仮想通貨保険で「もしもの時」も安心?

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イギリスで生まれた生命保険は、大航海に出かける人の中で誰が返ってくるかを賭けるギャンブルを発祥としている。

そう、生命保険はギャンブルと同じ仕組みなのだ。
ギャンブルとして生まれた生命保険の保険料を仮想通貨で支払い、保険金を仮想通貨で受け取る新しい仕組みが登場している。
その名は、「Umbrella Coin」である。

人生の「もしもの時」のために?

日本では多くの人が生命保険に入っているため(私は入っていないが…)、Umbrella Coinの仕組みを理解するのは簡単である。
まず、代表的な仮想通貨であるイーサリアムで、Umbrella Coinが発行している仮想通貨UMCを購入する。
保険契約者はUMCで保険料を支払ってUmbrella Coinと保険契約を締結し、万が一のことがあった時、保険金として仮想通貨のUMCが支払われる仕組みである。
「人生のもしもの時のために(For When Life Happens)」がUmbrella Coinのキャッチフレーズであり、これは金融機関が良く使うマーケティング手法の典型でもある。
「もしも円が暴落したら…」、「もしもハイパーインフレがやってきたら…」などなど、金融機関はいろいろな「もしも」を語り、顧客にリスク性商品を買わせようとする(その「もしも」はなかなか来ないのだが)。
私自身、金融機関で長く働いていたが、「不安あおりビジネス」をして収益を上げていたような気がしていた。

既存の保険業界への宣戦布告?

Umbrella Coinが従来の保険会社と違う点として、保険料を仮想通貨で払うことに加えて、保険金支払いの際の姿勢があると述べている。
既存の保険会社の場合、顧客から受け取った保険料は投資に回される。
生命保険の場合、保険料の支払い期間が長くなる傾向にあるため、保険会社は長期投資で収益を狙いに行くことが可能なのだ。
しかしながら、契約者に何かあり、保険金の支払いが発生する段階になると、「既存の保険会社はできるだけ支払額を少なくしようとする」とUmbrella Coinは非難している。
保険金支払いに伴い、保険会社は長期投資を行っている資産を現金化する必要があり、運用利回りを下げてしまうことになるためだ。
Umbrella Coinの場合、保険金支払いの原資が仮想通貨のUMCである。
既存の保険会社とは違い、Umbrella Coinの保険契約者が増えれば増えるほどUMCの価格は上昇し、保険金支払い余力が高まることになる。
既存の保険会社が雇っている高給取りのファンドマネージャーなどはUmbrella Coinにいないため、保険金支払いを渋る必要もないというわけだ。

保険契約が複雑なのは保険金を払いたくないから?

私自身、金融機関で働いていた時、保険商品を取り扱っていたが、契約が複雑すぎて細かい仕組みをきちんと理解できていなかった。
専門家(?)であるはずの金融機関勤務者がこの状態であるため、保険契約をする人ですべての特約などを理解している人は稀だろう。
「保険契約が複雑なのは、保険会社が保険金を払いたくないから」と述べる識者もいるくらいだ。
Umbrella Coinによると、既存の保険会社と契約している人は「隠れたコスト(hidden costs)」を払わされていると述べている。
これらの隠れたコストを負担をさせられている契約者を救うために立ち上がった正義の味方が、Umbrella Coinというわけだ。

保険会社を含む金融業界の収入は、他の業界よりも高めに設定されていると言われている。
彼ら、彼女らの高収入は契約者が払っている隠れたコストによって支えられており、この矛盾を打開するためUmbrella Coinは仮想通貨を使って保険業界を変革しようとしている。
この仕組みは日本でも受けそうな気がするのだが、当局の説得という難題があり、これが結構厄介だったりする(経験談)。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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