ICOで医療の矛盾をブロックチェーンで解決?

医療の矛盾をブロックチェーンで解決?

仮想通貨は決済の枠組みを超えた存在になりつつあり、エネルギーやオークションの分野にまで進出している。

仮想通貨で利用されているブロックチェーン技術により、次に大きな嵐が吹き荒れるのは医療業界かもしれないという声が出始めている。
ブロックチェーン技術を活用して医療業界に殴り込みをかけようとしているのが、今回紹介する「Medibond」である。

アメリカの医療保険の現実

日本に住んでいると、どこに行っても同じ水準の医療を定められた料金で受けることができる。
薬価を政府が決めており、国民皆保険が整備されているためだが、外国に行くと、この仕組みがない国が結構あるのである。
世界最大の経済大国であるアメリカには国民皆保険制度がないため、アメリカに住んでいる人たちは、民間の医療保険に入る必要がある。
私自身、ニューヨークの金融機関で働いていた時、会社から分厚い保険会社リストを渡されて、「好きな会社を選べ」と言われて立ち往生したものだ。
民間企業に勤めている会社員であっても、アメリカで働く場合は保険金やカバーされる保険の範囲を確認し、自分で医療保険を選ばなければならないのである。
私は当時、それほど深く考えずに保険料が一番安い医療保険を選んだが、これをやってしまうと風邪をひいて病院の予約をしようとしても、「予約がいっぱいだから、3日後に電話してこい」などと言われてしまう可能性がある。
また、安い保険を選んでしまうと受けられる施術や処方される薬も制限が出てしまうことがあり、自費で負担をしなければならない事態に直面する場面すらある。

Medibondで矛盾を解決?

アメリカは資本主義の最先端国と言われているが、医療業界にも市場原理が導入されており、昨日まであった病院がいきなり倒産したりすることもよくある。
この原因として、病院側が必要と判断して施した治療に対して、保険会社が「保険の範囲外」と主張して保険金が支払われないことが挙げられる。
この場合、保険会社から資金回収できなかった病院は患者に請求し、患者は支払えずに自己破産し、病院も倒産する事態に陥る可能性がある。
ここで登場するのがMedibondである。
Medibondはブロックチェーン技術によって、病院、製薬会社、保険会社をつなぎ、患者に必要な医療や薬を割り出し、保険でカバーされる最適な治療を受けられる仕組みを構築しようとしているのである。
アメリカでは薬価を製薬会社が決めており、薬が高すぎて利用できない患者がいる。
Medibondは、病院、製薬会社、保険会社、患者という利害関係者たちからニュートラルな立場におり、ブロックチェーン技術と人工知能を活用しながら医療データを分析し、感情に左右されることなく最適な施術や薬を導き出すことが可能になるとされている。
それによって、医療による個人破産や病院の倒産、医療を受けられないことによる症状の悪化というアメリカ社会の矛盾を解決しようとしているのだ。

アメリカの医療保険の議論

現在、アメリカの議会で医療保険制度についての議論が行われている。
オバマケアと呼ばれる医療保険制度改革は国民皆保険の導入ではなく、国民が民間の医療保険に加入するための補助を政府が行うという仕組みだった。
アメリカにおける医療は、保険会社や製薬会社、病院関係者などの思惑が渦巻く世界なのである。
Medibondは2017年8月にICO(仮想通貨による資金調達)を開始し、アメリカ医療の矛盾を解決するための準備に入った。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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