パーティハウスにいるモデルをいつでも見られるサービスがブロックチェーン技術で実現?

パーティハウスにいるモデルをいつでも見られるサービスがブロックチェーン技術で実現?

ブロックチェーン技術を用いた仮想通貨決済サービスのメリットの一つとして、高い匿名性がある。
ビットコインなどは中央管理者がいない状態でシステムが運営されており、日本から地球の裏側であるアルゼンチンに送金手続きを行っても、送金者と受取人以外は決済の情報を知る方法がない。
仮想通貨が持つ高い匿名性という特徴を利用し、経済危機に陥った国や地域の富裕層が法定通貨を海外に送金する代わりとして、ビットコインなどの主要仮想通貨に資金を投入し、相場の上昇に一役買ったという説があるくらいである。
どこにどれだけ送金したか第三者から分からないというブロックチェーン技術を活用し、決済以外にもさまざまなサービスが提供されているが、「使っていることを他人に知られたくない」という人間の心理をついた新しいサービスが登場した。
その名は、「Rasputin」である。

ロシアの怪物ラスプーチンからの命名?

ラスプーチンという人物の名前を聞いたことがある人は多いだろう。
ラスプーチンは、帝政ロシア末期の僧侶であり、その変わった風貌と奇怪な性格から、さまざまな映画や小説などの題材として登場している。
ラスプーチンは祈祷を行う僧侶でありながら、帝国ロシアのロマノフ王朝に気に入られたことから政治的な力も手に入れたとされる。
不治の病に苦しんでいたロマノフ王朝の皇太子を、ラスプーチンは心霊治療で回復させたという逸話があり、次第に皇室の中枢に近づいていくことになった。
宮廷内に出入りするようになったラスプーチンは色々な予言を行い、女性を中心として信者を増やしていったとされる。
ボサボサに伸びた髪と長い髭を持っていたラスプーチンは、1995年に日本の地下鉄でサリンテロを引き起こしたカルト宗教教祖の風貌に似たものがあり、多くの女性信者を周りにはべらせ、江戸時代の将軍もビックリの大奥のような状態になっていたという。
今回紹介するブロックチェーン技術を用いたサービスであるRasputinは、ロシア帝国宮廷内にハーレムを築いたとされるラスプーチンから命名されたと考えられる。

原始的な発想と最新の技術?

Rasputinのウェブサイトを見てみると、パーティハウスと呼ばれる大きい屋敷の中に常時モデルが滞在しており、その様子を複数のカメラで実況中継するとしている。
非常に分かりやすい原始的な発想のサービスではあるが、最新の技術を用いて高画質の映像を視聴できるとしている。
Rasputinのパーティハウス内にはベッドルームからバスルーム、スイミングプール、キッチンなどが備わっており、視聴者は追加料金を支払うことによって、プライベートな状態の中でモデルと一対一のチャットを楽しめるようになるという。

プレイボーイ・ミーツ・ビットコイン?

海外の仮想通貨関連ニュースでは、Rasputinがさまざまな媒体で取り上げられており、「遊び人がビットコインに出会う(Playboy meets Bitcoin)」という見出しで、RasputinのICO(仮想通貨による資金調達)について報じているオンラインメディアもある。
Rasputinは2017年7月から8月にかけてICOを実施しており、2017年9月から第一段階のサービスを開始するとしている。
ハーティハウスの中を視聴したい利用者は、RasputinのトークンであるROC(Rasputin Online Coin)を購入し、それをチップや投げ銭として使い、モデルとの時間をオンラインで共有することが可能になる。

ブロックチェーン技術である必要性はあるのか?

ここまで調べてみると、法定通貨を使った同様のサービスが提供されているように感じるのは私だけだろうか。
Rasputinはブロックチェーン技術を用いてパーティハウスの状況をリアルタイムに中継するとしているが、ブロックチェーンで匿名性を担保しなくても別に良いように思える。
ただ、Rasputinの利用者は、追加料金を支払うことでパーティハウス内でモデルとパーティを楽しんだり(オンライン上だけど)、お気に入りのモデルと一緒にヨガクラスに参加したりできるらしい(何が楽しいのだ)。
また、絵画やピアノのレッスンをモデルと一緒に受けることも可能だそうだ。
日本で以前問題になった課金式ゲームと同様に、RasputinのトークンROCを使って、バラの花束をモデルに買ってあげたり、香水などのプレゼントを渡したり、ワインボトルやチョコレート・ボックスを差し出すこともできるそうだ(現実の世界に生きろよ)。
パーティハウス内のモデルの映像は、将来的にバーチャル・リアリティ機器を通じて、3次元の世界を味わうことができる予定であるとRasputinのウェブサイトで説明されている。
すでにバーチャル・リアリティ機器を使って3次元の映像を実現している類似サービスがあるような気がするが、Rasputinには何か秘策があるのだろうか。
デモ動画がエラーになるRasputin私はRasputinのサービスを利用する予定はないが、仮想通貨評論家であるため、Rasputinのデモ動画を視聴してみることにした(個人としてではなく、あくまで仮想通貨評論家としての仕事である)。
Rasputinのウェブサイト上に掲載されている「Visit Phase 1 Demo」という第一段階デモ動画のボタンをクリックしてみた。
そうすると、何が起こったと思われるだろうか。
「Server Error in Application」というエラー表示になってしまったではないか。
2017年8月時点のことであり、今後は改善がなされるのかもしれないが、この時点でシステムに対する不安感を感じざるをえない。

第一段階はモデルが12人だけ?

Rasputinは2017年9月から第一段階のサービスを開始予定だが、その時点でパーティハウス内にいる予定のモデルは12人だけで、利用者は24時間視聴できるわけではなないようだ。
ICOによってRasputinのトークンROCは世界中に拡散しており、24時間視聴できない状態では各国に散らばっている顧客の満足度を上げるのは難しそうである。
Rasputinの所在地についてはウェブサイト上で言及されていないが、パーティハウスに12人モデルがいるとしても、12人の利用者がプライベート・チャットを使ってしまうと、他の人はモデルとの時間を共有できなくなってしまうだろう。
一つのパーティハウスにモデルを集めて、スタッフや映像機器なども集約してサービスを提供するというのはビジネスモデルとしての選択なのだろう。
ただ、世界中にRasputinの利用者がいることを考えると、サービスを提供する側も世界中に散らばっている方が合理的であるような気がするのは、私が以前グローバルな金融機関で働いていたからだろうか。

Rasputinの第二段階として、2018年5月からフルサービスが開始される予定になっている。
ここからは、90人のモデルがパーティハウスにおり、RasputinのトークンであるROC保有者は24時間365日サービスを使えることになっている。
古くて新しいサービスをブロックチェーン技術によって提供しようとしているRasputinだが、デモ動画がエラーになっているなど改善点がすでに顕著になっており、ビジネスモデルを含めて目が離せない仮想通貨である。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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