていけば、2021年の世界展開が夢物語ではなくなってくるだろう。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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