スケーラビリティ問題とSegwit

スケーラビリティ問題とSegwit

2017年も、仮想通貨の話題は尽きません。暴落したり高騰したりと、市場でも大騒ぎになっています。一方で、仮想通貨そのものの名前などは一般に浸透してきたようです。しかし、まだまだ、その仕組みについてはよくわからないことも多いと思います。今回は、仮想通貨最大の技術的難関と言われているスケーラビリティ問題と、それを解決できる手段となるかもしれないSegwitについて少し詳しく見ていきましょう。

1.ブロックチェーンのおさらい

仮想通貨が通貨として、すなわち決済手段として成り立つためには、この仮想通貨の取引を記録しておくブロックチェーンの存在が欠かせません。Bitcoinでは、10分ごとに1つのブロックが作られ、そこに取引情報が記録されていきます。このブロックを情報体の束として紐づけたものをブロックチェーンと呼びます。わかりやすく図にしてみますね。

ブロックを情報体の束として紐づけたものをブロックチェーンと呼びます
こんな感じに、箱(ブロック)と箱(ブロック)とがヒモ(チェーン)で結びついています。今回はわかりやすいように日付と時間も付けておきました。こうすると、取引の際に必要なブロックを検索して開けば、使おうとしている通貨がいつどこからやってきて、どのような取引を経ているのかがわかるため、その通貨自体の正当な取引価格がわかってきます。このように、Bitcoinは「貨幣は取引能力を証明されて貨幣となる」という、貨幣の仕組みそのものをコンピュータ上で全て管理してしまおうというものなのです。

2.ブロックチェーンとスケーラビリティ問題

しかし、この10分間の取引情報、使う人がたくさんいて、情報が膨大な量になったらどうなってしまうのでしょうか?ブロックの中の情報が多すぎて、自分が使いたい情報を引っ張り出してくるのにコンピュータの検索時間が長くかかりそうだとは思いませんか?例えば、グーグルなどの検索エンジンに自分が知りたい情報を探すためにキーワード検索をかけたところ、ヒットするHPが多すぎて途方に暮れてしまったということは誰でもあると思います。まさに、これがスケーラビリティ問題の本質です。
本来、このブロックチェーンという技術は、このブロックの中が1MBという非常に少ない要領でカバーできるため、ほぼすべてのコンピュータが管理や制御に参加できるというのがキモでした。しかし、この1MBの容量いっぱいに情報が入りすぎてしまっているため、コンピュータが管理しきれずにパンクしてしまうのです。その結果として、データ処理に遅延が発生してしまう恐れがあります。Bitcoinの決済は基本的に10分かかるので、これが遅延されてしまうと更に10分、取引が遅くなります。株価の売買をしている時に、10分の遅延があったらどうでしょうか?うすら寒い状況が容易に想像できると思います。

3.スケーラビリティ問題を解決せよ。Segwitとは。

こうしたスケーラビリティ問題ですが、この問題を解決しないと仮想通貨を誰もが自在に使って世の中が便利になる世界は夢のまた夢になってしまいます。そうした中で、現在議論されている技術の1つがSegwitです。このSegwitとはブロックの大きさを変えることなく、情報が入る”隙間”を増やしてしまおうというものです。現在の技術では、ブロックチェーンに収容される情報の中には、取引結果にはあまり影響を与えない情報も収納されています。そこで、取引に必要な情報とそうでない情報を分けて保管することにより、情報自体を圧縮できるだけでなく、取引に必要な情報の検索時間も短縮してしまおうというのがSegwitです。Segwitが実装されると、1つのブロックに今までの2倍近い情報を保管できると言われています。

4.Segwitは救世主たりえるか?その実情。

このようにスケーラビリティ問題に一定の解を与えるSegwitですが、救世主となるのはまだまだ道が険しいようです。ブロックに保管する情報を予め分けるという考え方のため、Segwitに対応するコインとそうでないコインの互換性にまだまだ改善の余地があるようで、仮想通貨技術適用を決める「マイナー(採掘者)投票」では2017年3月の段階で26%の支持に留まっています。実装には、この投票で95%以上の支持が必要になります。
また、Segwitが分ける情報の1つに「電子署名」というものであり、これには「承認手続き」が必要となります。この承認手続きという仕事を考えてみるとSegwitが浸透することによって、投資が減ったり承認そのものの価値が落ちたりする可能性が出てきます。この承認をする人たちが猛烈に反発しているというわけです。

5.Segwitを最初から内蔵するコインが登場

スケーラビリティ問題は仮想通貨が発展していく上で絶対に逃げられない問題です。そこで、このSegwitを予め実装しているコインが話題になっています。それがLitecoinです。このLitecoinがどこまで人気が出るのか。それによって、Segwitやスケーラビリティ問題に1つの解が生まれそうです。

年間100回美術館に行ける生活を目指して日々何かしている、のんびり屋ライター。
金融・投資・ビジネス・芸術・カウンセリングなどを手掛けている。
仮想通貨については2017年から本格的に勉強を始める。
小さな資金で実際の取引も経験中。「何でもとりあえずやってみる」の意識が強い。

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