運送業界のウーバー(Uber)がICOで革命を起こす?

運送業界のウーバー(Uber)がブロックチェーン技術で革命を起こす?

自家用車がタクシーとしての役割を果たすウーバー(Uber)が世界中で拡大しているが、日本ではタクシー業界の反発や規制当局の意向によって、なかなかUberの普及が進まないと言われている。

決められた時間に車が迎えに来てくれるUberが普及すれば、タクシーだけではなく、社用車の機能も期待でき、さまざまなイノベーションが起こる可能性があるのに、日本でUberがなかなか普及しないのは残念である。
私は10年前にニューヨークで暮らしていたが、当時はUberが存在しておらず、ほとんどの場合タクシーで移動していた。
現在のニューヨークは、Uberが世界でもっとも普及している地域であり、スマートフォンで車を呼べて便利であることに加え、あらかじめ料金が確定しており、既存のタクシーと比較して、いろいろな意味で効率的になっている。
Uberの場合、自家用車を使っている人が、空いている時間を使って移動手段を提供していることになるが、Uberに似た仕組みで運送業界に革命を起こそうとする企業がヨーロッパで登場した。
その名は、「A2B Direct」である。

引っ越し屋さんが昔からやっていた手法?

私は人生において10回近く引っ越しをしているが、いつも「引っ越しの日は指定するが、時間は指定しないサービス」を利用している。
このサービスを利用している最大の理由は、コスト面だ。
9月2日に引っ越しをする場合、日程だけは決めるが、引っ越し業者が荷物を取りにくる時間を指定しないことによって、時間を指定する場合と比較して、価格が大きく安くなる仕組みになっている。
引っ越し日(9月2日)の前日である9月1日に引っ越し業者から電話で連絡があり、引っ越し当日の荷物引き取り時間を教えてくれる仕組みである。
引っ越し業者からすると、引っ越し時間を顧客が指定しないことによって、当日トラックが空いている時間を使って作業を行うことができるため、非常に効率的なのだ。
今回紹介するA2B Directが提供しようとしているサービスは、この引っ越し業者の手法に近い。
運送業者にとって最大のムダは、あまり荷物を積んでいない状態でトラックを運転することなのである。
A2B Directは、「運送業界のUber」としてヨーロッパで知られており、運送業界に革命的なインパクトを与えようとしている。

ブロックチェーン技術で紙のやり取りはなく、保険手続きにも対応

A2B Directはブロックチェーン技術を活用した運送プラットフォームを提供しており、紙の書類をやり取りする必要はなく、インターネットにつながっているパソコンかスマートフォンがあれば、すべての手続きを行うことが可能になっている。
また、輸送中のトラックが事故などにあった場合であっても、保険が適用されるため、利用者は安心してA2B Directのサービスを利用することが可能になっている。

市場原理は政府の許認可よりも効率的?

A2B Directのサービス概要を聞くと、「どこの誰かも分からない業者に大切な貨物の輸送を頼んで本当に大丈夫なのか?」という疑問を持つ人がいるかもしれない。
しかしながら、その心配は杞憂である可能性が高く、役所的な思考と言える。
まず、A2B Directを利用して万が一不正にあってしまっても、保険が適用されるため、利用者が経済的な損失を受けない仕組みになっている。
また、不正に関与したり、問題を起こした運送業者は利用者からの評価が下がるため、リピーターが付かず、新規顧客からも利用されることがない。
Uberが世界中に拡大した理由は、利用者からの評価にある。
Uberのサービス提供者は、自家用車を使って利用者の移動をサポートしている。
そのため、車が汚れていたり、道を知らない運転手の場合、利用者からの評価が下がり、市場原理によって排除される仕組みになっているのだ。
A2B Directも、Uberと同じ市場原理によって優れたサービスを提供する運送業者が評価されることになり、時間を守らなかったり、荷物を大切に取り扱わないような業者は排除されることになる。
政府の許認可が万全かというとそうではなく、日本のタクシーでも車内がタバコ臭かったり、助手席に運転手の個人的な荷物がたくさんあって、乗車に時間がかかるパターンがあったりする。
許認可制度の場合、これらの問題タクシーを排除しくくなるが、市場原理が働くUberのような形態であれば、自動的に利用者が減り、良いサービスを提供する運転手だけが生き残ることになる。

A2B Directは現在ICO(仮想通貨による資金調達)を実施中であり、国境を越えた輸送に向けて準備している最中である。
A2B Directのトークンは、ビットコインやイーサリアムで購入することができ、A2B Directのプラットフォームで荷物を輸送したい場合、トークンを利用してサービスを受けることが可能である。
日本でも、A2B Directのようなサービスの登場を期待したい。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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