【Descrow】世界初のエスクロー特化型ICO企業

クラウドソーシングを使う理由はエスクロー・サービス

日本におけるフリーランスの人口が1,000万人を超えていることが、新聞やテレビなどで報道されている。

ただ、フリーランスの場合は、現状において保険や年金の制度が会社員よりも貧弱なケースが多いため、日本政府は税制改正などでフリーランスの立場を見直す方向で動いているとされる。

フリーランスになると、インターネットにつながっている環境であればどこでも働くことが可能になり、人によってはずっと働いてしまうこともあって、仕事と休みのバランスを取ることに苦労しているケースもあるようだ。

また、フリーランスの人が仕事を探しやすい環境が整いつつあり、クラウドソーシングのサービスでさまざまな業務を行えるようになっている。

クラウドソーシングを利用する人が多い背景には、エスクロー口座のプラットフォームを使いたいと考えているフリーランスが多いことがあげられる。

フリーランスの場合、仕事を最後まで行ったとしても、依頼主からきちんと報酬が払われるかどうかという不安がつきまとう。

そんな時、クラウドソーシングのプラットフォームであれば、「仮払い」機能があり、フリーランスの人が仕事に入る前に、エスクロー口座に一旦資金が入る仕組みになっている。

仕事を終えた人が支払いを受けようとして、依頼主側がそれを拒んだ場合、クラウドソーシング業者が間に入ってくれて仲裁をしてくれるため、フリーランス側は「ただ働き」になるリスクを軽減できるのだ。

一方で、フリーランスの人はクラウドソーシング業者に対して、報酬の20パーセントという高めのシステム利用料を支払っている。

依頼主との間で問題が発生した際、クラウドソーシング業者が出てきてくれるのはフリーランスにとってありがたいのだが、20パーセントの利用料は高すぎると感じている人が多い。

エスクロー口座のサービスさえ使うことができれば、クラウドソーシング業者に高い利用料を払う必要がなくなるため、新しい業者の登場を待ち望んでいるフリーランスは多い。

そんなニーズをくみ取ったICO企業が、エストニアに登場した。その会社の名は、「Descrow」である。

ホワイトペーパーにはイーサリアムの創業者が登場

Descrowは2017年11月21日から12月19日までICOを実施し、新しい仮想通貨であるDESトークンを発行して、最高3,000万米ドルの資金調達を目指すとホワイトペーパー上で説明している。

Descrowのホワイトペーパーを読んでいて興味深かったのは、仮想通貨業界の「生きる伝説」と呼ばれているイーサリアムの創業者Vitalik Buterin氏の写真とコメントが掲載されていることだ。

DescrowがButerin氏に写真掲載の許可を取っているかどうかは不明であるが、ICOの世界におけるButerin氏の影響力は甚大であり、彼のコメントがホワイトペーパーに載っているのはかなりのインパクトがある。

Buterin氏はDescrowに関して直接言及しているのではなく、2017年2月11日にメキシコで開催されたカンファレンスでの彼のコメントが、Descrowのホワイトペーパー上に掲載されているだけである。

2018年第2四半期からエスクロー・サービスを開始予定

Descrowは、2017年5月からエスクロー・サービスを展開するためのデモ・プラットフォームを公開しており、2018年に入ってから本格的なシステム開発に入るとホワイトペーパー18ページ目で説明している。

その後、2018年第2四半期からエスクロー・サービスを開始する予定にしており、2019年からはDESトークン以外の仮想通貨も取り扱えるように準備すると述べている。

Descrowが発行する仮想通貨であるDESトークンだけが流通するエスクロー・サービスの場合、それほど多くの利用は見込めない可能性がある。

しかしながら、ビットコインやイーサリアムなどの主要仮想通貨をDescrowのプラットフォームで使えるとなると、かなりニーズが出てくるだろう。

現時点では、日本におけるクラウドソーシング業者は法定通貨である日本円によるエスクロー・サービスしか提供しておらず、既存の銀行システム経由で決済するしかフリーランスには手段がない。

Descrowがホワイトペーパーで言及している通りに、2019年から他の仮想通貨をエスクロー・サービスで使えるようになれば、日本のクラウドソーシング業者を使っているフリーランスがDescrowを利用する可能性はあるだろう。

Descrowのウェブサイトは日本語対応しており、日本人にとっても理解しやすい仕組みになっている。

前述の通り、日本のフリーランスは既存のクラウドソーシング業者の高い利用料に苦しめられており、低コストのエスクロー・サービスがあれば、それに乗り換えたいと考えている人は多いと思われる。

Descrowが2019年以降、どの仮想通貨をプラットフォームに流通させるかについて、ホワイトペーパーに記載はなかったが、主要仮想通貨が取引されるようになれば、クラウドソーシング業界に一石を投じる存在になるかもしれない。

課題はDESトークンの流動性

Descrowは世界初のエスクロー・サービスに特化したICO企業ということだが、残念ながらDESトークンが、将来的に仮想通貨取引所で法定通貨や主要仮想通貨と換金、交換ができるようになるかどうかの記述が見当たらなかった。

仮に、2019年からDescrowのプラットフォーム上でビットコインなどが流通するようになれば、仮想通貨取引所でDESトークンを上場させる必要性は薄れるのかもしれない。

しかしながら、仕事をして報酬をDESトークンで受け取ったフリーランスの人などの場合、生活のために法定通貨を手に入れる必要があるため、仮想通貨取引所でDESトークンの売買ができるようにしておくことが望ましいだろう。

スマートコントラクトはエスクロー・サービス向き

いくつかの課題を抱えているDescrowではあるが、自動で契約を執行できるスマートコントラクトは、エスクロー・サービス向きのプラットフォームであり、目のつけどころは非常に良いと思われる。

日本の既存のクラウドソーシング業者の場合、システム開発や顧客対応に大量の人員を投入しており、そのコストによって、フリーランスなどの利用者が高い利用料を払う結果になっている。

Descrowの場合、仲介者がいない形で直接取引が行われ、DESトークンによる決済がオンラインで執行されることになる。

また、スマートコントラクトのエスクロー・サービスであれば、銀行口座を持つ必要がない。

そのため、世界に25億人いるとも言われている銀行口座を持てないアンバンクと呼ばれる人たちにとって、仕事と報酬を得られる機会を提供できる存在にDescrowはなるかもしれない。

発展途上国の地方に住んでいる人たちの場合、銀行などの金融機関の支店が家の近くにないケースがあり、銀行口座が持てないことから、貧困状態から抜け出せないケースが多くなっているのだ。

彼ら、彼女らに対して仕事と報酬を提供できるようになれば、Descrowは将来的に大きな役割を果たせるICO企業に成長するかもしれない。

コインマン

日本初の仮想通貨評論家「コインマン」として活動する元外資系金融マン。債券ブローカーとしてニューヨークで勤務し、東京では当局対応として金融庁と対峙したリアル半沢直樹。
毎朝4時に起床し、仮想通貨ニュースを執筆する日々を過ごしている。フランスに留学していた親仏家であり、ヨガインストラクターを目指していたヨガマニアでもある。

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