【TravelChain】SNSへの投稿が報酬になる旅行系ICOが登場

既存のSNSと伝統的な広告代理店の存在意義

こちらのサイトである「bit-life(ビットライフ)」では、数多くのICO企業が紹介されており、ありとあらゆるジャンルのビジネスを提供するブロックチェーン企業が登場している。

これだけ多くの業種が誕生していながらも、既存のソーシャル・ネット・サービス(以下、「SNS」)と伝統的な広告代理店はしぶとく存在しており、今のところICO企業との競争で大変な目に合っているという報道は聞かない。

既存のSNSと伝統的な広告代理店が強大な力を維持している背景には、法人取引があると考えられる。

ICO企業はかなり便利なサービスを提供するところが出てきているが、基本的には個人向けにビジネスを展開するところが大多数であり、法人顧客から大量の発注を受けるようなプラットフォームを提供しているところは少数派だ。

法人がなぜICO企業のサービスを利用していないかというと、仮想通貨を決済手段として認めていない会社や企業が多いことが背景にあると考えられる。

会社員の場合、何らかの経費が発生した時は勤務先に請求を行うことになるが、日本であれば日本円、アメリカであれば米ドル、フランスであればユーロという形で法定通貨による決済が行われる。

会社員の人が「便利で安いから」という理由で、仮想通貨を使ってICO企業が提供する商品やサービスなどを購入したとしても、経費として落とすことは現時点では難しい会社が大多数だろう。

最近はICO企業で画期的なマーケティング手法を提供しているところが結構あるのだが、ある企業がインターネット広告を打ちたいと考えた場合、ほとんどのケースで大手の広告代理店に話を持っていくだろう。

また、ICO企業の中には画期的なSNSプラットフォームを提供しているところがあり、面白い動画などを投稿して報酬を受けとれるサービスを行っているケースも増えているのだが、既存のSNSの方が利用者数が圧倒的に多いという現実がある。

これらの観点から、SNSや広告・マーケティングのビジネスを展開しているICO企業の場合、個人向けにはある程度プラットフォームが浸透するかもしれないが、法人顧客を開拓するのはかなり難しいだろう。

これからICO企業を始めたいと考えている人がいる場合、どの分野に参入するかが大変重要になってくる。

現時点で、金融プラットフォームを提供するICO企業がかなり多くなっており、競争が世界中で激化している。

そのため、ブロックチェーン技術やスマートコントラクトを使って、新しいサービスを展開する際は、他のICO企業があまり参入していないビジネス分野に入る方が効率的だろう。

今回紹介する「TravelChain」は旅行関係のビジネスを展開しており、最近のICO企業の中では珍しい部類に入る。

ただ、先程も述べた通り、競争が激しい金融などのビジネスを行うよりも、TravelChainのように競争が少ない分野でICO企業を立ち上げる方が賢いと言える。

旅先での投稿が報酬になる

旅行系のICO企業として、2017年9月1日に「Travelcoins」を紹介したが、この会社はブロックチェーンで一番安い旅行プランを提供するための仕組みを提供していた。

今回紹介するTravelChainの場合、旅行先で食事に行ったレストランの写真などをプラットフォーム上に投稿することで、報酬がもらえるような仕組みを提供している。

TravelChainのウェブサイトに掲載されている約90秒の宣伝動画が分かりやすいため、興味のある人は一度視聴してみると良いだろう。

最近は、レストランなどで提供される食事を写真に収める人が増えており、海外旅行の場合は、写真に撮ってすぐにSNSにアップしようとする傾向にある。

FacebookやTwitter、Instagramなどの既存SNSに動画や写真をどれだけ掲載しても、これらのSNS企業から報酬を受けることはできない。

しかしながら、TravelChainの場合は宣伝を行いたいと考えているレストランなどと協力することで、報酬を受け取ることが可能になるのだ。

TravelChainのからくりは、非常に単純で明快である。まず、宣伝・マーケティングを行いたいと考えているレストランなどが、TravelChainに登録を行う。

そのレストランに興味を持っている人がTravelChainのプラットフォームにいれば、来店して写真を撮り、投稿することによって、食事代がディスカウントされたり、報酬を受け取ったりすることができるという仕組みである。

TravelChainのビジネスのやり方は、基本的にFacebookの広告・宣伝と同じであるが、相違点としてはレストランと利用者が直接やり取りをすることがある。

Facebookの場合、利用者の興味がありそうな広告をインターフェイス上に掲載しているが、広告主はFacebookに料金を支払い、マーケティングをさせてもらうことになる。

一方、TravelChainの場合は、広告主が利用者に直接報酬を払ったり、ディスカウントを提供することになり、仲介者がいない状況でやり取りが行われることになる。

例えば、日本人向けに宣伝を行いたいと思っているハワイのハンバーガー屋があるとしよう。

こんな時、このハンバーガー屋はTravelChainのプラットフォームを使い、来店する日本人顧客向けにディスカウントを提示して料理を撮影、投稿してもらい、マーケティングをしてもらうという仕組みである。

旅行好き以外にも使ってもらえるかどうかがカギ

TravelChainは、2017年12月15日から2018年2月15日までICOを実施する予定にしており、新しい仮想通貨であるTravelトークンを発行して、最高1,000万米ドルの資金調達を目指すとホワイトペーパーで説明している。

TravelChainは旅行好きをターゲットにしており、世界中を旅する人たちが現地の情報をプラットフォーム上で共有したりすることによって、Travelトークンを報酬として提供する仕組みになっている。

旅行好きな人は、自分が行くところの情報を投稿するだけで報酬を受け取ることができ、Travelトークンを貯めて旅に出かけたり、旅先のレストランでディスカウントを受けることなどが可能になる。

ただ、TravelChainのプラットフォームを旅行好き以外の人たちが使うかというと、最初はなかなか難しいというのが現実だろう。

前述の通り、Facebookなどの既存SNSに多くの人たちが登録しており、頻繁に旅行をする人以外は、TravelChainのプラットフォームを使う必要性があまりないためである。

TravelChainは2018年2月に、Travelトークンを仮想通貨取引所に流通させるとホワイトペーパーで説明している。今後、旅行好きの利用者を増やし、それ以外の普通の人たちにもプラットフォームを利用してもらえるかどうかがカギになるだろう。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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