【Dome Platform】無料Wifiを提供するICO企業

Wifiがないことが来日観光客の不満

私は仮想通貨評論家としてICO記事の執筆やプロジェクト管理のコンサルティング業務を行っているが、仕事に欠かせないのがパソコンとスマートフォン、それにWifiである。

私にとって、これらは3種の神器とも言える存在で、どれか一つが欠けてしまったら業務が止まってしまう。コインマンとしてもコンサルタントとしても、この3つの道具は不可欠な存在である。

一番困るのは飛行機の中だ。最近はフライト中でもWifiを飛ばしてくれる航空会社が増えてきたが、1時間450円などの中途半端な料金を請求してきたりするため、使う気が失せて結局本を読んだり、映画を観たりして時間を過ごしてしまいがちだ。

海外に行くと、ホテルやショッピングセンターの中はWifiが飛んでいることが多いのだが、街中ではインターネットが使えずに困ってしまうことがある。かと言って、海外でレンタルWifiを借りるとかなり高い料金を請求されるため、結局本を持ち歩いたりするケースが多くなってしまう。

海外から日本にやってくる観光客も、私と同様の悩みを抱えているようだ。
2017年の来日外国人観光客数は2千万人を既に突破しており、将来的にこの数を4千万人に増やす計画を日本政府は立てている。

外国人が日本にやってきて困る問題として、英語が通じにくいことと無料Wifiが飛んでいる場所を見つけるのが難しいということがあげられている。海外に行って、「Wifiが欲しいのだが見つからない」という時に解決策を提供するICO企業が登場した。その名は、「Dome Platform」である。

手作り感満載の宣伝動画

私は仮想通貨評論家であり、数百近いICO企業のウェブサイトを見てきた。ICO関連の記事を書く際に一番最初に私がやることは、ICO企業の宣伝動画の視聴である。
宣伝動画を一度確認して、そのICO企業のビジネスモデルが理解できれば、かなりプレゼンテーションがうまい会社と言える。

一方、宣伝動画を繰り返し確認しなければビジネスの仕組みを把握できない場合、そのICO企業のプレゼンテーションが下手であるか、事業の方向性が迷走しているかのどちらかである可能性が高い(両方の場合もあるな)。

今回紹介するDome Platformについても、例によってまずはウェブサイトに掲載されている宣伝動画を視聴してみた。Dome Platformの動画についての第一印象は、「手作り感満載だな」ということである。

Dome Platformの宣伝動画の場合、一人の開発者が延々と話し続けている無機質な内容になっている。実際にDome Platformのプラットフォームを使う場合、スマートフォンでどのような画面が出てきて、アプリをどう操作すればよいかということを開発者が説明してくれているのだ。

ICO企業の宣伝動画というよりは、YouTubeで時々目にする「分かりやすいアプリの使い方」の解説動画のようである。ただ、Dome Platformの開発者が一生懸命仕事に取り組んでおり、利用者に分かりやすく説明しようという意思はひしひしと伝わってくる。

Dome Platformの宣伝動画は4分超と長めであるが、実際のアプリの使い方を教えてくれるため、それほど長くは感じなかった。Dome Platformの仕組みは極めてシンプルであり、以下のプロセスでWifiへの接続が可能になる。

1.Dome Platformのアプリをスマートフォンでダウンロード
2.Eメールアドレスとパスワードを設定してアカウントを作成
(FacebookかGoogleのアカウントがあれば新規設定は不要)
3.今いる場所で利用可能なWifiがアプリ上で表示される
4.利用するWifiを選択する
5.Wifiがスマートフォンとつながり、インターネットが使えるようになる

利用者は無料、提供者はトークンを付与

Dome Platformを使ってWifiを利用する場合、宣伝動画を視聴しながらアプリを操作すれば誰でも簡単にインターネットにつなげられそうである。また、Dome Platformの利用は基本的に無料のようだ。

その代わりに、Dome PlatformのプラットフォームでWifiを使っている間は広告が表示されるようである。広告収入によってDome Platformは組織を運営し、サービスを提供していく方針なのだろう。

私にとって、Wifiサービスを提供するICO企業の記事を書くのはDome Platformが2社目である。
1社目は「BY WiC」というICO企業だったが、ここの利用者は仮想通貨を購入する必要があり、無料で利用することはできない仕組みになっていた。

一時的にWifiを使うためだけに、仮想通貨を購入しなければならないのは結構面倒である。
広告を目にしなければならないというデメリットはあるが、Dome Platformであれば無料でWifiを使うことができるため、BY WiCよりも進化した形でサービスを提供していると言える。

Wifiネットワークの提供者は、Dome Platformが発行する仮想通貨であるDMEトークンを付与されることになる。私が持っているWifiもそうであるが、少しくらい回線を他の人に利用されても、特に接続スピードが落ちるということはない。

そのため、Wifiの回線を誰かに使ってもらってDMEトークンをもらえるのであれば、基本的に損をすることはない。DMEトークンを法定通貨や主要仮想通貨に換金、交換できるかどうかは未定のようであるが、流動性が低くても、もらえる仮想通貨はもらっておいた方がよいだろう。

アメリカとシンガポールからの投資はお断り

Dome Platformは、2017年10月2日から11月2日までの1カ月間ICOを実施する予定になっており、およそ1,000万米ドル(約11億円)の資金調達を目指している。2018年1月からDome Platformのリリースを予定しており、ICO完了後、2カ月でサービスを提供することになっている。

Dome Platformのホワイトペーパーを読んでいて気になったのは、アメリカとシンガポールから投資ができないことだ。アメリカとシンガポールの国籍を保有している人たちだけではなく、両国に住所がある場合であっても、Dome PlatformのICOに参加することはできないとホワイトペーパーに記載されている。

2017年後半に入り、アメリカとシンガポールの金融当局が仮想通貨に関する声明を発表している。9月29日には、アメリカの証券取引委員会がICO企業2社とその創業者を告発したことを明らかにし、仮想通貨業界で大きな話題になった。

Dome Platformが、アメリカとシンガポールからの投資を拒否している理由は不明だが、両国は世界でも有数の豊かな国であり、金融の先進国でもある。

Dome PlatformがICOで調達を目指している額はおよそ11億円であり、それほど大きな金額ではないが、両国の投資家がアクセスできないことの影響は少なからずあるだろう。ただ、アメリカとシンガポールでもDome Platformのサービスは利用可能であり、投資だけお断りという方針のようだ。

ICO企業による投資家の選別が行われるようになっているが、これまでのところ日本人や日本に住んでいる人が投資できないICO企業には遭遇していない。日本政府(金融庁)が仮想通貨取引所の登録制度を開始したこともあって、世界のICO企業は日本の投資家を歓迎しているようである。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

linea

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする