【UTRUST】どんな店舗でも仮想通貨決済が可能になるICOが登場

儲かるクレジットカード会社

私は以前、クレジットカード会社に出向していたことがあり、現在でもクレジットカード関連の記事執筆依頼を受けることが時々ある。

皆様も広告などで目にしたり、耳にしたことがあるであろう「リボルビング払い(リボ払い)」は、仕組みをきちんと理解しないまま使っている人が多いサービスだと考えらえている。

10万円の買い物をクレジットカードで決済し、請求日にお金が足りなくなった時などにリボ払いを使う人がいる。

リボ払いの場合、毎月一定額の支払いをするだけでよく、例えば1万円を支払って、残りの9万円は決済を引き延ばすということができるのだ。

ただ、決済を引き延ばした9万円に対して、15パーセント程度の金利がかかるため、将来的に払う額は雪だるま式に増加する仕組みになっている。

銀行のカードローンや消費者金融会社のキャッシングなどの場合、15パーセントから20パーセント程度の高金利でお金を借りることになるため、利用する場合はかなりの決心が必要になるだろう。

しかしながら、クレジットカードのリボ払いを利用する際、カードローンやキャッシングなどと同じくらいの覚悟を利用者が持っているかというと、多分そこまでの心づもりはなくリボ払いを使っている人がほとんどだろう。

元クレジットカード会社社員である私からすると、リボ払いは基本的にカードローンやキャッシングと同じである。

15パーセントという高金利で決済を引き延ばす仕組みであるリボ払いを使う場合は、きちんと内容を理解してからにすべきであり、気軽に使ってしまうと大変なことになるリスクがある。

リボ払いをはじめとして、クレジットカード会社はいろいろと利益を上げやすいサービスを提供している。

クレジットカードを利用する顧客からすると、一括払いであれば特に金利などを支払う必要はないが、店舗側は2パーセントから6パーセントの手数料をクレジットカード会社に支払わなければならない。

また、利用者が店舗でクレジットカードを使って決済をしても、クレジットカード会社から店舗側に入金されるまでに1カ月程度かかるケースがある。

手数料が高く、入金が遅いクレジットカードのプラットフォームに不満を抱えている店舗の経営者は多いのである。

手数料が安く入金が速いビットコイン決済

日本でもビットコイン決済ができる店舗が増えているが、この背景にはクレジットカードと比較して安めに設定されている手数料とスピーディな入金がある。

日本の場合、顧客が店舗でビットコイン決済を行う際、仮想通貨取引所が仲介者になっている。そのため、店舗側は取引所に手数料を支払わなければならない。

この記事を執筆している2017年11月11日時点において、ビットコイン決済で店側が仮想通貨取引所に支払う手数料は1パーセント程度になっている。

また、ビットコインであれば、取引所から店側に入金されるのが数日程度になっており、クレジットカードと比較してかなりスピーディに入金処理される。

店舗側にとって、クレジットカード決済よりもビットコイン決済の方がいろいろな意味で導入するメリットが多いわけである。

しかしながら、店側は仮想通貨取引所とやり取りをしなければならず、何らかの手続きが発生することは間違いない。

また、日本においてビットコイン以外の仮想通貨を使って決済することは難しいのが現状である。

イーサリアムの決済サービスを始めた仮想通貨取引所も登場しているが、アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)で買い物をしたり、食事をしたりできるところを日本で探すのはかなり困難だろう(ゼロではない)。

そんな中、面倒な作業が不要で、どんな店舗でも簡単に仮想通貨決済ができるプラットフォームを提供するICO企業が登場した。その会社の名は、「UTRUST」である。

自分の好きな仮想通貨で支払える

UTRUSTは2017年11月2日から11月20日までICOを実施しており、仮想通貨であるUTRUSTトークンを発行して、2,100万米ドルの調達を目指している。

UTRUSTの強みは、利用者が自分の好きな仮想通貨で支払える点である。前述の通り、日本で支払いができる仮想通貨は基本的にビットコインしかない。

2017年11月に入ってビットコインが高騰し、一旦売却してイーサリアムやリップルに乗り換えた投資家も結構いると思われる。

手元にビットコインがなく、イーサリアムやリップルしかないような人たちにとっても、UTRUSTのプラットフォームがあれば、店舗における仮想通貨決済が可能になる。

店舗側は法定通貨を受け取れる

UTRUSTの仕組みを店舗側が導入するメリットとして、顧客が仮想通貨で支払いをしても、法定通貨を受け取ることができる点がある。

顧客がイーサリアムで支払っても、米ドルやユーロなどの法定通貨を店舗側は受け取れるわけだ。

UTRUSTのホワイトペーパー12ページ目に、店舗側がUTRUSTに支払う手数料についての記載がある。

顧客がどの仮想通貨を使っても、店舗側は1パーセントの手数料をUTRUSTに払えばよいようだ。

現在の日本では、ビットコイン決済を受け付けている店舗が仮想通貨取引所に支払っている手数料も同じく1パーセント程度である。

UTRUSTの場合、顧客はビットコイン以外の主要仮想通貨を使えるというメリットがあり、日本にある店舗にとって外国人顧客の利用拡大という観点からすると、UTRUST導入を検討する余地はあるのだろう。

ただ、UTRUSTはウェブサイトが英語、中国語、韓国語の3カ国語対応になっており、日本語対応していない。

UTRUSTのプラットフォームを日本の飲食店などが利用する場合、英語で情報入力をする必要があると思われる。

「世界中で誰でも使えます」と宣言するICO企業は多いのだが、正確に言うと「世界中で(英語ができる人であれば)誰でも使えます」となり、「英語ができる人であれば」という但し書きがつくケースが実は多いのだ。

流動性の懸念は残る

UTRUSTが発行するUTRUSTトークンについて、将来的に仮想通貨取引所で法定通貨や主要仮想通貨と換金、交換できるようになるかの記載はウェブサイトにもホワイトペーパーにも見当たらなかった。

UTRUSTは決済サービスを提供するため、UTRUSTトークンを使って買い物や食事ができるようになると説明されている。

UTRUSTのプラットフォームでビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を利用する場合、低額ではあるが利用者が手数料を支払うことになる。一方、UTRUSTトークンを使えば手数料はかからないそうだ。
仮想通貨取引所で流通するかどうか未定であり、流動性の懸念が残るUTRUSTトークンだが、いざとなれば買い物などで使うオプションが用意されているのは分かりやすい。

ただ、UTRUSTのプラットフォームを使える店舗が増えなければ、UTRUSTを購入したり保有するインセンティブはないわけで、今後は利用網の拡大が経営課題になってくるだろう。

UTRUSTは、2018年中に200店舗、2019年第1四半期中に1,000店舗でUTRUSTトークンを利用可能にするとロードマップで宣言している。

実際に使える店舗数がどれくらいになるか、2019年4月になったらUTRUSTのウェブサイトで確認してみようと思う。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

linea

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする